税務調査が入る人の共通点
― 元税務職員が見てきた「調査対象の選ばれ方」 ―
こんにちは。
元税務職員のとしです。
税金の話をしていると、かなりの確率で聞かれる質問があります。
「税務調査って、どういう人に来るんですか?」
正直に言うと、これはとてもいい質問です。
なぜなら税務調査は
完全なランダムではないからです。
もちろん抽選的な要素もあります。
ただし実務では、調査対象はかなり戦略的に選ばれています。
元税務職員として現場にいた立場から言うと、
税務調査が来る人には、はっきりした共通点があります。
今日はその話を、制度と現場のリアルを交えて書きます。
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税務調査の確率はどれくらいか
まず前提として、税務調査の確率を整理しておきます。
国税庁の統計では、法人の税務調査は
年間約10万件前後です。
一方、日本の法人は約300万社あります。
つまり単純計算すると
年間3%前後です。
ただしこれは平均値です。
実際には
・毎年調査される会社
・一度も来ない会社
に分かれます。
つまり税務調査は偏る。
この「偏り」が今日のテーマです。
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共通点①
売上や利益の変動が不自然
これはかなり多いです。
例えば
ある会社の売上が
1年目 1,200万円
2年目 1,250万円
3年目 1,300万円
だったとします。
ところが
4年目 700万円
急に下がった。
こういうケース。
税務署は必ずチェックします。
なぜなら売上調整の可能性があるからです。
特に多いのが
・期末売上の翌期回し
・現金売上の未計上
など。
税務署には
KSK(国税総合管理システム)
というデータベースがあります。
申告データはすべてここに入ります。
そのため異常値はかなり見つけやすい。
これが調査のきっかけになることは多いです。
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共通点②
同業と比べて利益率がおかしい
税務署は同業比較をします。
例えば
飲食店。
一般的な利益率は5〜10%程度と言われます。
ところが
ある店だけ利益率1%とか。
こういうケース。
税務署は疑います。
もちろん本当に儲からない店もあります。
ただし売上が同規模の店と比べて
極端に利益が低いと経費の過大計上を疑われます。
実際よくあるのが
・架空外注費
・家族への給与
・プライベート経費
です。
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共通点③
現金商売
これは税務の世界では有名です。
現金商売は調査率が高い。
例えば
・飲食店
・美容院
・建設業
・個人の小売
理由はシンプルです。
売上を隠しやすいから。
クレジットカードだと
記録が残ります。
銀行振込も残ります。
でも現金は残らない。
だから税務署は現金商売を重点的に見る。
これは今も昔も変わりません。
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共通点④
過去に問題があった
これはかなり大きいです。
税務調査は履歴が残ります。
一度
・売上除外
・無申告
・重加算税
があると
税務署の中では要注意先になります。
そして数年後にまた調査が来る。
これは本当に多いです。
現場では「再調査案件」と言ったりします。
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共通点⑤
タレコミ
実はこれもあります。
税務署には情報提供窓口があります。
いわゆる密告です。
多いのは
・元従業員
・取引先
・離婚した配偶者
です。
ただしタレコミだけでは動きません。
必ず裏取りをします。
例えば
銀行データ
申告内容
支払調書
これらと照合します。
証拠が揃うと
調査になります。
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共通点⑥
突然羽振りが良くなる
これは意外とあります。
例えば
年収500万円の人が
突然
・高級車
・タワーマンション
・高額投資
こういう行動をすると税務署はチェックします。
特に
・仮想通貨
・副業
・ネットビジネス
この分野は最近かなり増えています。
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実は調査されにくい人
逆に税務調査が来にくい人もいます。
例えば
きちんと帳簿をつけている人。
青色申告で
・帳簿
・領収書
・通帳管理
がしっかりしている。
こういう人は調査対象になってもすぐ終わります。
税務署は効率を重視します。
だから「取れそうなところ」を優先します。
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地方税の視点
ここはあまり知られていません。
税務署(国税)だけでなく
県税・市税
も動きます。
例えば
所得税修正
↓
住民税修正
↓
事業税修正
全部連動します。
つまり
1つ調査が入ると税金は連鎖する。
これは実務でよくあります。
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元税務職員として思うこと
税務調査は怖いものというイメージがあります。
でも実際には
ほとんどのケースは普通の確認作業です。
問題は
・売上隠し
・無申告
・帳簿改ざん
こういうケース。
つまり故意の不正。
これがあると税務署は徹底的に見ます。
逆に言えば
普通に申告している人はそこまで心配する必要はありません。
税務署もすべての人を調査できるわけではないからです。
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まとめ
税務調査が入る人には共通点があります。
特に多いのは
①売上や利益の不自然な変動
②同業と比べて利益率がおかしい
③現金商売
④過去に問題がある
⑤タレコミ
⑥急に羽振りが良くなる
税務調査は完全なランダムではなく
ある程度「狙われる」仕組みになっています。
元税務職員として言えるのは
一番安全なのは普通に申告すること。
シンプルですが結局これが一番です。
