「また責められたらどうしよう」──正しさの時代に、関わることが怖いとき
「またそれパワハラって言われるかも…」と、言葉を飲み込む毎日に疲れていませんか?
「これ、言って大丈夫かな…」 「叱ったつもりじゃなかったのに、圧をかけたって言われた」 「指導しただけで、“上から目線”って思われたらどうしよう」
そんな不安を感じながら、職場で関わっている上司や先輩たちが増えています。
誰かを責めたいわけじゃない。
ただ、よくなって欲しいと思って言っただけ。
それなのに、「言葉の選び方を間違えたかも」と自己嫌悪に陥ったり、
もう誰にも踏み込めないような気持ちになったりすること、ありませんか?
ハラスメントの“過敏さ”に、心が疲弊している
「ハラスメントに気をつけなさい」 「部下指導には細心の注意を」
企業研修などでもよく聞くこの言葉。 もちろん意図は正しいのですが、現場の空気はどうでしょう。
上司や先輩たちの中には、
・部下と距離をとるようになった
・自分の言葉に自信がなくなった
・「どうせ何を言っても誤解される」とあきらめている
そんな“関われない空気”に押しつぶされそうになっている人も少なくありません。
「何を言えばいいか」より「どう関わるか」
関係が崩れてしまうのは、「その言葉がNGだから」ではありません。
実は、同じ言葉でも、関係性や伝え方によって、全く違う受け取り方になる のです。
だからこそ、必要なのは「言葉選びの正解」を探すことではなく、 “関係性そのものを育てる”という視点なのです。
そしてその関係性は、
・共感(気持ちに寄り添う)
・受容(ありのまま受け止める)
・承認(存在や努力を認める)
といった、シンプルだけど奥深いコミュニケーションスキルによって育まれます。
「関わるのが怖い」を超えていくには
私はかつて中学校の校長という立場にありました。 その立場に求められるのは、やはり毅然とした態度や、判断力、そして全体を導く責任感だったと思っています。
決して、職員に迎合して「優しい上司」であろうとしたわけではありません。 ただ、先生方にお願いや提案をするとき、 それぞれに異なる価値観や事情があることを理解しようと努め、 一人ひとりが納得できるように、言葉を選び、伝え方を工夫してきました。
同じ内容でも、「この人がこう言うなら」と受け取ってもらえるのは、 日頃からの信頼関係の積み重ねがあるからです。
だから私は、 「ハラスメントにならないように気をつけよう」とびくびくする必要はないと思っています。 媚びる必要も、迎合する必要もありません。
ただ一つ大切なのは、
“相手が信頼してくれているかどうか”は、自分では決められないということ。
そこを勘違いしたとき、 善意の言葉が、相手にとっては圧力や否定に感じられてしまうのです。
これからの発信について
このシリーズでは、 「関わりたいのに関われない」と感じる上司や先輩、 現場で人と向き合っているすべての方へ向けて、
“共感的人間関係づくり”のヒントや視点をお届けしていきます。
・誰も責めずに、関係を育てる言葉とは?
・部下や後輩との信頼の築き方とは?
・「対話と信頼」のある職場に必要なこととは?
「もうハラスメントが怖くない」と、
胸を張って関われる人が増えることを願って…
信じて関われば、職場の空気は必ず変わります。
あなたのその関わりが、誰かの力になります。
次回予告:
“指導”のつもりが“攻撃”になるのはなぜか?
「伝えたい」が「届かない」現場のリアルに迫ります。
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