P34:写真を見せれば、伝わると思っていた
「だいたい同じ」は、あてにならなかった
いつも髪を切るとき、同じ写真を見せていた。
カットを担当する人がその都度ちがっても
それでも、
「この写真の感じでお願いします」と伝えれば、
いつも「だいたい同じ仕上がり」になっていて、
そうなるものだと安心していた。
ある日の
子どもたちの散髪の話。
・・・
散髪の翌日、長男が言った。
「……学校で笑われた」
すぐに、髪型のことだな、とわかった。
実は、今回は
わたしも、うっすら、感じていた。
(内緒)
でも、改めて聞いたその一言は、
夜になっても胸に残っていた。
・・・
いつもと同じお店、
いつもと同じ写真を見せて。
「この写真の感じで…」
と、後ろを刈り上げたいこと、前髪の長さなどを、
いつものセリフのように伝えた。
……なのに、今回はかなり短くなった。
「どうしてだろう」
「なにが違ったんだろう」
あとから考えてみて、結局浮かんだのは、
担当した人の解釈。
それしか、浮かばなかった。
今更だけど
「この写真より、短くしないでください」
って、言えばよかったと思った。
・・・
と言うわたしも、
自分の美容院では
「前下がりに」
「このあたりを、スッキリ」
「重くならないように」
そんな言葉は使っていたのに、
いちばん大事な
「これより短くしないでください」
という言葉を、口にしていなかった。
仕上がってみて、
「あれ? 写真より短いぞ?」
と思うことがあった。
写真を見せれば、
察してもらえると思っていた。
でもそれは、
わたしの甘えだったのかもしれない。
・・・
誰かを責めたい話ではなくて、
ただ、自分の希望を伝える言葉を
知らなかっただけだ。
いつも同じ表現を使っていて、
ときどき、
「あれ?短い…」と思っていた。
この「なんでだろう?」を
ちゃんと考えてみて、よかった。
・・・
これからは、ちゃんと希望を伝えられそうだ。
「短くしすぎないでください」
「この写真より、短くならないようにお願いします」
こうしたい、という言葉とあわせて、
こうしないでほしい、という一言。
・・・
子どもたちの散髪には、
もう何度もついて行ってきた。
今回は、子どもたちにとって
「マジごめん案件」だったけれど、
彼らが、ひとりで
髪を切りに行くようになったときにも、
伝えておきたい気づきになった。
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