【小説】『ココロ走る』第二章:交わる足跡編 第27話 和歌山ジャズマラソン
初めてのハーフマラソン。
仲間とユニフォームをそろえて臨んだ大会当日。
走ることは、生きること——そう教えてくれた仲間たちと共に、スタートラインに立つ。
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和歌山ジャズマラソン当日
2022年11月13日、秋晴れというのが相応しい天気。
陽介の車に、聡太、桐谷、松田が乗り込み
私の車には明美と萌花、綾が乗り込み、和歌山城を目指す。
9時に「ハーフマラソン」スタートに合わせて家は6時半には出る。現地8時集合。
前日に、ゼビオでマラソン途中で口に入れる用のゼリーを4つ購入した。二つは陽介に渡すつもりだ。NIKEの白い帽子とオークリーのサングラス、ウエストポーチも持って行く。ゴールの写真を撮ってもらうためのカメラもカバンに入れた。さあ出発だ。初のハーフマラソン。
———少しの緊張と不安が入り混じる。
ロング走は結局1回もできてないこと。10キロを何回かは走ったが、それ以上の距離になるとどうなるかを私は経験できてない。練習はしたが、十分ではないという状態だ。
陽介は相変わらず、練習も来てなかった。本番は来るとのことをLINEで確認している。どこかで少しでも本番に向けて走ってくれてたらいいのだが……。陽介、ハーフマラソンを舐めたらだめだ。と、初ハーフマラソンの私が考えるのも少しおかしい……。
考えてる間にスタート地点の和歌山城に着いた。幸いまだ早いせいか、和歌山城周辺にコインパーキングが空いていた。そこに車を停めて、スタート地点へと向かう。思った以上の参加者で、人の流れができていたので、すんなりスタート地点へと辿り着けた。方向音痴の私でも迷うことなかった。
「森山さーーん!」
よく通る声が響く。陽介だ。
「おはよう!陽介、よく来たな。練習したか?」
「んー。何とかなるでしょう」
「これ、栄養補給で途中で食べてな」
と用意してきたゼリーを渡す。
「ありがとうございます」
みんな揃ってる。陽介が会社を辞めることは皆知らない。
「伊藤さん、無理はダメっすよ」と、聡太
「陽介さん、練習不足は気持ちでカバー」と、松田
「やるだけですね後は」と、かける言葉を失った水嶋…。
桐谷はニコニコその光景を見ていた。
私たちは同じユニフォームで同じ場所で始めて大会に出場する。松田のデザイン。デジタルプリント幸福堂で陽介が注文したやつだ。松田の斬新なデザインは、なぜか“日の丸”を背負ってしまっている。目立つデザインだ。日の丸の手前、下手な走りはできない。
さあ、いよいよスタートだ!
陽介の話は置いといて、今は目の前の大会だ!走り切る!今はそれだけだ。
※本作に登場する「和歌山ジャズマラソン」は、実在の大会に基づいています。主催者様より名称使用のご了承をいただいています。
