【AIと作ったアプリ「Shibori Tracker AI」開発シリーズ 第1話】 皮膚をつまんで、身体の変化を記録するアプリを思いついた話
筋トレを続ける中で感じたこと
私は筋トレが趣味で、普段から体重や身体の見た目の変化を気にしながらトレーニングを続けています。
大会を目指す競技者ではありませんが、少しでも身体が引き締まったか、以前と比べて変化しているかを確認することも、筋トレを続ける楽しみの一つです。
筋トレや減量を続けていると、体重だけでは身体の変化が分からないことがあります。
体重は減っていなくても、見た目は少し引き締まっている。
反対に、体重は減っているのに、思ったほど身体が変わっていないように感じる。
鏡を見たり、写真を撮ったりして確認しても、毎日見ている自分の身体は、少しずつ変化するため違いが分かりにくいものです。
そこで私は、
「皮膚をつまんだ厚さを記録できれば、身体の絞れ具合を確認できるのではないか」
と考えました。
これが、Shibori Tracker AIを作り始めたきっかけです。
体重とは別の変化を記録したかった
一般的な体重管理アプリでは、体重や体脂肪率を記録できます。
しかし、私が記録したかったのは、もう少し直接的な身体の変化でした。
お腹や太ももなどの皮膚を指でつまむと、日によって厚さの違いを感じることがあります。
減量が進めば薄くなり、脂肪が増えれば厚くなる。
それなら、同じ場所を定期的につまんで撮影し、その厚さを数値として残せば、身体の変化を追えるのではないかと思いました。
ただし、定規や専用の測定器を毎回用意するのは面倒です。
できるだけスマートフォンだけで、簡単に記録できる方法にしたい。
そう考えて、写真を使って測定するアプリの構想が始まりました。
写真を撮るだけでは比較できない
最初は、皮膚をつまんだ状態を写真に残し、過去の写真と見比べればよいと思っていました。
しかし、実際にはそれほど簡単ではありません。
撮影する距離が少し変わるだけで、写真に写る大きさは変わります。
カメラの角度、指の位置、つまむ場所、写真の拡大率によっても、見え方は変わってしまいます。
同じ厚さであっても、近くから撮れば大きく見え、遠くから撮れば小さく見えます。
これでは、写真を並べただけでは正確に比較できません。
そこで考えたのが、写真の中に大きさの基準となる物を一緒に写し、その大きさを基準にして、画像上の長さを実際のミリメートルへ換算する方法でした。
この段階では、まだ本当に正しく測れるかどうかは分かりません。
それでも、仕組みとしてはアプリにできる可能性があると感じました。
作る前に、似た特許がないか確認した
アプリの構想を考えたあと、すぐに開発を始めたわけではありません。
最初に確認したのは、
「すでに同じような仕組みが特許として出願されていないか」
ということでした。
以前、FishAlert AIの特許出願を経験していたため、今回もAIを使いながら先行技術を調べました。
「皮膚厚」「皮下脂肪」「画像計測」「カメラによる身体測定」など、考えられる言葉を組み合わせて検索しました。
完全に同じものだけでなく、一部分でも似ている技術がないかを確認し、見つかった資料と自分のアイデアを比較しました。
その結果、似ている要素はあったものの、私が考えた仕組みとは目的や使い方に違いがありました。
そこで、
皮膚をつまんだ状態を撮影する
画像内の基準物から実際の長さへ換算する
同じ部位を継続して記録する
過去の測定値や写真と比較する
身体の変化を独自の数値として確認する
という特徴を整理し、特許を出願しました。
前回の特許出願で経験した手順を生かせたため、今回は特許の確認から書類作成まで、比較的スムーズに進めることができました。
ただし、特許を出願したからといって、アプリが完成するわけではありません。
アイデアを文章にすることと、実際に動くものを作ることは、まったく別の作業です。
本当にスマートフォンで測れるのか
ここから、Shibori Tracker AIの本当の開発が始まりました。
写真の上で2か所を指定し、その間の距離を測る。
基準物の大きさから、画像上のピクセルをミリメートルへ換算する。
測定結果を保存し、過去の値と比較できるようにする。
文章にすると単純に見えますが、実際に作り始めると、次々に問題が出てきました。
撮影距離が変わったらどうするのか。
指で押した位置を正確に指定できるのか。
同じ場所を毎回つまめるのか。
測るたびに数値が変わってしまわないか。
そもそも、スマートフォンの写真を使って、身体の変化を確認できる程度の精度が出せるのか。
この時点では、まだ何も分かりませんでした。
それでも、まずは最低限の測定機能を作り、実際に自分の皮膚をつまんで試してみることにしました。
次回は、スマートフォンの写真から皮膚の厚さを測るために、最初の試作品を作ったときの話です。
測れる仕組みはできたものの、実際に試してみると、測定結果は思ったほど安定しませんでした。
