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「出世の先」で、もう一度“自分の手”で社会に触れる

はじめに:この文章を書く理由

たまたま、「#未来に向けた挑戦」というタグを見た時に、次年度の決意表明を明文化してなかったなと思って書き始めました。

この記事の結末にも関連しますが、こういったSNSも積極的に運用していかないとなと思っていたのでそのきっかけにもなると思いました。

この文章は、いわゆる成功談ではありません。むしろ、ある出来事をきっかけに「このままではいけない」と思い、少しずつ方向を変えてきた記録です。
そして、来年度からは実験や準備ではなく、いよいよ“回し始める”段階に入りますという決意表明です。


私の現在地:30代前半で、出世の先が見えてしまった

私は30代前半のいま、1,000人規模のIT系企業で部長を経験し、全社の方針を決めるポジションで働いています。
組織内で可能な昇進はほぼ経験し、残るのは執行役員や取締役といったポジションになりました。ただ、ここから先は年功序列の色が濃く、30代中盤で食い込む現実的な道筋は簡単ではありません。

それ以上に大きかったのは、立場が上がるほど、仕事の中心が「自分の能力で直接価値を出す」から「組織をマネジメントする」へと移っていくことでした。
もちろんマネジメントも重要です。ただ私は、まだもう少し、自分の手で社会に価値を返したいという気持ちが残っていました。


私ができること:ITと農の“二足”

私が現在できることは、大きく二つあります。
というか、2つしかありません。

ひとつは、Web領域のプロダクト開発と認証認可の領域を中心としたセキュリティとDX支援です。
SSO、ゼロトラスト、DXの文脈で、日本を代表するような大企業に提供してきた経験があります。AI活用も自分の中では早い時期から触れてきた自負があり、ChatGPTが登場した直後から試行し続けてきました。

もうひとつは、家庭菜園(というより半分、農業寄りです)です。
8年目になり、規模は10a。非農家としては比較的大きな面積で、年に数トン単位の収穫を継続しています。
ここ数年は気候が厳しくなる中でも、収量と品質の安定を目標に、栽培技術と作業設計を積み上げてきました。


課題感:一言で言えば「格差」

私の中で大きくなっていった課題感は、「格差」でした。
しかも、遠い世界の話ではなく、自分の生活圏で見えた格差です。

格差1:IT利活用の格差

大企業は一流のIT基盤とセキュリティを構え、投資を前提に競争力を高めていきます。
一方で、地元の中小企業では、そうした競争から取り残されていると感じる場面が少なくありませんでした。

理由は単純で、大企業向けに提供しているようなIT技術者の単価は、中小企業ではコストバランス的に合わないことが多いからです。
さらに、セキュリティやAI、ITが重要だと言われていても、実務で理解し、各社の事情に合わせて一緒に考えてくれる人が身近にいない。
これは地方ほど顕著な課題だと感じています。

格差2:家庭環境による子どもの教育格差

もう一つは、子どもを取り巻く家庭環境による格差です。
コロナ禍の緊急事態宣言の時期、私の業界は仕事量が増えました。
共働きなので習い事費用は月10万円を超えていましたが、家計的には全然問題なく成立しました。

そんな中、娘の保育園のママと話したときに「シングルマザーで、コロナ禍でパートの労働時間がほぼなくなり、収入が大きく減った」と聞きました。食費を限界まで削りながら子どもに食べさせている状況だと。

これは極端な例だと思っていたのですが、周囲で聞くほど、同じような家庭は少なくありませんでした。

その時、子どもに習い事を増やし、相場が落ちた株価で家族分突っ込んでいたNISAを喜んでいた自分を恥ずかしいと思ったことを覚えています。
地域差ではなく、同じ地域でも収入と環境で格差が決定的に広がる。
その現実を目の前で見ました。


取り組み方針:ITと食で、格差に別方向から手を入れる

ここから私は、「自分にできる形で」二つの格差に向き合う方針を決めました。

格差1への方針:地元の中小企業に、現実的な価格でIT支援を届ける

中小企業のIT格差で大きいのは、次の二つだと考えました。

  • 身近に相談できる人がいない  

  • 大企業向けの価格体系がそのままでは成立しない

だから私は、現在の居住地と実家のある地域を対象に、副業の事業としてIT支援を行い、小規模事業だからこそ成立する価格でサービスを提供しようと考えました。そこで働く人、ひいては地域の経済に貢献したいと思っています。

格差2への方針:教育そのものではなく「食の不安」を下げる

教育格差に対して、私が直接教育を施すのは現実的ではありません。
また、子どもが何を学ぶかは選べるべきであり、教育の押し付けにもしたくありませんでした。

そこで私は、自分のもう一つの資産である家庭菜園(10a・数トン収穫)を活かす方針にしました。年に数トン収穫しても、どうしても余ります。これをシングルマザー家庭などに安定的に配布し、衣食住のうち「食」の不安を下げたいと考えました。

ベーシックインカムのように食の不安が少しでも下がれば、習い事に回せる余地が生まれるかもしれない。パートを少し減らして子どもとの時間を確保できるかもしれない。あるいは、余った資金で少しだけ自分を労わる使い方でもよいと思います。


ここまででやってきたこと:いきなり配れないから、まず土台を作った

方針は決めても、いきなり大きく回すことはできません。
持続可能にするには、先に二つの土台が必要でした。

1) 事業の安定化

支援は“気合い”で続きません。一定の収益基盤がないと、継続的な提供は難しい。もちろん本業の収入はありますが、それを使ってしまうのは自分の家族を犠牲にすることにつながります。
そこでこの1年は、事業の形を整え、収益の柱を作る取り組みを優先してきました。

2) 栽培技術の向上

もう一つは、栽培の安定です。
近年の気候は厳しく、急に収穫が落ち込むリスクがあります。提供を始めた後に「配れません」となれば、影響は大きいでしょう。
そこで数年かけて、収量・品目・品質の安定を目標に栽培技術を磨いてきました。作業の効率化や資材の整備も進め、個人レベルとしては相応の運用体制ができてきたと思っています。

こんなのが採れるよ!

新しい挑戦:来年度から“本格運転”に入る

前提が長くなりましたが、挑戦の本題はここからです。来年度、私はこの仕組みを本格的に回します。

1) 地元企業のDX・AI活用支援を本格化する

「逆に今までやっていなかったのか」と言われそうですが、商工会議所に登録を行い、域内での顧客探しを本格的に行っていきます。

【地元の】企業を支援することに更に力を入れるということです。
これまではクローズで知人経由でやっていました。

2) 野菜の配布を“募集”という形に切り替える

これまでは直接声をかけられる人にしか配っていませんでした。
ここからは、もう少しITを利用して、広く募集し、対象家庭を増やしていきます。

配布頻度はまず週2回程度を想定しています。
対象となる家庭の状況を丁寧に伺い、無理のない範囲で継続可能な形を作ります。

3) 規模を広げるために、人も巻き込む

仕組みを回すには、私一人の体力だけでは限界があります。
来年度は、事業の拡大や栽培面積の向上を手伝ってくれる方を雇うことも視野に入れています。
ここから先は、個人活動ではなく“運用”のフェーズです。続く仕組みにするために、仕組みそのものを育てます。


作りたい未来:次の世代へバトンが渡る状態

この活動を通して地域で働く人が、DXやAI活用で働き方の自由度を高め、収入や余暇・子供との時間確保・学び直しの選択肢を増やしてほしいと思っています。
そして、シングルマザー家庭をはじめとする家庭には、栄養のある食材をしっかり食べて、親子ともに元気でいてほしい。子どもが習い事や親子の時間を持てるようになってほしい。

将来的には、家族と共に育った子どもたちが「自分も誰かにバトンを渡そう」と思えるような循環が生まれてほしい。
私はその最初の一手を、来年度から本格的に動かします。


おわりに:小さくても、手触りのある挑戦を続ける

私は、会社の中での出世や肩書きだけでは、もう納得できなくなりました。
自分の能力が、目に見える形で誰かの生活に届く。その実感が欲しかったのだと思います。

来年度は、地元企業のDX支援と、野菜のベーシックインカム配布を、実験ではなく運用として回します。
うまくいかないことも出るはずです。ただ、それでも続く形に整え直します。

これが、私の「#未来に向けた挑戦」です。

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