【#ネクロウィル】紫光に消える未来―あるいは再誕【音×絵の5分ストーリー】
古城を吸血鬼の女王が占拠した。
彼女に忠誠を誓い、その血を飲めば不死になるのだと言う。
重税に耐えかねて、そんな噂に縋る者がまた一人。
※BGMを聞きながらの閲覧を推奨。

窓から女王が見下ろす先、人間が集められた聖堂の中。
異様な服を着たシスターが壇上に登る。
そして、演説が始まった。

「諸君、日々の生活を楽しめるか?」
「諸君、明るい未来が想像できるか?」
「諸君、再三の増税に納得できるか!?」
「いいや、できまい!! この国は腐っている!」
「それは何故か!?」
「世間知らずの阿呆が、政治をやっているからだ!」
「知性でも実績でもなく、政治家が世襲で決まるからだ!」
「これを防ぐために人間は様々な法を作り、その全てに失敗した」
「だがしかし! 私は諸君らに完璧な解答を用意した!」
「すなわち! 不死の吸血鬼による管理!」
「これならば、世襲など絶対に生まれない!」
「諸君! これは簡単な選択だ!」
「賄賂で肥え太る豚に、搾り取られる毎日が! 諸君らは恋しいか!」
「あの永遠に麗しい女王が! 家畜の日々より恐ろしいか!」
「ならばよろしい! 好きなだけ政治家の家畜として生きていけ!」
「だが、女王陛下の眷属として生まれ変わりたいと願うなら!」
「踏み越えろ! あの光の奥まで!」
「辿り着いて見せろ! 女王陛下の膝元まで!」
「さぁ諸君、枠は無限ではないぞ! やるか! やらないのか!」

貧しい少女が、紫の光に踏み込んでいく。
生まれて初めて、自分が特別だと言われたから。
簡単に貴族になれる。そんな夢を囁かれて。
そこにある夢を諦めて、家畜に戻るのかと煽られて。
少女は、それを疑えなかった。

「で~シスター? 昨日の演説、結果はー?」
「馬鹿な蟻が砂糖に群がるようだ。この国はすぐに落ちる」
「ずいぶんと言い切るねぇ?」
「子供が生きることを諦めてるからな。未来が無い」
「辛辣~。でも別に、諦めたつもりは無いってさ。ねー、新人~」
「は‥‥? 新人‥‥?」

「シスター、初めまして。馬鹿な蟻です。昨日はどうも」
「私、あなたの二つ上の等級に生まれ変わりました」
「私は『特別』で『貴族になれる』そう言いましたよね?」
「は‥‥? 二つ上? ‥‥‥まさか、昨日の?」
「Yes、シスター。一応、忠告しますけど」
「嘘だったと言えば、死ぬまで殺します」
「シスター。私、女王様のワインが飲んでみたいです」
「え、いや流石に‥‥それに、私も不死ですよ?」
「シスター、最後にもう一度だけ言いますね?」
「死ぬ『まで』殺します」
「私が、諦める女に、見えるんですか?」
「‥‥‥‥いいえ。すぐに手配します‥‥」
あとがき
いかがでしたでしょうか?
このキャラがスキ! とコメントで教えていただけると幸いです。
本作の顔役! だけどセリフ無し!『女王様』
服も頭もイカレてる! たどった末路は因果応報!『詐欺シスター』
特技はサボり! 好物は酒とたばこ! 『くたびれ不死者』
諦めないっ! 貴族の夢もパワハラも! 『新人吸血鬼』
なお本作は『#ネクロウィル』を意識して製作しました。
※『#ネクロウィル』:『退廃的、終末的な雰囲気』+『なお在ろうとする意志』を表現するジャンル
特に本作で言う『新人吸血鬼』ちゃんがスキになった貴方!
「#ネクロウィル」タグ、おすすめです!
🔽終末感強めの#ネクロウィル。BGM付
🔽感情強めの#ネクロウィル。歌有
🔽ふわふわな猫に癒されたい人向け。Noネクロ。歌有
※この記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません
