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【小説】『ココロ走る』第13話 富田林エコマラソン

 2021年11月3日。
ついに、エコマラソン本番の日がやってきた。

体調は悪くない。
いつもの朝より少しだけ緊張している自分がいる。

スタートは10時。
9時までには何か食べて、トイレも済ませておきたい。
駐車場はあるのか? 混むのか? 天気はどうだ?
細かいことを頭の中で次々に確認しながら、車に乗り込み家を出た。

途中のコンビニで、おにぎりとお茶、スポーツドリンクを買う。
そこで、ふと気づく。

──NIKEの帽子とオークリーのサングラスを忘れた。

「誠さん、いつも言ってるでしょ。前の日に準備しとかないといけないって」
2つ歳下の明美が子供にいつも言う言い方でたしなめた。何を偉そうにとはならない。
まったくその通り。痛恨のミス……でも、今日は曇り時々雨。
幸い、どちらも必要なさそうだ。

 それにしても、人生で初めてのマラソン大会。
緊張しないわけがない。そういえば、中学・高校とサッカー部で試合とかにも出た経験があった。しかし、これほどの緊張はなかった気がする。
アラフィフと世間はいう。何人の人がこの年齢でこんな舞台を体験するのか?

と色々考えているうちに、会場に着き、車を置いて人の流れについていく。皆それぞれにカラフルなランニングウェアにランニングシューズ。カッコいい。見た目私より年上のランナーも随分いる。

兎にも角にも、何もかもが初めてだ。
周囲を見ながら、「どうすればいいんだろう」と思っていたが、受付で名前を言えばゼッケンがもらえるようだった。

受付で
「おはようございます」
と挨拶する。
大会の男性スタッフの方から
「おはようございます。がんばってください」
と、ゼッケンが渡された。
準備しておいた安全ピンでTシャツに取りつけると、いよいよという気持ちが高まってきた。

少し体をほぐしながらウォーミングアップをしていると、主催者の方がステージに立ち、マラソン前の体操が始まった。

見たことも聞いたこともない、ちょっと不思議な動きの体操。
でも、理にかなっている。
体のどこを使うのか、どう動かせばいいのか、考えられている。

肩の力が、少し抜けた。
緊張が、少しずつ解けていく。

※エコマラソンのロゴは主催者から使用の許可をいただいております。

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