見出し画像

ジャズメタル 5選

〜 ジャズとメタルの融合 〜


引き続き、「ギター音楽の視点」から現代ジャズを紹介していきたいと思います。

前回も書かせて頂いた通り、
現代ジャズを理解するには、ある程度、”ジャズ以外”の音楽も把握してないと、現代のジャズを理解するのは難しいのかもしれません。例えば、ジャズロックは、ロックを知らないと理解できないし、ジャズファンクはファンクを知らないと理解できない、という風に。だからこそ、本当の意味で「ジャズを理解するためには、ジャズだけを聴いてちゃ本当のジャズは理解できない」というのが、持論です。

かつて、ある大物ジャズメンが「ジャズの伝統は、常に新しいものを取り入れて進化し続けたこと」と語った通り、様々な音楽要素が、その都度、混じり合い融合して、ジャズは進化してきたのです。決して先人たちが作った道筋をただなぞることが伝統ではなく、常に挑戦し続ける姿勢こそが、ジャズの歴史を作ってきたのです。


ということで、
今回は、ジャズメタルです。

これはもう説明不要ですね。そのまんまです。ジャズとメタルの融合です。逆にメタルジャズとも呼ばれたりもしますが、はっきり言ってどっちでもいいんです。ジャズにメタルの要素があったり、メタルにジャズの要素があったり…どっちがどうとか、そんな細かいことはさて置き。

このジャンルは意外とたくさんあって、ジャズ史を遡ってみてもフュージョンやクロスオーバーの中にも、その原型のような音楽要素はあったような気がします。例えば、ハードロックとジャズが融合したような、マハヴィシュヌオーケストラとか、ラリーコリエルとか、アランホールズワースとか… そして、その延長線上にあるのが、ハードフュージョンとか、ハードコアフュージョン、プログレッシヴフュージョンなどと呼ばれたりしますが、ある意味、その辺りもジャズメタルと紙一重な気がします。


とりあえず、聴いてもらうのが手っ取り早いでしょう。




ということで、1枚目はこちら!



Panzerballett / X - Mas Death Jazz

天才的センスのギタリスト、ヤンゼーレフェルト率いる独産ジャズメタルバンド、Panzerballett(パンツァーバレット)の2017年、まさかのクリスマス作品集。お馴染みのクリスマスソング「White Christmas」や「Let It Snow」、ワムの名曲「Last Christmas」等を、ザッパのような複雑さとユーモア&テクニカルなパワーで、通快&超絶な一筋縄ではいかない唯一無二のユニークなクリスマス・アルバムに仕上がっている。スウェーデンの超絶変態ギタリスト、マティアスエクルンドが2曲でゲスト参加。






2枚目はこちら!



Greg Howe / Sound Proof

名門シュラプネルからデビューし、サイモンフィリップスの「Protocol」シリーズにも参加していた技巧派ギタリスト、グレッグハウ。本作は、名門「Tone Center」レーベルに残した2008年作品。前作のデニスチェンバーズ(ds)とヴィクターウッテン(b)というジャズ最高峰リズム隊と組んだ「Extraction」から5年後に発表されたソロアルバム。スティーブヴァイにも通じる圧倒的なギターテクニックと、様々な音楽要素を取り入れたバラエティ豊富な楽曲群。どことなく漂う大人の余裕と、吹っ切れた爽快感が同居する。






3枚目はこちら!



Art Metal / The Jazz Raj

ジョンマクラフリンとも共演歴のある北欧が生んだ超絶ベーシスト、ヨナスエルボーグ、そして超技巧的個性派スウェーデン出身のギタリストのマティアスIAエクルンド、インドを代表するジャズドラマーのランジットバロットによるギタートリオの2014年作品。収録曲は、たったの2曲だけだが、それぞれ組曲のような内容になっていて、永遠にインプロヴィゼーションが淡々と続くが、これが決して難解でなく、非常に聴きやすくて、飽きさせない3者の固定観念に囚われないトリッキーかつユーモアセンス抜群の唯一無二の革新的ギタートリオ演奏が聴ける。





4枚目はこちら!



Shawn Lane / The Tri-Tone Fascination

かつてアランホールズワースやポールギルバートから賞賛されるも、惜しくも2003年に早世した伝説の速弾きモンスター超絶ギタリスト、ショーンレイン。本作は、日本デビューアルバムとなる2000年作品。メタル一辺倒ではなく、ジャズ/フュージョン方面にもアピール出来る内容で、速弾きギターテクニックのみならず、質の高いアレンジや作曲能力の高さにも、改めて注目してほしい。ジミヘンの名曲「Peace In Mississippi」やバッハの「Epilogue」等のカバー収録。
彼もまた↑上で紹介したベーシストのヨナスエルボーグとのユニットでジャズ的アプローチのアルバムを何枚も残してるので、そちらも併せておすすめしたい。







5枚目はこちら!



The Aristocrats / Culture Clash Live

元エイジアやGPS、ソロ活動、そしてジャズオーケストラとも共演し、幅広く活動する英国出身の超絶ギタリスト、ガスリーゴーヴァン。本作は、ブライアンベラー(B)、マルコミンネマン(DS)という当代超一流ミュージシャン達によって結成されたジャンルを超えた超絶技巧インストギタートリオの、2014年に世界各地で行ったツアー音源から選曲されたライブ・アルバム。彼のように型破りで自由なギターテクニックや、常識にとらわれない幅広い音楽性こそ、全てのギタリストは見習ってほしい。






いかがでしたでしょうか?



まさに、これぞ現代ジャズの潮流の一つと言えるかと思います。


なぜか昔からジャズギターの世界には御法度とされてきた暗黙のルールがあった。アームはダメ、タッピングはダメ、カッティングも、スウィープも、ボトルネックも、ハーモニクスも、ワウも…、歪系エフェクトはダメ、音色はクリーンでなきゃダメ、大音量はダメ、スウィングしなきゃ意味がない(笑)とか…本当にバカバカしい、そんな間違ったくだらないルールは今すぐ捨てほしい。まるで昭和の時代「部活中に水を飲んだらダメ」みたいな、間違った常識に似てますよね?それまで培ったロックギタースタイルを決して封印する必要はないのです。

現代のギターテクニックを、ジャズに応用して何が悪い?

最先端のサウンドや音楽理論をジャズに取り入れて何が悪い?

いや、悪いわけがありませんよね?


寧ろどんどんやるべき。決して後ろ向きになる必要はない。

現代ギターのテクニックはもちろん、リズムもサウンドも何でもあり。自分の才能を小さくまとめる必要はないのです。現代ならではのテクニックやサウンドを駆使してこそ、本当の意味で「現代ジャズギター」と言えるのだから。


ということで、今後も引き続き、現代ジャズを「ギター音楽の視点から」紹介していけたらと思います。

ご覧いただき、ありがとうございました!!


いいなと思ったら応援しよう!