詩「クレーンゲームとあの子」
「クレーンゲームとあの子」
ガラス越しの君に魅せられた
柔らかな曲線の後頭部
こちらを見つめている
ブラックホールのような瞳
聞こえてくる声は
私を連れてって
答える思いは
一緒に帰ろうね
じゃらじゃらと100円玉を手に乗せて
カランコロンと100円玉が転がっていく
愉快なBGM
額には汗
正面から横から
体があっちへこっちへ
私の中で一番機敏な動きでボタンを離す
天の手はそのこを掴んだり離したり
翻弄
カランコロン
カランコロン
カランコロン
消えていく100円玉
神様が認めてくれた
ギュッとつかんだ手がその子を離さないでいてくれた
ポトリとおちる
興奮
機械から流れるファンファーレも遠くなる
こっちへおいで
しゃがんでその子を取り出す
満足
鳴りやまない鼓動と
気持ちのいい頭のズキズキ
あのまん丸の頭をやさしく両手で包んで
一緒に帰る
よかった
