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愛しのアデリーヌ

 あぁ 愛しの愛しのアデリーヌ
 真珠の面差し 珊瑚の唇 星の瞬きをたたえた瞳

 リュートを爪弾き、詩人は歌います。
 焦がれたかの人に届けと。
 その窓辺に花咲せんと。
 薄暮の空に舞響けと。

 あぁ 愛しの愛しのアデリーヌ
 薄青き夜空に浮かぶ月 その輝きを束ねた髪
 桜の爪先 白磁のかいな 小夜鳴鳥ナイチンゲールの貴き歌声

 どれほど歌おうと、手を差し伸べようと、その窓辺に影は映らず、開かれることもありません。

「あの方、今宵も歌ってらっしゃるのね。お相手のご令嬢は見向きもなさらぬご様子なのに。あれほど美しい声なのにもったいないこと」
 窓の内側では、響く歌声にうっとりと耳を傾けた娘がため息をつきました。
「全く、おっしゃる通りでございます、エヴァーレットお嬢様」

 あぁ 愛しの愛しのアデリーヌ
アデリーヌ……え、エヴァーレット……?

 2025/03/27
 

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煇月 憬 いつか自分のための『本』を作りたいと思います。頂いたチップはそのために大切に使わせていただきます。心より感謝いたします。