【AI時代のアフィリエイト戦略】Googleはどう広告を表示するのか──個人は「検索流入」に頼らず、どう稼ぐのか?
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◆第一章 AI時代の検索はこう変わっている
●検索エンジンは、昔と同じではない
インターネットで何かを調べるとき、私たちは長らくGoogleなどの検索エンジンにキーワードを入力し、表示された検索結果から目的のサイトを選んでいました。
例えば、「初心者 おすすめ ランニングシューズ」と検索すれば、検索エンジンは関連性の高いWebページを並べます。
ユーザーはそこから複数のサイトを訪れ、情報を比較し、自分で答えを組み立てる。これが、これまでの基本的な「検索」でした。
ところが現在、この構造が変わり始めています。
AIが検索結果を読み取り、複数の情報を整理したうえで、ユーザーが知りたい答えそのものを検索画面で提示するようになってきたからです。
つまり、「検索 → Webサイトを探す → 読む → 自分で判断する」という流れから、「検索 → AIが情報を整理する → 回答を読む → 判断する」という流れへ変化しています。
●「検索結果」そのものが答えになっていく
この変化を理解するうえで重要なのが、いわゆるゼロクリック検索です。
従来なら、検索結果からWebサイトをクリックしなければ得られなかった情報を、検索画面の中だけで確認できるケースが増えています。
例えば、「東京から大阪まで新幹線で何時間?」なら、検索結果を何ページも読む必要はありません。
さらに複雑な質問でも、AIが複数のWeb情報を参照して、「○○という条件なら、Aが適しています。理由は……」という形で回答をまとめてくれる。
ここで重要なのは、AIが単に「検索結果を表示する機能」ではないことです。
検索結果を材料として、ユーザーの代わりに情報を整理する機能になっている。
この違いは非常に大きいものです。
●検索エンジンとAIは競合ではなく、融合し始めている
ここで、「AIが検索するなら、従来の検索エンジンは不要になるのでは?」と思うかもしれません。
しかし、実際には単純な置き換えではありません。
AIが正確な回答を作るには、最新の情報や具体的な事実を外部から取得する必要があります。
そこで、「検索エンジンが情報を探す →AIが情報を理解・整理する →ユーザーに回答する」という役割分担が生まれています。
つまり、検索エンジンは消えるのではなく、AIの「情報収集装置」として組み込まれていくわけです。
Googleのような検索企業にとっても、これは単なる検索機能の改良ではありません。
これまで人間に見せていた「検索結果」を、AIが読み取り、加工し、ユーザーに返す。
検索というサービスそのものが、AIを中心とした情報処理システムへ変わりつつあるのです。
●Webサイト側から見ると、何が変わったのか
ここでWebサイトを運営する側の視点に立ってみます。
従来は、「検索者 →Google →検索結果 →自分のWebサイト →記事を読む」という導線でした。
Webサイト側にとって、Googleで上位表示されることには大きな意味がありました。
検索者がサイトへ訪問してくれるからです。
ところがAIが検索結果の中で回答まで完結させるようになると、「検索者 →Google →AIが回答」で終わってしまう可能性が出てきます。
つまり、Webサイトが提供した情報がユーザーに届いているのに、そのユーザーがWebサイトを訪問しないという現象が起こり得る。
ここがAI時代の検索を考えるうえで、最も重要な構造変化の一つです。
●「検索上位を取る」だけでは不十分になる
これまでのWebビジネスでは、「検索結果で上位を取る」ことが重要な目標でした。
検索上位に表示されれば、クリックされ、サイトに人が来る。
そして、そのアクセスを広告やアフィリエイトなどの収益につなげる。
ところが、AIが検索結果を材料に回答を作るようになると、検索結果に情報が採用されることと、サイトにアクセスが来ることが必ずしも同じではなくなる。
ここに、AI時代のWebビジネスの大きな転換点があります。
そして、この変化は当然、Google自身のビジネスモデルにも影響します。
検索者がWebサイトを訪問しなくなる世界で、Googleはどうやって広告を表示し、収益を維持するのでしょうか。
◆第二章 AI時代でもGoogleの広告ビジネスは終わらない
●検索結果をクリックされなくなったら、Googleはどうするのか
第一章で見たように、AIが検索結果を読み取り、ユーザーに直接答えを返すようになると、従来の「検索→Webサイト→広告」という流れは弱くなります。
ここで当然、こんな疑問が出てきます。
「Webサイトに人が行かなくなるなら、Google自身も広告収入を失うのでは?」
これはその通りで、GoogleにとってAI検索への移行は、自社の検索広告ビジネスを壊しかねない諸刃の剣です。
しかし、Googleからすれば、AIによって検索そのものが変わるなら、広告を表示する場所も変えればいい。
従来の検索広告は、検索結果の上や横に表示するものでした。
これからは、AIがユーザーの質問に答える過程そのものが、新しい広告接点になります。
●「検索結果」ではなく「ユーザーの目的」に広告を出す
例えば、「夏のキャンプにおすすめのテントは?」と検索したとします。
従来なら、「検索結果 →テント販売サイト →商品を見る」という流れでした。
AI検索では、「ユーザーの質問 →AIが条件を整理 →おすすめの商品やサービスを提示」という流れになります。
この場合、Googleにとって重要なのは「どのWebサイトをクリックさせるか」だけではありません。
ユーザーが何を求めているのかを理解し、その意思決定の直前に広告を表示することが重要になります。
つまり広告の価値が、「このキーワードを検索した人」から、「この目的で行動しようとしている人」へ移っていくわけです。
これは広告主にとっても大きな意味があります。
単に「テント」という言葉を検索した人より、「家族4人で夏キャンプに行くので、設営が簡単なテントが欲しい」と相談している人のほうが、購入意欲が高い可能性があるからです。
AIは、このような検索者の文脈を理解できます。
Googleにとって、これは広告の精度をさらに高められる可能性があります。
●AI回答の周辺に広告を置く
もう一つの方向性は、AIの回答そのものを新しい広告面にすることです。
従来は、「検索結果 → 広告」でした。
これが、「AIによる回答 → 関連する商品・サービス」という形に変わっていく。
例えば、AIが旅行先について回答した後に、「ホテル」「航空券」「レンタカー」「観光サービス」などを提示する。
あるいは、商品について質問された場合、「商品ページ」「購入先」「類似商品」「関連サービス」などを表示する。
重要なのは、広告を単純に「検索結果の上に置く」のではなく、AIがユーザーの目的を理解したうえで、その目的に関連する広告を提示できることです。
これは従来の検索広告とは違う、AI時代の広告モデルになり得ます。
●GoogleにとってAIは「広告を消す技術」ではなく「広告を出す場所を変える技術」
ここまでを見ると、AI検索はGoogleの広告ビジネスを破壊するだけではありません。
むしろGoogleからすれば、「検索結果に広告を表示する」という従来の方法から、「AIがユーザーの目的を理解し、その意思決定に広告を接続する」という方法へ移行するチャンスでもあります。
つまり、「AIによって検索結果のクリックが減る」ことと、「Googleの広告ビジネスが消滅する」ことは同じではありません。
Googleが守ろうとしているのは、「検索結果ページ」という形ではなく、検索者が何かを知りたい、買いたい、申し込みたいと思った瞬間に生まれる広告価値そのものだからです。
そして、ここにはGoogleにしかできない強みもあります。
膨大な検索データを持ち、ユーザーが何を調べ、何に興味を持ち、どんな行動をしようとしているのかを長年蓄積してきたからです。
AIは、このデータをさらに高度に利用できる可能性があります。
●ただし、ここで一番割を食う存在がいる
では、この変化によって誰が最も厳しい立場になるのでしょうか。
GoogleがAIを使って広告モデルを再構築できるなら、Google自身は生き残れる可能性があります。
一方で、これまでGoogleから検索流入を受け取り、そのアクセスを広告やアフィリエイト収入につなげてきた個人サイトは事情が違います。
検索者がAIの回答だけで満足すれば、「Googleには検索者が残る」一方で、「個人サイトには検索者が来なくなる」ということが起こり得ます。
AI時代の検索で、最も大きな変化にさらされるのは、実はGoogleそのものではなく、Googleから人を送り込んでもらっていたWebサイト側なのです。
◆第三章 AI時代に個人アフィリエイターが苦しくなる理由
●これまでのアフィリエイトは「検索流入」が生命線だった
これまで個人がアフィリエイトで収益を得る典型的な方法は、Googleなどの検索エンジンから人を集めることでした。
例えば、
「おすすめ ドライヤー」
「初心者 投資 始め方」
「○○ 比較」
といった検索ワードを狙って記事を作る。
検索結果で上位に表示されれば、ユーザーがサイトを訪問する。
そして記事を読んだ人が、「商品を購入する →サービスに申し込む →アフィリエイト報酬が発生する」という仕組みです。
つまり、個人アフィリエイターにとってGoogleは、単なる検索エンジンではありません。
無料で見込み客を連れてきてくれる巨大な集客装置でした。
●ところがAIは、その「集客」を途中で止めてしまう
問題は、AI検索が普及すると、この導線そのものが短くなることです。
従来なら、「検索 →検索結果を見る →個人サイトをクリック →記事を読む →商品を購入」でした。
しかしAI検索では、「検索 →AIが複数の情報を整理 →回答を読む →購入する」という流れが可能になります。
つまり、個人サイトが一生懸命作った記事がAIの回答に利用されても、その記事を書いた本人のサイトにはユーザーが来ないということが起こります。
これはアフィリエイターにとって非常に厳しい変化です。
なぜなら、アフィリエイトは基本的に「アクセス」がなければ始まらないからです。
●「情報を提供した人」と「お金を受け取る人」が分離する
ここがAI時代のアフィリエイトを考えるうえで、特に重要なポイントです。
例えば、ある個人ブログが、「初心者におすすめのカメラ5選」という非常に詳しい記事を書いたとします。
AIがその記事を参考に、「初心者ならAかBがおすすめです」とユーザーに回答した。
ユーザーはその回答を見て、Aを購入する。
この場合、個人ブログの情報が購入の意思決定に貢献しているにもかかわらず、その人のサイトを訪問していなければ、アフィリエイト報酬にはつながりません。
つまり、「情報を作った人」と「顧客を獲得した人」が別々になる可能性がある。
従来は、この二つを同じサイトが担っていました。
AI検索は、この構造を分離する可能性があります。
●「まとめ記事」の価値が特に下がりやすい
では、どんなアフィリエイトサイトが影響を受けやすいのでしょうか。
典型的なのが、
「○○とは?」
「おすすめ10選」
「○○の選び方」
「AとBを徹底比較」
「初心者向け○○完全ガイド」
といった、ネット上の情報を整理・比較することを主な価値にしている記事です。
もちろん、こうした記事に価値がないわけではありません。
しかし、「情報を集める →整理する →比較する →分かりやすく説明する」という作業は、AIが非常に得意とする領域です。
AIが同じ作業を一瞬で行えるようになれば、人間が大量の記事を作って検索上位を狙う従来型のアフィリエイトは、競争が厳しくなります。
特に、他のサイトにも書いてある情報を少し表現を変えてまとめただけの記事は、差別化が難しくなります。
●AIで記事を量産すれば解決するわけでもない
ここで、「それならAIを使って自分も大量の記事を作ればいい」という発想が出てきます。
しかし、それでは根本的な解決になりません。
AIによって記事を大量生産できるようになれば、競争相手も同じように大量生産できます。
すると、「記事を作るコストが下がる →競合サイトも増える →一記事あたりの希少性が下がる →検索流入を奪い合う」という構造になります。
つまり、AIはアフィリエイターにとって便利な道具である一方、自分と同じ記事を作れる競争相手を大量に生み出す道具にもなるわけです。
●個人アフィリエイターに必要なのは「検索順位」だけではなくなる
これまでのアフィリエイトでは、「Googleで上位に表示されること」が非常に重要でした。
しかしAI検索が普及すると、「AIに情報源として選ばれること」も重要になります。
さらに、その先には、「AIでは代替できない理由で、その人のサイトを訪問してもらうこと」が重要になってきます。
ここで初めて、単なるSEOとは違う問題が出てきます。
「その情報を誰が発信しているのか」という問題です。
AIが一般的な情報を整理できるようになった世界では、単に「正しい情報を書いている」だけでは、個人サイトを訪問する理由が弱くなっていくからです。
では、AI時代に個人が持つべき価値とは何なのか。
その一つが、「誰が言うか」を価値に変えることです。
◆第四章 AI時代は「誰が言うか」が価値になる
●AIが「正しい情報」を作れる時代
AIが普及すると、情報発信の前提が変わります。
これまで個人が時間をかけて、「情報を集める」「比較する」「分かりやすく整理する」「文章にする」ことで作っていた記事を、AIなら短時間で作ることができます。
もちろん、AIが作る情報が常に正しいわけではありません。
しかし、少なくとも一般的な情報を整理し、読みやすい文章にすること自体の希少性は下がっていくでしょう。
そうなると、情報発信で重要になるのは、「何が書いてあるか」だけではありません。「誰が言っているのか」が重要になってきます。
●「情報」ではなく「発信者」そのものに価値を持たせる
例えば、同じ商品について、「この商品は○○という特徴があります」とAIが説明することはできます。
一方で、「私は実際に3か月使ってみて、ここは良かった。でも、ここはかなり不満だった」という話は、単なる一般論とは違います。
そこには、「実体験」「判断基準」「失敗」「好み」「価値観」「人間性」があります。
AIは一般論を作ることはできますが、その人が実際に経験した人生そのものを持っているわけではありません。
だからこそ、「専門性 × 実体験 × 個性」という組み合わせが、AI時代には重要な価値になります。
●「専門性」だけではなく「日常」もブランドになる
ここで面白いのは、ブランドを作るために、常に専門的なことを書き続ける必要はないということです。
例えば専門家が、「この問題について私はこう考える」という記事を書く一方で、
「今日は地域のイベントに参加した」
「この店に行ってきた」
「こんな失敗をした」
といった日常も発信する。
一見すると、本業とは関係ないように見えます。
しかし、読者からすると、その積み重ねによって、「この人はこういう人なんだ」という人物像が形成されます。
そして、人物像が形成されると、情報そのものではなく、「この人が言うなら読んでみよう」という関係が生まれます。
これが、AI時代における個人ブランドの強さです。
●noteというプラットフォームでも「人」をブランドにできる
この例として分かりやすいのが、京都府綾部市長の四方源太郎氏です。
もちろん、四方氏はアフィリエイターではありません。
ここで注目したいのは、noteという既存のプラットフォーム上でも、発信者本人を中心とした情報発信が成立するという点です。
政策や市政について詳しく書く一方で、地域での活動や日常的な出来事なども発信する。
すると、単に「綾部市長の政策を読む」という関係だけではなく、「四方源太郎という人物の発信を見る」という関係が生まれます。
これは、検索エンジンから一見さんを集める方法とは違います。
検索者が、「綾部市長」「四方源太郎」と、発信者そのものを目的に訪れるようになれば、検索アルゴリズムだけに依存しない接点を作ることができます。
アフィリエイトでも本質は同じです。
商品を探している人を検索から拾うだけではなく、「この人がおすすめするなら見てみよう」という状態を作る。
そのとき、発信者自身が集客装置になります。
●ただし、ブランディングには「アンチ」という副作用もある
ここには大きな落とし穴があります。
人間味を出せば出すほど、全員から好かれることは難しくなります。
無難な情報だけを発信していれば、大きな反感も買いにくい。
しかし、「自分の考え」「政治的な立場」「商品への好き嫌い」「社会に対する意見」「自分なりの判断」まで発信すれば、当然、それに反対する人も出てきます。
つまり、ファンを作ることと、アンチを作ることは表裏一体です。
これは四方氏のような政治家に限った話ではありません。
アフィリエイターでも、「この商品は絶対におすすめしない」「私はこのサービスを選ばない」といった明確な判断を発信すれば、共感する人がいる一方で、反発する人も出てきます。
しかし、万人に嫌われない発信を目指すと、逆に誰からも強く支持されない発信になりやすい。
AIが無難で平均的な情報を大量に作れる時代だからこそ、人間が発信する価値は、その人固有の判断や体験に移っていくと考えられます。
●これからのアフィリエイトは「サイト」ではなく「人」が入口になる
従来型のアフィリエイトでは、「検索ワード →記事 →商品」という導線が基本でした。
AI時代には、そこに別の導線が生まれます。
「人 →信頼 →記事 →商品」です。
この場合、ユーザーが最初から商品を探している必要すらありません。
普段からその人の発信を見ていて、「この人が使っているなら、自分も試してみよう」となれば、検索順位に左右されない購買行動が生まれます。
だからAI時代のブランディングとは、単に「有名になる」ことではありません。
自分自身を、情報の代替が難しい一次情報源にすること。
そして、その専門性や経験、人間味を通じて、「何を買うか」だけではなく「誰から買うか」という選択肢を作ることです。
ただし、ここまで読んで、「いや、自分は別にブランドなんて作りたくない。顔も名前も出さず、従来のようにアクセスを集めて稼ぎたい」という人もいるでしょう。
実は、その方法が完全になくなったわけではありません。
次章では、ブランディングに頼らず、AI時代でも刹那的にアクセスと広告収益を取りにいく方法を見ていきます。
◆第五章 ブランドを作らなくても稼げる──ただし「刹那的な地引き網」になる
●ブランディングだけが答えではない
ここまで読むと、「AI時代は自分自身をブランド化しなければ、アフィリエイトでは稼げないのか?」と思うかもしれません。
しかし、そうとも限りません。
・顔を出したくない。
・自分の思想や日常を発信したくない。
・特定の読者と長く関係を築くより、今ある需要を見つけて、その瞬間だけアクセスを集めたい。
そういう戦い方も残っています。
ただし、従来のSEOとは少し考え方を変える必要があります。
キーワードを狙って記事を大量に積み上げ、検索順位が上がるのを待つ。
これではAIによって検索結果そのものが回答になる時代に、以前ほど安定したアクセスを期待できません。
そこで必要になるのが、「刹那的な地引き網」という発想です。
●手法① SNSのトレンドを一気に拾う
一つ目は、SNSなどで突然発生する需要を拾う方法です。
例えば、
・テレビで紹介された商品
・突然話題になったサービス
・新発売の商品
・人気インフルエンサーが紹介した商品
・SNSで急激に拡散された商品
などです。
こうした需要には、検索エンジンが長期的に評価するサイトを作る必要がありません。
「今、検索されている」という瞬間に合わせて情報を提供する。
そして、検索者が購入や申し込みを検討しているタイミングでアフィリエイトへつなげる。
これはまさに、「需要が発生する →網を張る →アクセスを集める →需要が消えたら次へ移る」という地引き網型のビジネスです。
AIを使えば、トレンドの分析や記事・投稿の作成速度を上げることもできます。
ただし、同じことを考える人も多いため、競争も極めて激しくなります。
●手法② お金を払って検索者を取りに行く
二つ目は、SEOではなく広告そのものを使ってアクセスを買う方法です。
これは考え方がシンプルです。
検索順位を上げるために何カ月も待つのではなく、「広告費を払う →検索者を自分のページへ呼び込む →商品・サービスを紹介する →アフィリエイト報酬を得る」という方法です。
この場合、Googleなどの検索エンジンにとって広告は重要な収益源なので、AI検索が普及したからといって広告という仕組みそのものが消えるとは限りません。
むしろ重要なのは、「広告費1円に対して、いくらの報酬を回収できるのか」という数字です。
広告費よりアフィリエイト報酬が大きければ成立する。逆なら成立しない。
非常にドライな数字のゲームです。
そのため、ブランド力も長期的なファンも必要ありません。
必要なのは、「需要を見つける力 × 広告運用 × 成約率」です。
●手法③ AI検索に「情報源」として選ばれる
三つ目は、AI時代ならではの方法です。
これまでのSEOでは、「Googleの検索結果で上位に表示される」ことが重要でした。
これからは、「AIが回答を作る際に、情報源として参照される」ことも重要になります。
AIがユーザーの質問に回答するとき、Web上の情報を参照して、その根拠となるページを示すことがあります。
そのため、
・情報を明確に整理する
・事実と意見を区別する
・独自データを掲載する
・Q&Aなどで内容を構造化する
・AIが内容を理解しやすいページ構成にする
といった工夫によって、AI検索からの流入を狙う考え方が生まれます。
いわゆるGEO(生成AI検索最適化)です。
ただし、ここは誤解してはいけません。
「この書き方をすればAIに必ず引用される」という決まった攻略法があるわけではありません。
AIの検索・引用アルゴリズムは変化しています。
したがって、SEOと同じように、「攻略法を見つけたと思ったら、仕様変更で効かなくなる」可能性があります。
●刹那的な地引き網の最大の弱点
ここまで紹介した方法には共通点があります。
自分自身をブランド化しなくても成立することです。
その代わり、最大の弱点があります。
それは、自分でコントロールできない仕組みに強く依存することです。
・SNSのアルゴリズムが変わる。
・検索エンジンの仕様が変わる。
・広告単価が上がる。
・アフィリエイト報酬が下がる。
・AIの引用方法が変わる。
昨日まで有効だった集客方法が、明日にはほとんど機能しなくなることもあります。
つまり、「刹那的な地引き網」は、ブランドを作る必要がない代わりに、網を張る場所を常に探し続けなければならない」ということです。
●結局、二つの戦い方に分かれる
AI時代の個人アフィリエイトは、大きく二つの方向に分かれていくと考えられます。
一つは、自分自身をブランドにする方法。
専門性、経験、実体験、日常、人間味などを積み重ね、「この人が紹介するなら見てみよう」という信頼を作る。
もう一つは、ブランドを作らず、発生した需要を素早く刈り取る方法。
SNS、広告、AI検索など、その時点で最も効率の良い場所に網を張り、数字が合わなくなれば次へ移る。
前者は時間がかかります。
しかし、積み上げた信頼が資産になります。
後者は立ち上がりが速い。
しかし、環境が変われば、それまでの仕組みが一瞬で使えなくなる可能性があります。
だから、AI時代に「アフィリエイトが終わる」と考える必要はありません。
終わろうとしているのは、検索上位に記事を置いて、待っているだけでアクセスが流れてくるという、かつての分かりやすいゲームです。
これからは、「人を集める仕組みを自分で持つのか」それとも、「人が集まっている場所を見つけて、その瞬間に網を張るのか」という、より厳しい選択を迫られることになります。
◆追記 ネットの外に広告を出す──西野亮廣が語った「物理的な土地」の価値
ここまで、AI時代のアフィリエイトや広告について、検索・SNS・AI検索など、主にインターネット上での集客について見てきました。
しかし、最後に一つ、逆方向から考える材料があります。
お笑い芸人・絵本作家の西野亮廣氏が、テレビ番組「林先生の初耳学」で、映画の集客について語っていた話です。
西野氏は、映画『えんとつ町のプペル』などのプロモーションを考える際、ネット広告を出して、その広告を見た人が実際に映画館まで来ているのかを確認したところ、映画を観に来た人の中でも、そのネット広告を見た人は意外に少なかったという趣旨の話をしていました。
そこで、ネット広告だけに予算を投じるのではなく、街中の広告スペースなど、リアルな場所にポスターを掲示することにも広告費を振り向ける。
ネット広告なら、興味関心などを絞り込んで特定の人に届けられます。
一方、街中の広告は、
子どもも見る。
高齢者も見る。
映画に興味がなかった人も見る。
つまり、ネット上でターゲットを細かく絞り込むのとは逆に、物理的な空間を利用して、不特定多数に接触するわけです。
そして西野氏は、これからはインターネットという無限に広がる仮想空間だけを見るのではなく、現実世界の「物理的な土地」を確保することが重要になるという趣旨の考えを語っていました。
これは、今回の記事のテーマとも意外に相性が良い話です。
●AIによって「ネット上の情報」はさらに過密になる
AI時代には、ネット上で情報を作るコストがさらに下がります。
記事を書く。
画像を作る。
動画を作る。
広告文を作る。
比較表を作る。
こうした作業の多くをAIが支援できるようになる。
すると、ネット上には今まで以上の大量のコンテンツが流れ込みます。
つまり、「ネットという仮想空間そのものが、ますます混雑していく」。
そうなれば、ネット広告を出せば簡単に人の目に留まる、とは限りません。
広告を出す側も増える。
コンテンツも増える。
AIが情報を要約する。
ユーザーは広告を見ずに回答だけ得る。
結果として、ネット上で「目立つこと」そのものの競争が激しくなる可能性があります。
●だから「リアル」が逆に希少になる
ここで重要なのが、物理空間です。
・駅の広告。
・街中の看板。
・店舗のディスプレイ。
・イベント会場。
・電車内のポスター。
・街頭ビジョン。
こうしたものは、AIが生成してネット上に無限に増やすことができません。
現実の土地には限りがあるからです。
駅の広告スペースは限られている。
街中の一等地も限られている。
人通りの多い場所も限られている。
だからこそ、ネット上の情報が爆発的に増えるほど、逆に現実世界の希少な接触場所の価値が上がるという見方ができます。
●これはアフィリエイトにも応用できる
もちろん、個人アフィリエイターがいきなり駅の看板を買う必要はありません。
重要なのは、発想です。
これまでのネット集客では、「検索される場所に記事を置く」ことが基本でした。
AI時代には、「AIが答えを返す前に、自分のサイトへ来てもらう」という発想も必要になります。
そして、そのためには必ずしもネットの中だけで戦う必要はありません。
例えば、リアルなイベントやコミュニティ、店舗、地域活動などを通じて人と接点を作り、そこからオンラインにつなげる。
あるいは、ネット上ではAIに埋もれてしまうような情報でも、現実世界で人間同士の接点を作ることで、その人自身への興味を生み出す。
これは第四章で取り上げた、「情報」ではなく「誰が発信しているか」に価値を持たせるというブランディングともつながります。
●ネット広告か、リアル広告かではない
もちろん、ネット広告が不要になるという話ではありません。
ネット広告には、
・誰に届けたのかを測定しやすい
・細かくターゲティングできる
・少額から始められる
という大きなメリットがあります。
一方、リアル広告には、
・ネットを普段あまり使わない人にも届く
・意図して検索していない人にも届く
・現実の生活空間で繰り返し目に入る
という強みがあります。
重要なのは、どちらが優れているかではありません。
AIによってネット上の情報と広告が過密になっていくほど、「ネットではない場所に、人間の注意が残っている」という視点を持っておくことです。
西野氏の「物理的な土地」という発想は、単なる映画宣伝の話ではありません。
AIによって情報を作るコストが限りなく下がっていく時代に、逆に希少になるものは何なのかを考えるための、一つのヒントになるのではないでしょうか。

