愛着と安全基地
以前、実家にいた愛犬を、私の安全基地と書いたが、心理学では、愛着理論に基づく概念で、人や動物が成長する上で、とても大切な営みです。また、ペットロスなど、死別の苦しみ(悲嘆反応=グリーフといいます)に影響するので、少し書いてみます。なお、ペットロスに限ったことではないですが、便宜上ペットロスとします。
愛着とは、特定の人との、情緒的な結びつきを言います。例えば、赤ちゃんは、特定の人(母親など)との間に強い絆(愛着)を結び、その愛着対象を「安全基地」として、少しずつ、外の世界を探索するようになります。もしも、何か危険にさらされたとしても、安全な避難所に戻り、「大丈夫」と、安心出来るから、再び知らない世界へ出ていけるようになり、成長とともに、安全基地は保育士、学校の先生、友人、恋人などに広がっていきます。
何かあっても安心できる、安全基地があれば、「私は守られているから大丈夫」と、自信をもつようになり、自己肯定感や、レジリエンスが育つのです。ちなみに、大人になってからも、「安全基地」をつくることは可能です。最近流行りの「心理的安全性」も同じ考え方ですね。
※興味のある方は、ご自身でお調べください。
さて、ここで、愛着とペットロスの話に戻りますが…
みなさまお察しの通り、無条件で飼い主を受け入れてくれる、ペット(コンパニオンアニマル)は、「安全基地」と言えるし、動物たちにとっても、飼い主こそが安全基地であることは、言うまでもありません。
このような強い結びつき=愛着は、幸せホルモン(愛情ホルモン)と呼ばれる、オキシトシンの作用によるものです。人も動物も触れ合う事で、脳内に「オキシトシン」が放出され、信頼や幸福感が生まれます。このホルモンのおかげで、私たちは、大切な相手と、強い絆で結ばれるのです。
そんな、強い絆で結ばれた安心できる相手(場所)が、いなくなってしまうと思えば、不安や脅威を感じるのは、当たり前ですよね。
しかし、大切な相手とのお別れにより、自分の心身に何が起こるのか知らずに生きている人が殆どではないでしょうか。(欧米では、小学校などで死別につていの教育をしているそうです)。そのため、通常の悲嘆反応であるにもかかわらず、想像以上の悲しみや苦しみ、怒り、様々な不調について、驚き、戸惑います。
ペットロスを少しでも怖がらないために、死別による悲嘆反応=グリーフについて、あらかじめ知識をつけておくことは、いざとなった時に、自分や周りの反応を、理解する助けになると思います。
ちなみに、先ほど出てきた「自己肯定感」「レジリエンス(回復力)」が高い人は、ペットロスからの立ち直りや、グリーフワークがスムーズにいくと考えられていますので、機会があったら紹介したいと思います。
