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「絶景を見る」から、「過ごしたくなる」へ。羊蹄パノラマテラスが目指した、新しい山頂体験

こんにちは!グリーンディスプレイ 豊岡です。
今回は、ルスツリゾート内で羊蹄山を望む絶景スポットとして親しまれてきた「羊蹄パノラマテラス」のリニューアルプロジェクトについてご紹介します。

このたびのリニューアルでは、景観価値の向上と滞在体験の創出を目的に、弊社がオブジェおよびストリートファニチャーのデザイン開発・設計・施工を担当しました。

今回のプロジェクトのコンセプトは「滞在価値の向上」。

景色を楽しむ場所から、体験や滞在そのものを楽しめる観光スポットへ進化させることが大きなテーマでした。

ただ装飾を施すのではなく、その場所ならではの価値を引き出し、「ここで過ごしたい」と思える空間づくりを目指しました。

どのような想いや狙いからこのプロジェクトが進められたのか、
営業担当の札幌支店・手嶋とともに、
加森観光株式会社 営業統括本部 マーケティング部 広報企画グループ 課長
加藤直子様 にお話を伺いました。

なんと、手嶋が入社して初めて担当したお客様が加藤様だったとのことです!
10年以上の関わりの中で築かれてきたおふたりの関係性だからこそ生まれる自然な会話や、時折笑いが起こる和やかな雰囲気から、長年培われた信頼関係を感じるインタビューとなりました。

左:加森観光(株) 加藤様 右:札幌支店 手嶋

「景色を眺める」場所だった山頂

豊岡
本日はよろしくお願いいたします!
早速ですが、まず初めに、このプロジェクトが始まった経緯についてお聞かせください。

加藤様
羊蹄山の眺望は以前から人気のスポットでしたが、多くの方は景色を見たり写真を撮ってすぐ下山してしまう。
飲食できる場もなく、滞在時間は決して長くありませんでした。
せっかくゴンドラで山頂まで来ていただいても、景色を見て写真を撮ると、そのまま下山してしまう。その状況を何とか変えたいという想いが、このプロジェクトの始まりでした。

また、冬はスノーアクティビティ目的のお客様が多く訪れますが、夏の集客もさらに伸ばしていきたいという狙いもありました。
そこで、滞在時間を延ばし、この場所ならではの思い出を持ち帰っていただけるような体験をつくりたいと考え、ご相談させていただきました。


デザインしたのは「モノ」ではなく、「過ごし方」

今回のプロジェクトで大切にされたのは、何を設置するかではなく、その場所で人がどのような時間を過ごすかという視点でした。

豊岡
ベンチ・巨大フォトフレーム・テキストオブジェはどのような経緯で生まれたのでしょうか。

加藤様
海外事例をリサーチしていく中で、フォトフレームが印象に残りました。
家族や友人みんなが入れるサイズがいいなと思いましたし、
地名や標高を入れることで、その場所ならではの思い出がしっかり残るのではないかと考えました。

「RUSUTSU」のオブジェも、ただ見るだけでなく、座ったり寄りかかってみたり、文字そのものと遊んでいただけるようにしたかったです。
「U」が3つあるので3人で並んで座ったらかわいいですし、
「R」の穴から顔を出したら面白いかなと色々考えました。

ベンチについても、最初は木を囲むようなものを考えていました。
でも、よくあるベンチではなく、「座ってみたくなる」ものにしたかったんです。
羊蹄山にかかる雲を見て、「雲のようなベンチがあったら面白い」と思いました。
座り心地は良くしたい。でもふかふかすぎては飲み物や食べ物も置けないしで、固さのバランスにはとても悩みました。

手嶋
今回のプロジェクトでは、すべてイチから設計し、素材やサイズ感の検討を行いました。
フォトフレームや文字は、人が直接触れるものなので、金属だけで作ると夏場は熱くなり火傷の危険があります。
一方で、冬は大量の雪が積もるため、撤去できる構造も必要でした。
軽量化しつつ衝撃にも耐えられるよう、FRPや木を採用しながら、山頂ゆえの強風に耐えられるよう内部や土台は金属で補強しています。

加藤様
それと、角の処理を徹底的に行っていただきました。
お子さんがケガをしないように、お洋服が引っかからないように、細かな部分まで何度も打ち合わせを重ねました。

手嶋
エッジの丸さ加減は何度も打ち合わせをしましたね。
あとはベンチの形状も悩みました。
平らじゃないとコーヒーカップ置けないじゃんって言われながら、雨の水が溜まるのは嫌ってことでこちらで3Dモデルを作成して、sixinchに制作をお願いしています。完成前に一度工場に視察に行ってチェックしてモデル通りによく仕上げてくれたなと思います。

平面的な形状もそうですが、高さを45cmに設定してゆっくり座れるベンチになっています。
ちなみに、文字とフォトフレームは座面になる部分を55cmに設定して腰掛けやすく立ちやすい高さにしています。

デザインイメージを図面や3Dパースで可視化し、
完成形を共有しながら形にしていきました。
ベンチは真ん中が1cmほど高く、
ベンチに雨水が溜まらないように設計されています。
オリジナルフォントを制作。
「U」の座りやすさなど、人がどのように楽しむかを想像しながら
細部までこだわりました。

豊岡
「何を置くか」ではなく、「ここで人にどう過ごしてもらいたいか」という視点から考えられていたんですね!


自然環境と向き合いながらつくる、山頂での空間づくり

豊岡
今回の現場で印象的だったことはありますか?

加藤様
テキストオブジェは、冬場に圧雪車が通るルートと干渉しない位置に設置する必要がありました。そのため、別チームのスタッフとも確認を重ねながら、景観だけでなく冬季の運営面も考慮して位置を決めていきました。
フォトフレームは、羊蹄山が美しく収まり、訪れた方が思わず写真を撮りたくなる場所はどこかをメインに検討しています。

いずれも、グリーンディスプレイさんが用意してくれた実寸大のパネルや木枠を使って実際の景色とのバランスや見え方を確認しながら、最終的な配置を決定しました。

実寸大パネルでテキスト位置の確認
「大きすぎるのでは」という懸念も、
現地で確認すると景色に映えるベストなサイズでした。

手嶋
10年以上、ルスツリゾートでお仕事をさせていただいていますが、山頂での施工は初めてでした。
特殊な環境だからこそ、現地の条件を理解し、その場所に合わせた設計・施工が求められました。
地中には電線や配管がどこに埋まっているか分からないし、落雷や濃霧、野生動物の出没で作業を中断することも。

過酷な現場だったのは間違いないですが、魅力的なメニューの夕食・朝食のビュッフェを中心に快適なリゾートステイで充実した施工期間を過ごせていたように思います。

豊岡
様々なチームの方々と連携があってこそだったんですね。
運営面や自然環境など、山頂ならではの条件と向き合いながら進められていたことが印象的でした。
弊社にとっても、貴重な経験になったのではないでしょうか。
美味しいごはんに、温泉も・・・羨ましい現場です・・・!

手嶋
苦労もありましたが、それ以上に空気も景色も綺麗なので、最高の現場でしたよ!
一つひとつ、課題をクリアしながら無事に現場を納めることができて何よりです。


リニューアル後に生まれた変化

豊岡
6月末にリニューアルオープンし、お客様の反応はいかがでしょうか?

加藤様
皆様の滞在時間が明らかに伸びたことを実感しています。
ベンチで寝転びくつろぐ方、フォトスポットは撮影の順番待ちの列もできていました。
シンプルなデザインだからこそ、お客様自身がいろいろな撮り方を工夫してくださっています。そんな撮り方があるんだと驚くことも。
皆さんが楽しそうに過ごされているのを見て、とても嬉しくなります。
これから夏休みシーズンを迎え、キッチンカーカフェの営業が7月18日から始まるので、食事や会話を楽しみながら、さらに長く滞在できる場所へ進化していくことを期待しています。

手嶋
私もオープン後、現地へ行きました。
お子さんたちがオブジェに触れたり、元気に遊んでいる姿を見て、安全性や耐久性まで含めて、しっかり設計していてよかったと心から感じました。

これから目指していくもの

豊岡
それでは最後に、今後目指していきたいことを教えてください!

加藤様
今回は羊蹄山側のリニューアルでしたが、洞爺湖側も解放感あふれる景観が広がっています。
そちら側も将来的にはリニューアルをしていきたいと考えています。
ヨガや食事を楽しめる空間があったら素敵ですよね。
他にも、中腹に広場があるので、そこも賑わいが生まれるような場所にしたいなと。
これからの展開も楽しみにしていただけたらと思います!


貴重なお話をありがとうございました!


インタビューを終えて

今回のお話を伺い、「空間をデザインする」とは、その場所で人がどのように感じ、どのように過ごすかまでを考えることなのだと改めて感じました。

完成した空間だけでは見えない、その背景にある想いや試行錯誤を知ることで、場所が生まれるまでの物語や、そこに込められた価値をより深く感じていただけるのではないでしょうか。

この記事を通じて、羊蹄パノラマテラスの新たな魅力や、ルスツリゾートが目指す体験価値を少しでも感じていただけたら嬉しく思います。

私自身も、次は一人の来場者として、この景色と空間を体験しに訪れたいと思います。


ルスツリゾートHP
https://rusutsu.com/yotei-panorama-terrace/

Interview / Writing
株式会社グリーンディスプレイ
事業推進室 豊岡 怜衣子

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