三題噺突破のために必要なこと ~出版業界志望の就活生に贈る~
(画像はふうちゃんさんのものをお借りしました)
突然ですが皆さん、
「就活」、してますか?
この一言で耳が痛くなってしまった方は申し訳ありません・・・。
自己紹介を兼ねて少し説明させていただくと、僕は2027年に大学を卒業予定のいわゆる「27卒」という者です。
これを書いているのが2026年の6月ですが、少しインターネットを覗いてみると、既に就活系チャンネルや就活エージェントのターゲットは「28卒」に切り替わっている模様。
つい最近まで27卒の我々に向けて「早期化」という言葉を何べんも浴びせかけて必要以上に尻を叩いてきたというのに・・・。
そんな僕は就活の際に、「昔から本が好き」という自分の中の思いを原点にして、出版業界を中心にあたっていました。
(次第に狭き門過ぎる出版業界のみを見ていることに危機感を覚え、ITなどの比較的採用人数が多い業界も調べましたが・・・)
出版業界と言えば、エントリーシートや筆記試験などで「作文」が課されることが多いです。
その中でも今回は最もポピュラーな作文課題の一つである「三題噺(さんだいばなし)」についてお話していこうと思います。
少しでも参考になってくれたら幸いです(^▽^)/
1.そもそも「三題噺」とは何か
まずそもそも「三題噺」とは何か?
元々落語の形態の一つであり、
「観客から出された3つの言葉やお題をその場で物語に織り交ぜ、アドリブでオチを付けて演じる手法」
を指します。
そして出版業界の課題作文や筆記試験における三題噺では、
「(制限時間内に)与えられた3つの言葉を使って、最後にオチのあるような文章を書くこと」
が求められます。
そもそも即興でストーリーを書くというだけでもまあまあの無理難題なのに、その上「3つの言葉を使う」というオマケつき・・・。
これが制限時間ありの筆記試験の場合、何の準備もなしに臨むとほぼ100%の確率で脳がフリーズします。
ちなみに試しに自分で「創作お題スロット」という、ランダムで3つのキーワードを表示してくれるサービスを使ったところ、出てきたのは
・「絶体絶命」
・「クローバー」
・「故事成語」
というものでした。
もちろんケースバイケースですが、基本的にこれくらい何の繋がりもない言葉をいきなりポンと提示される、と思っていただいて大丈夫です。
2.三題噺を攻略するためのポイント
ここからはより具体的に、三題噺を解くうえでのポイントをご紹介したいと思います!
①無理に3つ全てのワードを使おうとしない
いきなり三題噺の前提をひっくり返すようなことを書いて驚いた方もいるかもしれません。
もちろん、3つのワード全てを上手く組み込んで文章を作れるならそれに越したことはありません。
しかし出版社の筆記試験における三題噺は、多少無理やりにでもとりあえず3つのワードを文章中に組み込めればルール上はそれでOK なのです。
ですのでおすすめのやり方は、3つのワードのうち2つを軸に話を考えて、残りの1つを申し訳程度に文章中に含ませる、というものです。
例えば先ほど出てきた
・「絶体絶命」
・「クローバー」
・「故事成語」
というお題で書くとしたら、例えば僕だったら「絶体絶命」と「クローバー」という語を組み合わせて
「クローバー畑の中から四つ葉のクローバーを見つけないとアウトのデスゲーム」
という設定を作ります。
(今適当に考えた設定なので、完成度の方は高くないですが・・・)
そして最後にのこった「故事成語」に関しては、作中でサクッと触れる程度にします。
例えば、デスゲームの参加者同士の会話で
「おい!早く四つ葉のクローバーを見つけないとやばいぞ!」
「だな!これぞまさに背水の陣ってやつか」
「今そんな故事成語を使ったインテリぶってる回答は求めてねえんだよ!」
といった感じで。
上記のやり取りはかなり強引で不自然ではありますが、別にここは芥川賞や直木賞の選考会ではないので、背伸びしてすばらしい文章を書こうと気負う必要はありません。
目的は「筆記試験に合格する」ことなので、まずはルールに則って3つのワードを上手く入れ込むことを目標にしましょう。
②文章に所々伏線を張っておく
文章としての完成度を高めるにあたって、伏線を張ってそれとなくオチをほのめかしておくのも効果的です。
「伏線」というと何か高等なテクニックかのように思われるかもしれませんが、そこまで難しく考えなくても大丈夫です!
具体的な流れとしては
・2つまたは3つのキーワードを使って文章全体の大まかな構成を考える
↓
・オチを示唆するような要素を文章の序盤から中盤にかけて1つか2つ混ぜておく
といった感じです。
例えば、これは僕が過去に練習で書いた三題噺の設定とオチです。少し長いですが参考までにどうぞ。
・主人公はあるIT企業に勤める2年目の会社員
・「文系・未経験でも歓迎」という謳い文句を決め手に入社するも、現在取り組んでいる仕事に行き詰っている
・ふとスマホを見ると、高齢者をターゲットにしたネット詐欺が横行しているとのニュースが入る
・このニュースを期に「デジタルに不慣れな高齢者でも安全で使いやすいシステムを作ろう」と思い立ち、システム作成に取り掛かる
・途中で同僚の助言もありながら何とかシステム作りを成功させる
・オチ:実はネット詐欺の黒幕は主人公自身。同僚からのアドバイスをもとにネット詐欺用のシステムに手直しを加えるところで物語は終わる。
自分自身ITに関する知識が乏しく、所々解像度が低くなってしまいましたが、このようなテーマで何とか一つ三題噺を書くことに成功しました。
この時はオチまであらかじめ何となく決めておいて、後から伏線の個所を一つか二つこしらえる、といった方法で書いていきました。
例えば、僕は冒頭の文章でこのように伏線を組み込みました。太字の部分が伏線の箇所になります。
超が付く程の文系の俺にとって、このIT企業での業務は大変なことばかりであった。
過去に一度、自分が作ったシステムでかなりの利益を出すことに成功していたが、日々目まぐるしく新技術が登場するIT業界は、昔取った杵柄が通用するほど甘い世界ではなかったみたいだ。
太字の部分はいわゆるミスリードというやつです。
「過去に一度、自分が作ったシステム」というのが、実はネット詐欺用のシステムであり、また「かなりの利益」というのも、会社のための利益ではなく、ネット詐欺で高齢者からお金をだまし取る中で手に入れた、完全に主人公のためだけの利益となります。
伏線を張っておくことで、最後まで文章を読んでくれた読み手に「あそこの箇所が実はオチにつながる伏線だったのか!」と思ってもらうことができ、文章的にも高評価です!
とは言いつつも、出版社の筆記試験で書かされるのはほぼほぼ短編ですので、伏線の数は多くなくても大丈夫です。
むしろ無理に伏線を張ろうとするとかえって文章全体のリズムを悪くすることにもつながってしまいます。
目安としては短編1つにつき1~2つほど伏線の箇所を作れたらそれだけでもう万々歳です。
③文章の型を頭に入れておく
「三題噺の試験」というと、制限時間内で完全に0→1で物語をつくりあげなければならない、と身構えてしまう方もいるかもしれません。
実際、試験開始まで3つのお題が何なのかはわかりません。
しかし実は、三題噺のような物語を書く場合に仕える「オチのつけ方のパターン」というものがあります。
代表的なのは下記の2つです。
・「種明かし型」
「壮大な話のように見えて実は身近な〇〇についての話だった」といったように、それまでの話の前提をひっくり返すような種明かしを行うパターンです。
例えば僕が過去に読んだことのある「種明かし型」のショートショートではこのようなものがあります。
「大災害で人々が危機に瀕しており、死者も多発している。しかし実はこの話は薄毛で悩む患者の頭皮で起こっていた話であった。つまり大災害=薄毛、人々=髪の毛、死者=抜け毛のこと」
このように身近な事象を誇張して書く技法であり、ポピュラーで初心者でも書きやすい型だと思います。
・「どんでん返し型」
こちらは種明かしをせずにどんでん返しを行う型であり、先ほどの「種明かし型」より難易度は上がります。
先ほどご紹介した、僕が練習で書いた三題噺もこの「どんでん返し型」となります。
他にもオチのつけ方は沢山ありますが、最もメジャーなのはこの二つでしょう。
ちなみにオチのつけ方をもっと学んでみたいという方は、星新一をはじめとするショートショートや世にも奇妙な物語、藤子・F・不二雄の異色短編集などを読んでみることもお勧めします!
どれも短い話ながら、最後のオチが秀逸なものが多く、きっと参考になると思います。
いかがでしたでしょうか?
三題噺は、コツさえ会得してしまえばそこまで「超難問」というわけではありません。
是非今回ご紹介したポイントをもとに実際に自分で三題噺を書く練習をしてみてください!
