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#4 『経験は大事だが、ある程度で見切りをつけて次の経験に移行しなければなりません。未練と熟練の間で。』


「去りどき」について。

いわゆる熟練の域を超え、もはや心が動かなくなっている状況を放置していると、そこからまた軽やかに動き出すのには、時間も労力もかかるように思う。そうなる前に、新たな経験を求めて次のステージへ移行することは、自分にとって必要なステップ。

でも「物事に見切りをつける」って、頭では分かっていても、きちんと心の整理をつけ、本当に離れる/旅立つ覚悟を決めていないと、簡単にはできないもの。少しでも未練が残る状態で無理やりmove onしようとすると、やっぱり悔いが残ってしまう。「まだやりたかった」「あともう少しやっていたら、どうなっていただろう」そんな想いは、一度浮かんでしまったら、無理やり消化できるものではない。

やはり絶妙な塩梅で、未練と熟練の「間」を、捉えなければいけないのだ。「今かも」と捉える勘の良さと、行動力をもって。

自分が今いるこの場所は、果たして未練か、それとも熟練か。熟練ならば、熟れすぎてしまってはいないか。未練は、もはや執着になっていないか。



私の中で、圧倒的に美しい去り方をしたと感じるのは、40歳で引退した、歌手の安室奈美恵さん。

安室ちゃんは、ラストインタビューでこのように語っていた。


『引退を最初に考えたのは、20代後半。歌手になったとき、”一生続けて行く仕事じゃないな”と思った。始まりがあれば、絶対的に終わりがある。ただ、”こんなに好きなことを辞められるのかな”  ”(大好きな)歌って踊ってを辞めるなんて、私にはできない”という想いもあった。でも、私の中で”引退”とは、”二度とそこには戻らない”ということ。また歌って踊ってをしたくならないように、長い時間をかけて引退への準備をしてきた』(ニュアンス)

もう、天晴れすぎませんか。

あのステージも、あのステージも、安室ちゃんにとっては、ちゃんと、終わりへの準備だったのだ。カウントダウンをしていたのだろうか。なんて刹那的なのだろう。でも、そこまで逆算しきったからこそ、あんなにも美しく完璧な引退を成し遂げたのだろう。全てがきっと、予定調和。何事も、徹底的にやらなければならない。


後悔が残らないように、でも、熟しすぎる前に。

つくづく、結果を残す人、しかも美しく結果を残す人というのは、

「徹底的に狙い、獲りに行った人」

なのだと、痛感させられる。



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