AI時代の実務に欠かせない不正競争防止法|AIに関する法律と契約#5
不正競争防止法
AI活用においては、特許法や著作権法だけでは十分にカバーできない領域が存在します。
その“隙間”を実務的に埋める役割を果たしているのが、不正競争防止法です。
不正競争防止法は、
「創作物そのもの」を守る法律ではなく、
事業活動における公正な競争秩序を守ることを目的としています。
そのため、AI時代においては、特許・著作権と並ぶ重要な補完的ルールとして位置づけることができます。
営業秘密とAI学習データ
不正競争防止法でまず重要になるのが「営業秘密」の概念です。
営業秘密として保護されるためには、次の3要件を満たす必要があります。
秘密として管理されていること(秘密管理性)
事業活動に有用な情報であること(有用性)
公然と知られていないこと(非公知性)
AI分野では、次のような情報が営業秘密に該当し得ます。
学習用の独自データセット
データの前処理方法
モデル構成やチューニングノウハウ
学習済みパラメータ
これらは、著作権のように「創作性」を要求されるわけではありません。
事業上の価値があり、適切に管理されていれば保護対象になる点が、不正競争防止法の大きな特徴です。

特許・著作権との使い分け
AI関連情報の保護を考える際には、次のような使い分けが基本になります。
技術的思想として公開し、独占したい → 特許法
創作的な表現を守りたい → 著作権法
公開せず、競争力の源泉として管理したい → 不正競争防止法(営業秘密)
AI分野では、
「特許にするほどではないが、流出すると致命的」
という情報が非常に多く存在します。
その多くは、不正競争防止法による保護を前提に、社内管理や契約で守られています。
肖像・声・生成AIと不正競争防止法の位置づけ
近年、生成AIの発展により、肖像や声といった人格的要素の利用が問題になるケースが増えています。
日本には、パブリシティ権を明文化した法律は存在しませんが、
実務上は、不正競争防止法の枠組みで対応される場面があります。
経済産業省の整理(※)によれば、生成AIによる肖像・声の利用については、次の不正競争行為に該当し得るとされています。
周知表示混同惹起行為(第2条1項1号)
著名表示冒用行為(同2号)
誤認惹起行為(同20号)
信用毀損行為(同21号)
判断にあたっては、
肖像・声がどの程度「周知・著名」か
商品やサービスの出所表示として使われているか
利用態様が広告・販売促進に該当するか
といった点を、個別具体的に評価する必要があるとされています。
生成AIを用いた肖像・声の具体例
たとえば、次のようなケースです。
生成AIで特定人物の肖像を用いた画像を作成し、販売する
有名人の声に酷似した音声を生成し、商品や広告に使用する
これらは、著作権侵害には当たらなくても、
不正競争防止法上の問題となる可能性があります。
重要なのは、
「作品をコピーしたか」ではなく、
その人物が持つ顧客吸引力を、不当に利用していないか
という視点です。
AI時代における不正競争防止法の役割
不正競争防止法は、
特許や著作権では守りきれない領域
AIによる模倣・代替・便乗が起きやすい領域
をカバーする、極めて実務的な法律です。
AI活用においては、
どこまで公開するのか
何を秘密として管理するのか
人の信用・ブランド・顧客吸引力を侵害していないか
といった点を、最初から設計に組み込む必要があります。
不正競争防止法は「最後の砦」ではなく、
特許・著作権と並行して使う前提の法律だと理解することで、
AI活用のリスクはより立体的にコントロールできるようになります。
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※参考資料:「肖像と声のパブリシティ価値に係る現行の不正競争防止法における考え方の整理について」(経済産業省経済産業政策局知的財産政策室、2025年)
免責事項
・本記事は生成AI(ChatGPT等)を活用して執筆しています。内容の正確性・最新性には十分配慮しておりますが、誤りや古い情報が含まれる場合があります。ご利用・ご判断はご自身の責任でお願いいたします。万一、著作権等に問題がある場合はご連絡ください。
