見出し画像

【VOL.47】階段は「寝る時だけ」。共働き世帯が選ぶ1階完結型間取りで家事時間を1日30分減らす方法

こんにちは、W&B companyです。

共働きの家づくりで、後から効いてくるのが「階段の往復」です。

洗濯・片付け・寝かしつけ・看病・着替え……平日のバタバタは、だいたい"上下移動"とセットになりがちです。

実際、6歳未満の子がいる世帯では、家事・育児時間が 夫1時間54分/妻7時間28分 という差があります。

(総務省「令和3年社会生活基本調査」2021年、https://www.stat.go.jp/data/shakai/2021/pdf/gaiyou.pdf )

この差を「気合」で埋めようとすると続きません。

だからこそ、間取りで"負担が増えにくい形"を先に作っておくのが、現実的な解決策になります。

ここで提案したいのが、2階建てのまま、暮らしの中心を1階に寄せる「1階完結型(平屋風)」です。

「老後のための間取り」と思われがちですが、むしろ"今の生活"に効果的な設計です。

結論:1階完結型は「現役世代の時短・ストレス低減」を狙える1階完結型のポイントはシンプルです。

生活の9割を1階で回し、2階は「寝るだけ/子ども部屋/予備室」など用途を限定します。

ただし、寝室を1階に置くだけでは成立しません。

鍵は 水回り・収納・寝室(もしくは休める部屋)を"ひと続きの動線"でまとめることです。

本論1:なぜ今「1階完結型」なのか。

3つのメリット

  1. 家事の詰まりが減りやすい("上下移動"を設計で減らす)

共働き家庭のしんどさは、家事そのものより「同時多発」で起きます。

朝は洗濯・身支度・子どもの準備が重なり、夜は片付け・入浴・明日の準備が重なります。

このとき、階段移動が入ると、

• 途中でタスクが中断される
• 戻る回数が増える
• 置き忘れ
・ 取り忘れが増える

といった"見えないロス"が出やすくなります。

1階に動線を寄せると、こうしたロスが起きにくい形に近づきます。

  1. 家族のコミュニケーションが「偶然起きやすい」

1階に「みんなが使う場所」が集まると、顔を合わせる回数が自然に増えます。

帰宅後にリビングへ直行し、そこで着替えや片付けが完結するだけで、すれ違いが減ることがあります。

ここで大事なのは、"ずっと一緒"にすることではなく、短い接点が生まれる配置にすることです。

  1. 将来の手直しを減らしやすい(長期の暮らし方に寄せられる)

住宅のバリアフリー化は進んでいますが、2018年時点でも 高齢者のいる世帯で52.0% という状況です。

(国土交通省「住宅のバリアフリー化について」2020年、https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001353381.pdf )

後から手すり・段差解消・動線変更をまとめて行うのは、費用だけでなく生活への影響も小さくありません。

さらに、2040年には 世帯主が65歳以上の世帯が全世帯の約45% に達するとされています。

(国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計」2023年推計、https://www.ipss.go.jp/pp-ajsetai/j/ajsetai23/t-page.asp )

暮らしの中心を1階に置く設計は、将来の選択肢を残しやすい方向と言えます。

よくある勘違い:1階完結型=「1階に部屋を詰め込む」ではありません。

ここでつまずきやすいのが、

「1階に個室を増やす=1階完結型」 と考えてしまうことです。

実際は逆で、1階完結型は "廊下を減らし、動線を短くし、収納で散らかりにくくする"設計が中心です。

部屋数を増やすより、部屋の"つながり方"を整えるほうが、暮らしやすさに効果的な傾向があります。

本論2:1階完結型の「核」になる配置ルール

ルール1:洗濯は「脱ぐ→洗う→干す→しまう」を同一フロアに寄せる。

家事の中でも、洗濯は工程が多く、移動の影響が出やすい分野です。

1階完結型でまず狙うのは、洗濯動線を"横移動"でつなぐこと。

• 脱衣室(または洗面)
• 洗濯機 • 室内干し/外干し(どちらでも)
• たたむスペース
• ファミリークローゼット(しまう場所)

この一連を、可能なら1階で近接させます。

"近い"の基準は距離ではなく、途中で階段が入らないことです。


ルール2:寝室は「寝る部屋」ではなく「休める部屋」として置く

共働き家庭で寝室が必要になるのは、夜だけとは限りません。

• 子どもが体調を崩した
• 片付け途中で一旦横になりたい
• 早く休みたい日がある

こういう"想定外"は、暮らしの中で起きます。

1階に「休める場所」があると、生活の立て直しがしやすくなることがあります。

ルール3:収納は「分散」より「集中+近接」で散らかりにくくする
1階完結型の弱点は、1階にモノが集まりやすいことです。

ここで収納を分散すると、

「どこにしまうか迷う→仮置き→散らかる」

が起きやすくなります。

おすすめは、"よく通る動線の途中に、まとめて置く"。

ファミリークローゼットや土間収納などを、玄関・洗面・リビングの動線上に計画します。

本論3:1階集中で起きやすい「3つのリスク」と回避策

リスク1:日当たりが取りにくくなる可能性

1階に部屋が増えると、窓の取り方が難しくなることがあります。

回避策は、採光を"部屋単体"で考えず、家全体の抜けで考えること。

• 玄関〜LDKに視線の抜けを作る
• 取り込みたい光の方向に合わせて窓を配置する
• 必要なら中間領域(ホール・吹抜け等)で光を回す

といった整理で、1階の明るさを整えやすくなります。

リスク2:道路からの視線で落ち着かない(プライバシー)

1階に寝室や個室が来ると、外からの視線が気になるケースがあります。

回避策は、「見えない窓」にするのではなく「視線が抜けない配置」にすること。

• 窓の高さや位置を調整する
• 植栽や外構で"距離"を作る
• 部屋の向きを少し振る(真正面を避ける)

このあたりは、間取りと外構をセットで考えるほど効果が出やすいです。

リスク3:防犯面が不安になりやすい

1階に生活の中心があるほど、防犯の不安を感じやすいのは自然です。

回避策は、防犯を「設備」だけでなく「動線と見通し」で組み立てること。

• 玄関まわりの死角を減らす
• 夜に人の気配が出る場所(LDKなど)を適切に配置する
• 外から室内が見えすぎない窓計画にする

"怖いから閉じる"ではなく、見せ方・隠し方を計画するのがポイントです。

判断基準:この3つで「平屋風になっているか」を確認する

基準1)平日を1階だけで回せるか

「理想」ではなく、平日の現実で考えます。

帰宅〜就寝までに必要な作業が、1階でつながっているかを見ます。

基準2)洗濯と収納が"1セット"として計画されているか

洗濯だけ良くても、しまう場所が遠いと戻ります。

洗う場所としまう場所が近いかが肝です。

基準3)2階の役割が明確か

2階を「なんでも置き場」にすると、結局上下移動が増えます。

2階は用途を限定し、1階で暮らしが回る前提にします。

チェックリスト(保存用:7項目)

  1. 帰宅後、玄関からリビングまでに"仮置き"が起きやすい場所がない

  2. 洗濯が「脱ぐ→洗う→干す→しまう」で同一フロアにまとまっている

  3. 1階に「休める場所(主寝室または予備室)」がある

  4. 1階に日用品の"集中収納"があり、置き場所が迷いにくい

  5. 1階の個室が増えても、LDKの広さや抜けが確保できている

  6. 道路からの視線に対して、窓の高さ・配置・外構がセットで考えられている

  7. 玄関まわりや外部の死角が少なく、防犯を動線で補えている

まとめ:1階完結型は「老後」より先に「今」に効果的

1階完結型は、未来の安心のためだけの間取りではありません。

共働きの平日に起きる"移動のロス"を減らし、暮らしを整える選択肢になりえます。

まずは、今見ている間取り図にメモを書いてみてください。

「1階だけで1日過ごすなら、どこに何が必要か」 を書き出すだけでも、優先順位が見えやすくなります。

この記事が参考になりましたら、保存やシェアをしていただけると嬉しいです。

気になる点があれば、プロフィール欄からご相談ください。

📚 あわせて読みたい関連記事


いいなと思ったら応援しよう!