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笑撃?の実録!『運転代行女が見た!泥酔珍客スタッフ事件簿!』《第1話》【創作大賞2024・お仕事小説部門】


〜何も起こらない訳がない。
 お客様の99.9%がお酒を召してるから〜
暴言、セクハラにも負けず今日も安全にお送り致します。



《あらすじ》

運転代行をしているアラフィフ女の主人公が目の当たりにした事実に基づいた話。
何も起こらない訳がない。
なんせお客様の99.99%が酔っ払いだから。
理不尽に怒られ泣き寝入りも数知れず。
常識、正論も通用しない横暴客。
かと思えば陽気なお客様と共に笑い、珍事に失笑。
また、紳士に対応してくれる優しいお客様や心温まる出来事も。
それだけではない。スタッフの中に訳ありさんや変わり者が多いのはなぜ???
クスッと笑えてクセになる。
そんな運転代行の日常の出来事を気軽にサクッと読める短編になっています。
     
《登場人物》
主人公…みみ子(47歳女)
    運転代行を始めて9年。二種免許も持っ
    ている為客車ドライバーも随伴ドライバ
    ーも受け持つ。  
    以前は幼稚園教諭と小学校特別支援級職
    員という異色の経歴を持つ。
    基本的に真面目で一生懸命だか、どこか
    抜けてて失敗も多し。
    趣味は人間観察でやじうま心満載。
    トラブル、ハプニングが大好物。
代行スタッフ…
    ☀︎金城(40代既婚男)
    俺様気質でナルシスト。代行で働き始め
    て1週間も経たないうちに社長に何十万も
    借りる非常識男。
    その後もいろんな人に借金し続けてるの
    にそのお金でみんなにお菓子を買い与え
    る見栄っ張り男
    
    ☀︎井川(40代既婚女)
    イケメン大好き。いつもスポーティな服
    装で一見地味だが常に男を狙ってる。
    〝色気は3首から〟と真冬でも首、手首、
    足首を露出している
    ☀︎秋田(50代バツイチ男)
    うざい系しゃしゃり男。
    たったの500円で2、3時間かけてスナッ
    クの女の子たちの送りもしている。
    代行の客でもあったこの男は代行で働き
    たいと申し出てきたが、〝代行の女性ス
    タッフ狙いだろう〟と社長が一度は不採
    用にしたが、人手の足りなさからスタッ
    フに。
    ☀︎林(30代既婚男)
    さわやかイケメン風男。
    副業で代行をやるなんて一見お金に困っ
    てそうだが、実はこの男、農家の大金持
    ち。
    働き者だが女にゆるゆる…。
    数々の修羅場をくぐり抜けてきた冷静沈
    着男
    ☀︎川崎(50代代女)
    昼間は事務仕事をしながら、夜は転々と
    スナックで働いていた女性。一見穏やか
    そうだが毒舌で周りに強めに噛み付く
    ☀︎茂原(40代シングルマザー)
    男性に優しくされるとすぐに好きになっ
    てしまう。お酒を飲むのが大好きだが、
    休肝日を作ろうと代行を始めたが結局代
    行終わりにも飲んでいる

    ☀︎草彅(40代男)
    結婚を夢見て婚活中のスナック通い大好
    き男性。一軒家をすでに購入済みで女性
    陣全員にマイホームの写真を見せるのが
    ルーティーン

    ☀︎松本(50代バツイチ男)
    2つの代行を渡り歩いて来たベテランス
    タッフ。渡り歩いてきただけあって店も
    よく知っていてさすが!と新人スタッフ
    が思ったのは最初だけでの業務手抜き男

    ☀︎武中(30代女)
    同じ男性と再婚した5人の子持ち。数年
    前まで金髪の元ヤン女性。昼間はタクシ
    ーの運転手をしている

    ☀︎杉尾(40代既婚男)
    「ぼくは早く死んだ方がいいんですよ」
    「生きてて楽しいことってなんです
    か?」とにかくネガティブで負のオー
    ラだだ漏れ男性。
    
    ☀︎新田
    ☀︎川谷 
    ☀︎峯
    などなど多数
  登場人物を覚えなくても分かるお話です 

代行のお客さん…40代男性客
        20代女性常連客などなど 

居酒屋店員
スナック店員など

《用語》
     客ドラ(客車ドライバー)
     随ドラ(随伴車ドライバー) 
     店呼び(店から呼ばれること)   
     個人呼び(個人から呼ばれること)
     個人宅(個人のお宅マンション等)
     三台口(一つの所から3台同時に呼ばれ
     ていること)
     経由(送り先に着く前に途中で寄るこ
     と)
     ピストン(折り返し迎えにいくこと)

私は運転代行歴9年の女性スタッフみみ子

アラフィフだが暗闇効果もあり若く見られる。 

40ちょいの時には20代に見られたこともよくあった。

悪い気はしないがそれをまに受けない。だって酔ってるお客様の視力は0.00001だから

ちなみに私は二種免許も持っている為、客車ドライバーも随伴ドライバーも受け持ちます

運転代行とは
客車ドライバーと随伴車ドライバーと21組で業務をこなす。

飲酒などで運転ができないお客様の車を、二種免許を持つ客車ドライバーが代わりに運転をし、後ろを随伴車ドライバーが随伴車で追いかけお客様を自宅など目的の場所へ送り届ける仕事。 

《図で運転代行のしくみを説明》  

車も違えば駐車場の形も違う。
一つとして同じ組み合わせは無い。
形無限のテトリスをはめていくようなもの。
トラブル、ハプニング当たり前!
話題は尽きない運転代行。
暴言、セクハラにも負けず今日も安全にお送り致します

        第1案件
       センチュリー  
     随ドラ(主人公の任務)

店呼びのお客様の元へ向かう。

30代男性客ドラ林がスナックに声をかけにいき、2人で店の外で待っていると

中から〇〇組的な感じの2人が出てきた!

組長?親分?的な方と子分的な方

いかにもTVのドラマや任侠映画で出てくる様な服装と雰囲気の方が

客「車そっちにあるから」
と案内されたのは黒のセンチュリー!

うぉぉーっっっ
きたきたきたーっ

組長「にーちゃん!そこのコンビニ寄ってもいいか?」

林「は、はい!大丈夫ですっっ」

私たちは緊張感MAX

お客様2人がコンビニから戻ってくると子分が

子「買っていただいたぞ!!」

と無造作にペットポトルのお茶を2本差し出してきた

林、私「え?あ!はい!ありがとうございます!」 

と組長にお礼を言うと組長は深くうなずく。

ちょっとした違和感。

お客様の態度は素晴らしくよく変わる。

なので密室の車内でお客様と過ごす客ドラの為に、私は愛想よく粗相のない様に接客することに全集中した!

お帰り先を聞いたら1時間くらいする距離!

オー!ノー!!

そして土禁のセンチュリー
こんな時に限ってごつい大きめの冬靴の客ドラ!

脱いだ靴が運転の邪魔にならない様私が受け取ってダッシュで随伴車に運ぶ。
お、お待たせして怒らせない様に!

そして1時間近くの運転中、何も起こらないようにとにかく祈った!

ようやく到着!
ダッシュで靴を運ぶ

私「ありがとうございます!〇〇円になりす!」

子「たけーな!」

わわわっ!もしかしてやばい感じっっ?

泣き寝入りパターン?

社長にヘルプ電話か?!

私「申し訳ございません。距離もだいぶ走っておりますので」わわわっ

すると

組「いいから払ってやれっ」

私「ありがとうございますっっ」
と精算しお釣りをお渡しした瞬間

子「ほら!頂いただろ!」

林、私「え?」

子分「お茶!頂いただろ!」

林、私「え?あっ!はいっ!お茶ありがとうございましたっっ!」

組長はまた深くうなづく

そしてそのままあいさつをして別れた。

何事も無く無事に終了して良かったけど違和感

どうしても違和感

もちろん最後にはお茶のお礼も言うんだけど

子分の「頂いたぞ!」「頂いただろ!」はどーゆーこと?

私たちは子分の手下

大いなる違和感

        第2案件
    おしりもダメなんだよね? 
        客ドラ

陽気な常連70代男性客。

居酒屋から出てくると店先で、いつもお店のママさんにお触りをする。

胸やお尻をタッチするがママさんは慣れた様子で動じない。

20代の女性店員はいつもクッションで胸をガードしてお見送り。

この日も男性客はママさんを一通りの流れでお触りし

そのままの流れで私に

客「代行さんは触ったらダメなんだよね?」

私「はい。ダメです。」

客「おしりもダ

私「はい。ダメです。」

しっかり食い気味にいや、しっかりはっきり食ってお答えします。 


        第3案件
       ガムボトル 
        客ドラ

眠気覚ましにも口臭対策にも使うガム。

私は買いたてのガムポトルと共に出勤。

助手席に座って自分側のダッシュボード下の物がおけるスペースにガムボトルを置いて勤務中に時々パクっ。
かみかみっ。

そしてだんだんと夜も更けてきたころ

「眠くなってきちゃったな。」とペアの50代男性随ドラ松本。

するとおもむろにぬぅと私の前に手が伸びてきたっ!

まさか⁉︎

そんなことないよね?

そんな訳ないよね!!!! 

神様〜っっっ
と祈りながら彼の手に釘付け!

オー!ノーッッ!

ガムポトルを手に取りわっちゃんわっちゃん掻き回しガムを掴み口に入れた

そして口元に触れた指先でさらに追いわちゃガム! 

無い
無い無い無い!

あり得ない! 

え?
私がおかしい?

食べないよね?

ふつー人のガムボトルのガム食べないよね?

しかも何も断りもなく!
手でわちゃわちゃしないよね?
せめて直接ボトルに手を突っ込まず取るよね?
しかも追いわちゃガムって

いやいや、無い!

などなど軽いパニック! 

どうしても無理。 

そのガムとはさよならしした


        第4案件
       は〜い。正解〜 
        客ドラ

30代女性客。

客車に乗り込んだ私。

私「どちらに向かいますか?」
客「市」
私「市のどこのあたりになりますか?」
客「市」

そうくるか

市と言っても市のどこにいくかによって行き方が全くちがう。

しかも近道でもお客様の知らない道だと怒るお客様もいるし

少しでも遠回りしたと思ったら怒るお客様もいるのでお帰り先をちゃんと聞きたい

のに

客「市」
私「駅方面からと✖️市役所方面からと通りからとどちらがよろしいですか?」

ある程度の方向の3通りの道を提案しても

客「市」

うゔぅーっ!!!

私「とりあえず駅の方から向かいますね」

と一言添えて出発

これでいいのかな?

大丈夫かな

あとで何か言われるかな
とテンション低く運転

しばらく走ったところで突然お客様が

客「は〜い。これが正解〜」

と。

くぅーっっっ!!!
しかもだるぅ〜っと。

「ありがとうございますっ!よかったですっ!」

と笑顔で即答した私

うゔぅーっ!
うゔぅーっっっ!

こんな人になりたくない!


        第5案件
     お客様が困ることBest 3

酔っているお客様相手だと、お客様が困まっている現場にちょこちょこ遭遇する。

そんなお客様たちが困っていたことは

3携帯がないっ!
対処方法はお客様の電話を鳴らしてあげる

2お財布がない
対処方法はライトを照らし車内を一緒に探してまくってあげたりお店に戻ってあげる

1「飲みすぎちゃったな〜」と口ではとってもお困りのようだがにんまり笑顔のお客様
対処方法は「楽しいお酒だったんですね〜」と心地よいままご自宅に帰れる様会話する


        第6案件
      ナルシストな男

40代男性客ドラ金城。   

彼は

誰よりもかっこよく
誰よりも運転が上手で
誰よりも道を知っていて
誰よりも頭が良くて
誰よりもお客様から人気があって
誰よりもスタッフたちに慕われてる 

と思っている男金城

ある日のナル1

「俺、イッサに似てるってよく言われてたんだよね〜」

ある日のナルその2

「このお客さんに俺気に入られてるんだよ」

ある日のナルその3

「ねーちゃん(キャバ嬢)とご飯食べに行ったら帰りたくないってよく言われるんだけど、俺は酔ってる女は抱かないって決めてるんだよ。」

はい。いりません。

しかも自分から言わないでください。

そしてイッサに似てません。 

というより、髪型とか寄せてますよね?

そしてお酒飲むとできないって前にぽろっと下ネタトークで自分で言ってましたけど?

とにかく全部いりません。


        第7案件
       ちびTシャツ  
        客ドラ

個人宅へお迎え。

私「○×代行です。頂いた住所に到着しました!」と電話を掛けた

客「いま出ます

と玄関からお客様が現れた。

部屋と玄関のライトで光ってよく見えないが肌にピチピチのちびTシャツを着た男性客の模様。

私「お待たせ致しました〜〇X代行です」

と視界が開けると

ん?あっ!!!!

ちがうっ!

ちびTではなく入れ墨だ!

ひょえぇぇ〜

真夏の夜

暑くて上半身裸だったんだ

ちびT型の刺青

一気に緊張感MAX…! 

やっばーいっ

乗車の時には本当のTシャツを着てくれたけど袖からちびTがはみ出てるはみ出てる!

心臓バクバク。

「〇〇まで」

うぉーっ。なかなかの距離。

そして下道で行けば距離も値段も安いのに何故か高速を使ってくれと。

とにかく粗相なく無事に到着することを願いながら出発。

客「ねーちゃん」

私「はいっ!」

客「コンビニ寄って」

私「かしこまりました!」

私カタイカタイ
カチンコチン

コンビニに寄り男性客が戻ってくると
客「これ」
と無造作に腰元から何かを差し出した!!!

ピストル⁈
包丁

私何か粗相しちまったか!!!

んっ?

あっ

ミルクティー!?

飲み物を買ってくれたなんて!
しかもミルクティーってなに???

ブラックコーヒーだと強そうでまだ緊迫感が残りそうだけど、ミルクティーって

なんだかやわらかいほっこり感

この感覚わかってもらえるでしょうか???

一気に緊張もほぐれ安全運転。

一見驚いてしまうから外に出るときは洋服を着てくれるとありがたいわ。


        第8案件
       社内で合コン? 

女性スタッフが新しく入ってくると、男性スタッフ陣はわちゃわちゃしだす。

前情報からそわそわしだし情報をもっと欲っし、それぞれの反応がおもしろい。

いざ随ドラかわいこちゃんの研修が始まると男性陣の鼻息荒い荒い

普段の

「つかれたよ〜ねむいよぉ〜えー?おれたちがいくのぉ〜?」

といつものだらしない姿を隠し紳士的に振る舞う者。

「あいつは女癖が悪いから気をつけて!」
「男のくせに運転下手だからあいつ」

など他の男性スタッフの悪口を言って印象を悪くしようとする者。

「道が分からなかったら俺が全部運転してあげるよ」

と客ドラの俺とペアになれば楽だよ的にアピールし優位に立とうとする者。

無駄話をせずクールにポーカーフェイスで彼女に接するが、裏ではデレデレ喜ぶ者。

随ドラと随ドラ同士でペアになれない者は2台口で呼ばれて会えた時や待機場所が一緒で会えた時に、スススッと素知らぬふりをして近づき話しかける者などなど。

合コンか?と思うほどに男性陣の動きがおもしろい
そして毎回毎回手法が同じで笑える


        第9案件
       訴えないでね 
         客ドラ 

真面目そうなスーツを着た40代男性グループ。

気持ちよく酔っている様子。

客ドラの私と助手席に1人、後部座席に2人車に乗り込み出発。

客車運転手の私が女性であることに 

「かわいいねぇ」
「なんでこんな仕事してるの?」
「夜のお店で働いた方が稼げるのに」 

など一通りの社交辞令お約束の質問をされながら走行してると

客「こんなことしたら怒る?こんなことしたらセクハラだよね?」

と後部座席の男性一人が後ろから私の二の腕をつんつんしした

うゔ〜ん

どうしようか


つんつん


私「どうなんですかね〜」
といいながら

うゔ〜ん。

どうしようか

やめてください!と言うべきか

そんなことで騒ぐ歳でもないだろ?と自分につっこんでみたり

と考えてる中時々

つんつん

つん

つんつん

うゔ〜ん。

酔っ払ってるし、逆ギレされてもいやだし、なにより気分よく帰ってほしいからな〜とまた考えながら到着。

到着して車外で随ドラが会計をしてると
そのつんつん男が私のところにやってきて

客「訴えないでね」

と千円札一枚渡してきた。

チップと言う名の示談金

考え出すといろいろ複雑だけど

私の二の腕

千円

高いな

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