答えは、ある!!!「ジジイのビームで、穴が開く」最終話
辞表、出した。
部長は、会社に、おらんかった。
休職、っちゅう事になっとった。
…………
俺は、
ようやく、
…………
自由になった。
…………
「これからどうするかなー」
爺さんに、こぼす。
「暫くは、自分の道を、探る旅かなぁ」
…………
「おう」
「ええんちゃうか」
…………
爺さん、
…………
明日久、一緒に、来ないか?
「うん!行くよ!!」
…………
明日久、いつの間にか、横におった。
…………
「ええの?ケンジ」
「この子、お転婆やで」
…………
ええよ。
賑やかな方が、ええ。
…………
「ま、ワシは、留守番じゃな」
「ワンカップ、置いていけ」
…………
爺さん、
相変わらずやな。
…………
…………
…………
京都。
…………
明日久と、哲学の道を、歩く。
桜は、もう、散っとった。
…………
茶屋で、抹茶を、飲んだ。
…………
「ケンジ、苦い」
…………
そら、抹茶やからな。
…………
明日久、団子を、頬張る。
…………
「苦いの飲んでから、
甘いの食べると、
すごく、美味しい」
…………
明日久が、笑った。
…………
…………
そういう、もんかな。
人生も、
そんな、もんかな。
…………
…………
…………
仙台。
…………
牛タン、食った。
…………
明日久、
俺の、何倍も、食う。
…………
「ケンジ、もっと食べないの」
…………
俺、もう、満腹や。
…………
「じゃ、もらう」
…………
明日久、
体、小さいのに、
…………
何処に、入ってくねん。
…………
「神様だから」
…………
そういう、問題か。
…………
伊達政宗の、像を、見上げる。
…………
「ケンジ」
ん?
「この人も、ええ顔、してる」
…………
信長と、似とるな。
…………
「うん」
「ええ顔、してる人は、
時代を、超えても、
ええ顔、してる」
…………
…………
俺も、
ええ顔、
…………
なれるかな。
…………
「なれるよ」
「私が、保証する」
…………
明日久、
ニカっと笑った。
歯は、ちゃんとある。
…………
…………
…………
北海道。
…………ぐ
雪、降っとった。
…………
明日久、
雪、初めて見たらしい。
…………
「冷たい!!」
「でも、綺麗!!」
…………
俺は、
露天風呂に、浸かった。
…………
雪が、体に、降ってくる。
…………
熱い湯と、冷たい雪。
…………
なんやろな、
…………
体の中の、
ようけ、要らんもんが、
…………
溶けて、出ていく気がする。
…………
ふぅーー。
…………
「ケンジ!長湯し過ぎ!!」
明日久が、外から、叫ぶ。
…………
おう、出る。
…………
宿の、囲炉裏で、
ホッケを、焼いた。
地酒も、飲んだ。
…………
「ケンジ、また、お酒」
…………
ええやろ。
爺さんと、同じや。
…………
「そうだね」
「じいちゃんも、いつも、お酒」
…………
ケラケラ笑う、明日久。
…………
…………
…………
そして、
俺は、
…………
海外に、出た。
…………
明日久も、
一緒や。
…………
…………
パリ。
…………
セーヌ川の、畔で、
ワインを、飲んでる、爺さん。
歯のない口で、笑っとる。
…………
「爺さんと、似てる」
明日久が、笑う。
…………
世界中に、おるんやな、こういう爺さん。
…………
…………
ニューヨーク。
…………
セントラルパークの、ベンチで、
寝とる、ホームレス。
…………
…………
爺さんと、初めて会った、
あの夜を、思い出した。
…………
近づきすぎたら、
…………
「宇宙と、交信中!!」
…………
って、言われるかな。
…………
ふっ、と、笑けてきた。
…………
…………
バンコク。
…………
屋台で、麺を、啜ってる、家族。
…………
子供が、
汁、飛ばして、
母親に、怒られてる。
…………
父親、笑ってる。
…………
…………
ええなぁ。
ええ景色やなぁ。
…………
…………
カイロ。
…………
砂漠の、夕日を、
ただ、見つめてる、男。
…………
俺も、横に、座った。
…………
無言で、
二人で、
夕日を、見た。
…………
明日久も、横で、
ぽかんと、口を、開けて、
夕日を、見とった。
…………
…………
…………
みんな、生きてる。
それぞれの、生き方で。
…………
ホルモン、食って。
ワインを、飲んで。
ベンチで、寝て。
子供を、叱って。
夕日を、見て。
…………
…………
俺の、生き方も、
…………
何処かに、ある。
…………
学べば、
見つかる。
…………
…………
「ケンジ」
明日久が、俺を、見る。
「私、いっぱい、勉強になる」
…………
俺、もや。
…………
「ありがとう、ケンジ」
…………
…………
俺の方こそ、や。
…………
…………
夜空を、見上げる。
何処の街でも、
夜空は、繋がっとる。
…………
爺さんが、
裏路地で、ワンカップ、
飲んでる、夜空と、繋がっとる。
…………
…………
俺は、
学ぶ。
…………
その中に、
…………
…………
答えは、
…………
ある!!!
了
