夫と出会うまでの53日間のこと
元カレと過ごした四年という歳月に終止符を打った。その決意が、私の人生をこれほどの速度で動かし始めるとは、当時は知る由もなかった。
わずか五十三日後。
私は、のちに夫となる人と出会うことになる。
最初の二週間は、ただ涙の海に身を沈めていた。自ら幕を引いた恋なのに、なぜこれほどまでに悲しいのか。他人に気づかれないよう、さりげなく涙を振り払っては、必死に違うことを考えて気を逸らした。
駅のホーム、近所のコンビニ、家へと続くいつもの道。街の至る所に、彼との記憶が散らばっていた。視界に映る何気ない景色が、かつての幸福な残像を呼び覚まし、私を追い詰めた。
破局の噂は、早く広まるものだ。私たちを知る友人たちから、次々に連絡が届いた。
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