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ショートショート『最終防衛線士 セトギワ』(665 文字)


「ビーッ。ビーッ。ビーッ」
「えします。想定外の事態が発生しました。あと五秒で最終防衛ラインを割ります。職員は直ちに非難してください。繰り返します・・・」

けたたましいサイレンの音と共に、私は目覚めた。

これは非常事態警報だ。まただ。奴が来る。

私がここで受け止めなければ、終わってしまう。
何としてでも!それだけは!

私は足を大きく開き両腕を広げ、unknownアンノウンの襲来に備える。

そしてそれは程なくしてやってきた。

私のいる空間全体をうねらせながらやってくる、先の見えない巨大な影。質量など言うに足らず。

規格外のバケモノを前に足が竦む。

「守るんだぁぁぁ!」

棒になった足で何とか気張り、私はそれを受け止めた。
しかし、奴は強大だ。ジリジリと押され始める。

奴に腕と顔面をめり込ませ、必死に持ちこたえる。
たとえ押し返すこと叶わずとも、時間さえ稼げればそれでいい。

あと何秒耐えられるだろうか?私のカカトの先は既に最終防衛ラインを割っていた。

「こ、これ以上はもう・・・」

更に空間がうねり、奴の勢いが一段と増した。

そして、ドドドドドドという轟音と共に奴は私をはねのけ、防衛ラインを突き抜けた。

「負けた」

決して敗北してはならない私があんな奴にまたも敗れるなんて。

「また怒られちゃう・・・」
先のことを考えると気分が沈む。

このあとご主人に叱られることを考えると、どこからともなくキューっという音が鳴った。

しかし!

「おー。間に合ったねーエライエライ!」

ご主人が私の頭を撫でる。ギリギリ耐えきったのだ。任務完了!

私の尊厳とフローリングの潔白は守られた。


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