第10回『私たちが知っておくべきこと』
「もっと早く、あなたに出会っていれば……」
私がこれまで建築の現場に身を置きながら、最も多く、そして最も胸を締め付けられる思いで聞いてきた言葉があります。
「もっと早く、土岐さんを知っていれば……」
「知っていたら、家を建てる時に何かしらの対策ができたのに」
そう涙ながらに語られるのは、念願のマイホームを新築したばかりの方、あるいは多額の費用をかけてリフォームを終えたばかりの方々です。
人生最大の買い物を終え、資金を使い切り、何十年というローンを組んでしまった後。
つまり、もう後戻りができない状態になって初めて、自分たちの家が決して「快適」でも「安全」でもないという過酷な事実に気が付いてしまうのです。
家が家族を壊していく、目を背けられない現実
これまで私は、ご紹介などを通じて「知る人ぞ知る存在」として目の前の施主様と向き合ってきました。
しかし、私の元に寄せられる相談には、住宅業界の「無知」と「安全神話」によって人生を狂わされてしまったご家族の、あまりにも壮絶な現実があります。
あるご家族は、家族揃って体調が悪いことから、世間で評判の「自然派の建築士」に依頼し、無垢材などをふんだんに使ったリフォームを数回繰り返していました。
しかし、体調は改善しないどころか悪化の一途。息子さんはニートになり、やがてご家族のうち二人が白血病で亡くなってしまったのです。
私がその家を訪ねて愕然としました。
その建築士はシックハウスに詳しいと評判ながら、本質(電磁波や環境ホルモン)が殆ど分かっていないがために、全く的外れな高額リフォームを繰り返して結果として施主から大金をむしり取っていたのです。
ガン患者に目薬を処方するくらい阿保らしい見立てをしていました。
私は「ここにいたら間違いなくガンになる。今すぐ家を手放すべきだ」と強く勧めましたが、理解のないご主人の反対で引っ越しは叶わず、数年後、残されたご家族も私の言う通りガンを患ってしまいました。
これらは決して特異な例ではありません。
室内のリフォームだけでなく、「家の外側」にも命に関わる罠が潜んでいます。
何度かリフォームをご依頼いただきお世話になっていた85歳の方のケース
ある時、娘さんが「今回は知り合いに頼むから、今回は土岐さんには頼まない。」と、外壁の塗り替えを他社に依頼されました。
すると、そのわずか数ヶ月後、その方は急激に体調を崩して亡くなってしまったのです。
様子を窺うと、原因は外壁塗料に含まれる強烈な「環境ホルモン」でした。
外壁だから部屋の中には関係ない、という無知が、大切な命を奪う結果になってしまったのです。
別の方も、高齢のお母様が家の内装リフォームをして、わずか数ヶ月で亡くなりました。
これも原因を深く紐解けば、使われた建材から放たれる有害な化学物質による急性的な影響によるものでした。
リフォームが原因で唯一の肉親を亡くしたことを知った息子さんの反応はいたたまれないものでした。
マンションの部屋で寝ていたご主人が突然、心臓発作で亡くなったケース
お部屋の配置や電化製品の様子を詳しく伺うと、原因が「低周波磁場」の深刻な影響であることは明白でした。
物件を購入し、すべての手続きを終えてしまった後で、ようやく私の存在や電磁波・化学物質のリスクを知る。
その時のご家族の絶望感や無念さは、言葉では言い表せません。
なぜ、これほどの悲劇が繰り返されるのか。
それはこの国が、そして多くの建築士や職人が「目に見えないリスク」に対してあまりにも無知だからです。
これこそが、私が今、このnoteで「ロードマップ」を連載しようと固く決意した理由のすべてです。
どんな場面にも、できる限りの手を尽くす柔軟さを
「知っているか、知らないか」 ただそれだけの違いが、家族の命と健康を決定的にわけてしまう。それが現代の日本の家づくりの恐ろしい現実です。
確かに、家を建てる前やリフォームの計画段階であれば、理想的な根本対策がいくらでも打てます。
配線の工夫、100%自然素材のオリジナル接着剤、貼れ晴れGプレミアムの選択――。壁を閉じる前なら、完璧なシャットアウトが可能です。
しかし、ここで私が一番お伝えしたいのは、「もう家を建ててしまったからといって、決して諦める必要はない」ということです。
私は、自らの建築設計において「この建材がなければ対処できない」「この工法でなければ救えない」といった、凝り固まった陳腐な設計方法を絶対に良しとしません。
どのような悪条件の場面であっても、予算や現状の構造に合わせて、出来る限り柔軟に、かつ効果的なアプローチを導き出すことが出来ます。
建築事後であっても、完璧とはいかなくとも、残された状況の中で工夫できる対処方法をご一緒に探します。。
時には、大金をかけずとも、「ただ正しく知ることで」解決することすらあるのです。
実際、私の元にはこのような「事後の工夫」で救われた事例も数多くあります。
中古住宅を購入した知り合いの方から家の写真が送られてきた際、私の直感で「寝室の位置を変えるように」とだけアドバイスをしました。それまでは寝つきが悪く、その部屋でする仕事も全く身に入らなかったそうですが、配置を一段階変えただけで、見違えるようにぐっすり眠れるようになったのです。
自分の部屋でどうしても勉強ができず、寝ることすらできなかった高校生の息子さん。原因を見抜き、部屋を別の場所に変えただけで一発で問題が解決しました。
自分の部屋での勉強が全く身に入らず、いつもリビングや食堂で勉強していた高校生の娘さん。彼女もやはり寝つきが悪く、原因は部屋を貫く見えない電磁波の環境にありました。
これらはすべて、壁を壊して大改修をしたわけではありません。家の構造を理解し、見えないリスクの正体を「知っていたからこそ」できた、柔軟な配置換えや運用の工夫による解決です。
一生の後悔をなくすために、ここから始めよう
この連載を読んでくださっているあなたには、どうか「すべてを終えた後の絶望」で立ち止まってほしくありません。
これから家を建てる方には、一生の後悔をゼロにするための知識を。
そして、すでに家を建ててしまい、「もしかして我が家は大丈夫だろうか…」と不安を抱えている方には、今からでも家族を守るための具体的な処方箋を。
知る人ぞ知る情報で終わらせてはいけない。
一人でも多くの「もっと早く知っていれば」を無くすために。
環境の変化やどんな悪条件からでも「家族の健康を守る結界」を張るために、次回からは、私たちが住まいの中で具体的に何をチェックし、どう対策していくべきなのか、いよいよ実践編へと入っていきます。
大切な家族の未来のために、どうか最後までお付き合いください。
【電磁波・化学物質から家族を守る住まいづくりへ】 私たちGRATUS ARCHITECTSでは、住む人の免疫力にコミットする環境建築システム「G-FIELD」をご提案しています。札幌での新築・リノベーションのご相談、土地の環境調査の詳細は、新しくなった公式サイトをご覧ください。
