バカ大前薬局 ー「バカにつける薬、くださーい」
バカ大前薬局
「バカにつける薬、くださーい」
欲しかったんですねぇ、えー、バカにつける薬です。
「やはり、自分で使うんですか、そうですよねぇ」
いえいえご心配なく。余ったら、自分に使ってもいいんですが、(えー、かなり覚えもありますしね)でもねぇ、貴重なもんだと聴いていますんで、わたくしなぞは優先順位のずーっとずーっと下、急ぎの人たちは他にたくさんいます。
「どこで手に入れるんですか」
えーと都のニシキタにある大学の脇にある薬局だそうで。
「ニシキタ、ニシキタ、ニシキタ、えー、それはせいほく、西北のことですよね」
そー読むんですか。
「なるほどねぇ、バカ田大の隣」
えー、あちらは患者が多いらしくて。研究が進んでいるようです。
○
ピンポーン。
「はーい、バカ大前薬局です。なにをお求めでしょうか」
バカにつける薬です。こちらにしかないと聞いて来ました。
「はい、はい、すぐにご用意できますが、その前に簡単な説明と問診をさせてください。よろしいですかー」
バカに早くはならないんですね、はい。
「少し長いですよ。行きますよー。バカには二系統あります。
①リコウバカと、その反対の②バカリコウです」
違うんですか。
「えー明らかに違うんです。処方を間違えると大変なことになります」
「①リコウバカというのは、リコウな人がバカなことを言いだすという症状。
『ウンの良い議員』という方いらしゃいましたよね、あの方は完全にこちら。頭はいいんでしようが、それより欲望が勝っているんですね。
欲望があらぬことを言わせるんです。欲望が生み出すヤマイなんですよ。
これはねぇ、性的欲望と一体のものと思われ、なかなか治りません。欲を散らす薬ということなんですが、本人が納得しない。
『ウンの良い議員』、あの方も納得していなかったでしょう。あの態度ですよ。カラダ全体で、不満そうでしたでしょう」
難しいもんですねぇ。
「この人たちは本当に難しい。
病識のないバカは手の打ちようがないと精神科の医師は申します。なにより治療を拒止しますからね。病識を持っていただくことにつきますが、この説得はなかなか成功しません。でも説得でそこそこは抑止できるんです」
リコウバカの方の自尊心を損なわないように、抑止するということですか。
「もうひと系統の②バカリコウですが、バカな人がリコウなことを言おうとして起きるトンチンカンですね」
こちらも実例、ありますか。
「ありますよー、『お米を買わない人』が良い実例ですね。あの方、言うことのほとんどが手遅れなんだけど、本人はいいことを言っていると思っているからバカげています」
「お米を安くする…それはおかしい、法律に沿ってやりましょう、と公言したのですね。本人、いいことを言ったつもりだろうけど元々が間違っている」
「この人たちは簡単、『ダマッテロ錠』を口に含ませればとりあえずは収まります」
「あとは人により、リコウなことを言おうコンプレックスを取り払う治療ですね、はい」
○
「以上なんですが、①リコウバカには『抗ムラムラ系』の薬品が投与されます。②バカリコウには、もうお話ししましたが『ダマッテロ錠』がきわめて有効な薬品ですね。
あと体質改善薬として、宿便取りの『ベントール』と並んでヒットしているのが、兄弟薬で宿バカ取りの『バカトール』です」
ありがとうございます。いろいろ弁当ではなくて、勉強になりました。
「お話しさせていただいているうちに、お薬のご用意ができました。お会計の前ですが、特別プランがありまして。
実は、ただいま記念セール中で、バカ大の校歌を斉唱いただくと1,000ポイントのボーナスがつきます」
や、や……ってみるか、なあ。
「そうですか、おやりなりますか。では、歌詞カードです」
みやこの西北 ワセダのとなり
のさばる校舎は われらが母校
われらのノーミソ タリラリランよ
先生もドアホで 授業はパアでも
社会はまねくよ われらが頭脳
かがやくわれらの バカぶりみろよ
バカ田 バカ田 バカ田 バカ田
バカ田 バカ田 バカ田
パチ、パチ、パチ、パチンコー。
「ハーイ、結構でございました。どうぞお大事に人生をお過ごしいたしますように。バカにつきましては、
バカは死んでも治らない。
バカは死ななきゃ治らない。
と2説ありまして、これが未だ定まらないところです。ぜひ、その折には、ご一報くださいますようお願いいたします。治ったかどうか、ご本人よりの連絡です」
本人ですか?
「えー、できましたら、ご本人のご連絡が確実でありがたいのですが、よろしくお願いします」
(注:バカ田大校歌、作詞は赤塚大先生です)
