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【企画雑文#noteでBL】あとがき(断章)

こちらは昨日投稿した↓のあとがき記事です。

ネタバレを含みますので、よろしければ本編の後でお読みください。
なみさん、こちらもよろしくお願いいたします。


まずはおさらい

今回のお題(と縛り)はこちら。

ふと、振り返るとそこには ※冒頭配置厳守
過去回帰、回想禁止

noteでBL、2026/3の投稿作お題&縛り

そして私が書いたのはこれ。

【タイトル】
断章

【ジャンル】
純文学(風)

【あらすじ】
貴司の家に、ある日大きな荷物が届く。伝票には『ふと、振り返るとそこには』という言葉が。どうやら荷物は絵画で、そのタイトルのようだ。
送り主は貴司の父親の従弟である馨。兄のように慕いつつ、単なる年長者への思慕とはいえない自分の想いを徐々に自覚する貴司。
けれど貴司の想いとは裏腹に、馨にとって貴司は可愛い年少者に過ぎない。近づきたいという想いを躱されながら、送られてきた絵画をきっかけに、貴司は馨と父の過去にふれていく。

絡み合う想いの中心にある絵画を前に、少年はひとつ、大人になる。

ジャンル&あらすじ

本編をお読みいただいた方。
特に前作もお読みくださっている方。

ええ、おっしゃりたいことはわかりますとも。私もそう思いました。

また絵なのおまえ???
………ね!!!(※おい)

あと、回想禁止なのに書いてみたら過去イチ過去の話に(※文章)
関係性も複雑めだし、わかり辛いストーリーだっただろうなと思います。分を弁えない書き方で、お読みいただいた方にご負担を⋯⋯!
大変申し訳ありませんでした。
精進いたします(´・ω・`)

というわけで、なんでこんな話になったんだろうなという、前回同様とりとめもない振り返り記事です。
※前回以上に長いです(約6,500字)、お読みいただいても特に得るものはありませんのでご注意ください!

回想禁止の衝撃

今回のご参加者さまは過去最多を更新。
ご新規さまも多くいらっしゃると聞き、私は衝撃に固まっておりました。

え、みんな回想禁止って全然平気なの??

2025/2の初参加以来、勝手にホームと認識しお題を問わず参加表明ありきの私ですが、今回は表明したものの本当に書けるのかとずっと悩みまくっていました。

本気で、過去イチ難しかったです。

普段のクレイジー3題のほうが全然マシだと思いました。
企画発足当初のお題では書いていないので偉そうに言える立場ではないのですが(『マジでキスする5秒前』とかありましたしね※書いてない)、少なくとも参加したことのあるお題では、そこまで「書けるか」自体には悩まなかったような。
2025/8の死生観BLくらいですかね、悶絶していたのは。あれはテーマが重かったので⋯⋯ライトな日常系しか書いたことがなかったために、かつ普段ふわふわと生きているために、そもそも死生観と向き合うところからスタートした結果、3週間呻吟しておりました。
結論として己の死生観がだいぶ偏っているということが判明しただけで、求められていた花のうてなっプルは行方不明のままでしたが、懐深く受け入れてもらえたおかげでその後こいつはトータル60,000字程度の連作短編となりました(さらに続編検討中)。
ありがとうございます!!

閑話休題。

死生観BLはテーマの消化に時間がかかった作品(だった気がしているもの)ですが、今回の不安は技術的な部分。

書いたことないんですよ、回想なしで3,000字以上(たぶん)

過去のnoteでBL投稿作(15作)を読み返してみたところ、回想なしと自信を持って言えるものはありませんでした
グレーゾーンっぽいものが2作。ひとつは主人公に空想癖があるため、回想なのか現在の空想なのか曖昧なもの。もう1作は出会いから現在までを「出会い。交流。告白。⋯⋯」と単語で振り返るシーンが少し(2行分ほど)あるもの。回想というほど場面チェンジでシーン描写はしていないものの、振り返りシーンではある、という。

やっぱりね。
息吸うように過去に戻っているんです、拙作は。

なんで回想ありきなのか

これはたぶん、書き方の癖が出ているのだろうと思います。
以前語り記事でも書いたのですが、基本は浮かんだワンシーンから書いていくスタイルのため、時系列がバラバラなんですよね。
必ずしも最初に浮かんだシーンが冒頭とは限らないものの、印象深いセリフやシーン、もしくはそこにダイレクトにつながるシーン(浮かんだシーンの直接の結果や原因になるもの)から始めるのがスムーズなため、時系列としては入り繰っていることが自然なのです。
好きなものから食べ始める的な(※違う)

そうやって、ストーリーの組立てをあまりせず、回想上等で勝手気ままに書く結果、進行形の時系列で書いた経験がほぼないという状況に。

炙り出される手癖。
なみさんの企画力よ⋯⋯!!

図らずも普段の書き方を封じられた結果、苦手というかそもそもやろうと思ったこともあまりない、「どんなストーリーにするか」を考えることになったのでした。

何を書くかを考えてみる

「何を書くか」は前回も考えたのですが、その時は最初に書こうと思っていた話が自分で読みたくなくなって急遽ボツにしたという経緯。いちおう最初はいつもどおり、浮かんだシーンからこんな話になるな、ということを「知っていく」形式で書き始めていました。
ボツにした後はファンタジー系を考えてみたりと迷走した結果、今書きたいもの=花のある美しい情景、というところから和物に落ち着いていった流れ。

今回はスタートすらできませんからね。
焦りが違います(笑)

ちょっと考えてみても、すーぐ戻るんですよ過去に。
ふと、振り返るとそこには。
書き出しがこれなので、ここは素直に振り返っている人物をイメージしました。そして前作など「花のある情景」の影響や季節感から、桜が散っているところも。
満開の桜を背景に振り返っている人物。
もしくは、振り返った先で、満開の桜と、そこにいる「誰か」に気づいた人物。

お題からはこの情景が強く喚起され、なかなか他のイメージが浮かびません。
でも素直にそこをスタートにするといつものパターン。

困った。
これをどう繋げれば、進行形のストーリーになるんだ??

ホラーか? ホラーなのか??

振り返ったら桜がある、というところからスタートし、そのまま一直線に進んでいけるストーリー。
そう考えると、現在の危機感に集中せざるを得ないホラーは相性が良さそうだなと思いました。桜も似合うし。

でもさぁ、振り返ったら桜がある、桜に気づくって状況として不自然じゃない?
背後の桜の樹に振り返るまで気づかないって状況、君は自然に処理し切れるの⋯⋯?

と、理性が訊いてきますが私は堂々と言ってやりました。

夢だよ!! と。

ふと、振り返るとそこには満開の桜の樹があった。
なぜ今まで気づかなかったんだろう。こんなに見事に咲いているのに。

そう思った瞬間、ざぁっと風が鳴って、桜の花びらが渦を巻く。
花びらで視界が薄紅に染まる。息ができない。助けて、と叫んだ。

ってところで目を覚ます。
その夢を何度も何度も見る。
そこに少しずつ姿を現す、渦巻く花びらの向こうで、微笑んだ口元しか見えない「誰か」⋯⋯

ホラーじゃない?!
ホラーになるんじゃない!?
しかも情景が美しいんじゃない!!??

ということで、ホラー案で行ってみました。

ホラー即頓挫

いや粘りましたよ。数パターン考えました。
字数的に厳しいやろと思いつつ、因習村というか、ゼミのフィールドワークで行った先で〜とかも考えました。その場合、上記の振り返ると桜のシーンは言い伝え的な扱いでした。「〜って話らしい」みたいなね。

でも、やっぱりダメなんですぅ⋯⋯!
「こんなお話にしよう」で考えても、浮かぶことは浮かぶけど進まない。筆が。
端的に言って、私が「読みたい」「知りたい」という話にならないんですよね。

作ろうとするとダメなんだな、と理解するに至る。

私の創作スタイル(などと偉そうに言えるようなものではありませんが⋯⋯)は、「作る」ではなくあくまで「知る・判明する」なんだな、と。
浮かんだシーンが、なぜそうなるのか考える。
考えてみた結果、そのシーンの因果関係が見えていく。
だから何よりもまず、「なぜそのシーンになるのか知りたい」というものでなければスタートできません。
振り返ったら桜がある、からスタートするホラーは、「ホラーにする・なる」と先に決めてしまっているために、知りたいという気持ちを強く持てない。知りたいと思って考えた結果、ホラーだった、という形でしか書けない人間なのだな、と自分のことを理解したのでした。

だからといって書けないのは焦る

書けないのは仕方がないので置いておきます。
幸いお仕事ではないので、自分が書いててつまらないものを、我慢して書かなくても良い。
でも一方で、「書けないので今回はパス」とはしたくない、とも強く思っているのです。

これは私の勝手なスタンスで、この企画の趣旨ではありません。
主催のなみさんは一貫して、「参加自由」「参加表明後の離脱自由」「プライベート優先で、楽しく」と言ってくださっていますし、他の参加者さんもお題やご自身の状況しだいで参加されたりされなかったり、実際に自由に楽しまれています。

でも個人的に、参加はしたいんです、どうしても。

もともとお題で書くのが好きで、タイミングも内容も完全に自由になると逆にあまり書けないというか。
なので、企画参加はとてもいい機会として活用させていただいています。

根が怠惰な人間なので、諦めた前例を作りたくないというのもあります。
一度降りると二度と戻ってこない気がする。
もちろん家庭や自分の体調なんかに何かあれば話は別ですが、創作を続けるための規律?的なものとして、基本的に毎回参加するつもりでいたいと思っています。

だから何かしらをね。
書いて投稿してぇのよ⋯⋯!! 頼む、私(呻吟)

絵か。絵だ!

あーもういっそあれだ、「ふと、振り返るとそこには」から始まる短編アンソロ書いてる設定とかどうだろう。大好きな四四田さんが書くって言ってた宇宙人ポール(実際のご投稿作はこちら)も入れてさ。「〇〇は宇宙人ポールって縛りも追加な」「えーー俺だけしんどくね?」「ゲラゲラ」みたいな、文芸部男子ズの合宿的な設定でさ。
あ、いたな文芸部男子。ちょうど1年前にいたな??

などと思っていたりもした。
文芸部男子案との正確な前後は忘れましたが、まぁそうやって迷走を極めていた折、ふと天啓を受けます。

絵じゃない??

桜バックに振り返ってる絵じゃない?
「ふと、振り返るとそこには」、その絵のタイトルじゃない??

来ました。
何その絵、誰が描いたの。
その子(少年)誰なの?
その絵から始まるの!?

その話、どうなるか知りたいんだけど!!

なんで絵かというと

これは元ネタ(?)がはっきりしてます。
最近ハマっていると記事にも書いた、乙女の本棚シリーズ
迷走期(たぶん3/5あたり)に、『押絵と旅する男』(江戸川乱歩+しきみ)を読んだのです。

読んですぐに絵で書こうと思ったわけではありませんが、「生きているかのような絵」という設定が頭に残っていたんですね。
『押絵〜』は産毛まで見えそうな生々しさ、のような描写がされていましたが、そんなふうに、絵であることを忘れるような、描いた/描かれた人間の心情まで表れているような絵。
見るものを圧倒する、そこに閉じ込められた「その瞬間」の生々しい感情に溢れた絵、というイメージが、不意に湧いてきたのでした。

イケる。
参加できますよなみさん!!!
(なおまだ一文字も書いていない段階)

ということで、長かった迷走にようやく光が見えました。
これがたぶん3/11とかそのあたり。

昭和テイストで。

正直、絵で行こうと思ってからはただただどうなるか知りたいから考えていた、というか読みたい雰囲気の話が出てきたという感じだったので、結局なんでああなったのかはよく覚えていません(※いつものパターン)

でももうひとつのきっかけというか作品のベース的なものは、最近とあるポストが元で再燃している長年の推し作家。その方が得意とする作風のひとつが、古き良き昭和レトロな世界観なのです。

合うんじゃない? 絵と昭和レトロ。
私の好きなやつじゃない?

白い襟付きシャツの少年、古い一軒家に住む父子、呼び出し音が心臓に来る黒電話。
そこに、父親の従兄弟という微妙な距離感が加わって、二通りの「従兄さん」呼びが発生したらこっちのものです(??)

ほらこれ好きなやつ!
四半世紀くらいずっと好きなやつ!!

登場人物の名前も、シンプルかつ和風なイメージで。
主人公は絶対「貴司」だと思ったのですが、馨が「朔さん」と呼ぶのがセクシー(?)でいいなと思ってパパを朔にしたところ、親子感がなくなったのは残念といえば残念。
でも朔・馨という字の並びの美しさも譲れず、親子の統一感的なものは諦めました。
「尚(たかし)」「直(ただし)」も良かったけど、やっぱり「貴司(たかし)」が良かったんだよな⋯⋯

ライトなSSだとあまり名前はつけないのですが、最近よく書く不穏系は三人称視点固定のため、名前が必要なのがちょっとした悩み。付けるとなると響きも漢字もこだわってしまいますが、付けない限り書き始められないので⋯⋯!

今回は割合さくっと決まったので良かったです。

知らないから回想のしようがないとはいえ

貴司が荷物を受け取り、「???」となっているところからスタートする本作。
ストーリーの核となる絵、及びその絵をめぐるアレコレが主人公の知らない過去の出来事のため、貴司の視点で「この荷物はなんだ」「父と馨の関係ってなんだ」と考えている限り回想にはなりません。

キタコレ。

ただ難しかったのが三人の関係です。
貴司にとって馨は父親の従弟。世間一般的には、あまり交流の深い関係ではないでしょう。年齢差としても、朔と貴司の間に馨と、どちらとも親子にしては近すぎ、兄弟や従兄弟としては離れている、という微妙な位置。馨が藤岡親子と日常的に親しみ、藤岡家に入り浸っているという描写に悩みました。

本編では冒頭で匂わせるだけにしておりますが、貴司には早い段階から母親がいません。物心つく前には父子暮らし、そこに学生の馨が貴司の面倒を見るという理由で通っている(いた)、というのが彼らの日常です。

母親がいない、馨が昔から入り浸っている、貴司にとっては馨がいるのは当たり前の光景だけど、血縁関係としてはあまり一般的な距離感ではないらしい、ということを理解するようになった年頃。
その関係性に違和感を覚え始めるのと同時に、じゃあ自分にとって馨は、父は、この日常はどういうものなのか⋯⋯
みたいな貴司の心情を、どこまで具体的に描写するか。回想なしで(※最重要)

推し作家さんなら書くんだよー。淡々と情報を提示しているだけにも関わらず、句を読んでいるかのようなリズムと、漢字とかなのバランスも麗しい、でも決して華美ではない、目にも耳にも美味しい美文でさー。

でも推し作家の作品は5,000字でも回想禁止でもないじゃん?
そして私はいちファンであって推し作家ではないじゃん?

だから私は書かなくて良くない?
てか書けなくない?
回想禁止だし(※最重要)

というわけで、悩んだ結果、彼らの関係性や日常についての記載はばっさりカットしました。
それでも読ませたChatGPTには「彼らの関係性の提示部分が説明くさい、もっと削って余韻を出したほうがいい」と指摘されるなど。
無理だったのでスルーさせていただきました。

そんなこんなで

書き上がった拙作『断章』、いかがでしたでしょうか。
展開も文章も地味すぎるやろ、読んでいただく方にご負担だけおかけしてカタルシスも情感もない⋯⋯! と書く前とは違う点で呻吟したものの、私のなかでは出来上がりすぎてて修正のしようがなく、そのまま投稿させていただきました。
お読みくださった方、本当にありがとうございます。

文体もいつもとはちょっと違ったかな、と自分では思ったりもしましたがどうでしょう。
読んでるとあまり気にならないでしょうか。
ChatGPTには「個性が弱い」「誰が書いたかわからない」というようなことを言われておりますが、文体の個性ってどうやって作るの⋯⋯好きな言い回し以外にその表現で書く理由なんてないよ! と逆ギレでしのいでおります(※しのげていない)

まだ皆さまの作品すべてを読めてはいませんが、同じ書き出しからそれぞれどんな情景が、どんな表現で描かれたのか、拝見するのが楽しみでなりません。
今回の挑戦でまたひとつ自分の創作を理解することができた気もし、貴重な機会に心から感謝しております。
なみさん、いつもありがとうございます!

次回の企画も、今からとても楽しみです!!
(気が早い)


過去の参加作はこちら↓


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