【詩】alter
木漏れ日の馴染む砂利道
吹く薫風が
歩く君の後髪を揺らす
知らない間に
過ぎてしまうのは苦手なんです
そう語り出す君
何でも無い事も大切だと思って
いつもこの手元に置いておきたくなる
指の隙間から溢れてしまった物も
後から掬い上げようと取りに戻ってしまう
そんな話を聞いて
ふと入った小さな喫茶店に飾ってあった
ピントのズレた写真を思い出していた
とても大切そうに壁に掛けられていた
あれと同じ事だろうか
想像したけど少し違う気もした
どうせ当たらない憶測も
勘違いばかりでは
詰まらない
結論から申し上げると
君は続ける
新しくするのではなく
味付けを塩や胡椒で変える様に
既存の物に手を加えて変更する
それでも新たな発見が有ると思います
決まり切った根本を改変したり
凝り固まった頭を柔らかくするには
時間が掛かり過ぎてしまう
探究も研鑽も広大で深淵です
私自身も深く潜るのは好きではありません
ぼやけて輪郭がハッキリしないですから
底にある存在が強く主張するだけです
それを感じて確実に掴み取る
そんな事が出来れば良いですけどね
いつまでも幾何学するのではなく
不規則な動作にこそ人間らしさがあるものです
そう言って君は微笑んだ
甘過ぎる缶コーヒーを飲み干した頃
吸いかけの煙草の火の先から出る煙を眺めた
そう言うものか
その先に落ちて行く
夕陽が明日の予定を案ずる
特に何も無いが何かあるのだろう
瞬く間に
過ぎ行く日々は続いている
明日も今日の様に
私は少しずつ変わって行く
そんな気がしていた
