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「4月の“デス・マーチ”をどう乗り越えるか。愛知県の『分離開催』と全国に広がる『準備期間確保』の動き」

新年度から1ヶ月、あの「4月当初」を振り返る

 5月中旬、学校現場もようやく落ち着きを取り戻し、子どもたちの活気ある声が校庭に響く季節になりました。 教職員にとって、1年で最も過酷なのが4月上旬です。校務分掌の決定、学年会議、名簿作成、ICT機器の設定、アレルギー対応研修……。始業式までに完遂すべき業務は膨大で、カレンダーの並びによっては平日がわずか数日しかない年もあります。

こうした中、今、全国で「4月のスタート」を制度から見直す動きが加速しています。

1. 愛知県が先駆けてきた「入学式と始業式の分離」

私が住む愛知県では、以前から多くの公立小学校で「入学式」と「始業式」を別日に設定する運用が行われてきました。本年度も、4月8日(水)に入学式、翌9日(木)に始業式という日程が組まれた学校が多くありました。

この「別々開催」には、改めて振り返ると大きな合理性があります。

  • 新入生への丁寧な対応: 同日開催のバタバタがなく、教職員が新入生と保護者を落ち着いて迎えることができます。

  • 学級事務の確実な遂行: 始業式の前に新入生の名簿確定や教材配布の最終確認ができるため、事務ミスを防ぐゆとりが生まれます。

2. 全国で広がる「春休みの延長」という新たな波

 今、全国の自治体ではさらに踏み込んだ「準備期間の物理的な確保」が始まっています。

  • 茨城県古河市・水戸市: 始業日を4月8日へ。冬休みを削ってでも、4月当初に「2日間のゆとり」を創出。

  • 北海道函館市・札幌市: 暦に関係なく「5日間の準備期間」をルール化。

  • 高知県南国市: 始業式を遅らせ、県外出身の新採用教員が地域や生活に馴染む時間を確保。

これらの地域からは、「着任したばかりの職員との対話が増えた」「引き継ぎが丁寧になった」といった、質の高い準備が教育活動の質に直結しているという報告が相次いでいます。

3. 5月の今、改めて考える「ゆとり」の還元

 準備期間をどう確保するかという議論は、単なる労働時間の削減ではありません。

高知県南国市のように、保護者の理解(子どもの預け先確保など)を得るための課題は依然として残ります。しかし、市教委が掲げる「教員のゆとりを子どもたちの学びへ還元する」という視点は、これからの学校経営において不可欠です。

持続可能な学校現場を目指して

「先生のゆとり」は、そのまま「子どもの安心感」と「授業の質」に直結します。 全国で始まった準備期間確保の試み。こうした動きがさらに増えていくことで、4月の「デス・マーチ」を過去のものにし、教職がより持続可能で、クリエイティブな仕事へとアップデートされていくことを期待しています。

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