読書記録|山野辺太郎「大観音の傾き」
フォローしているnoterさんの記事を読んで、宮城県民として興味津々で手に取る。
仙台市に実在する観音像を題材にした、架空の物語。
震災から8年後の仙台が舞台。
主人公は、観音像の近くに勤める公務員。
震災を体験していないが故か、あれこれ重く受け止めたり悩んだりする。
そんな風に気持ちを寄せてくれて、こんなに宮城に尽くしてくれて。それだけでいいんだよと言ってあげたくなる。
観音さまがつぶやくモノローグ、登場人物の言葉。所々に出てくる仙台弁が温かくて、地元民にはうれしい。
物語中に出てくる、造成を中止され打ち捨てられた「花咲ヶ丘ニュータウン」。モデルはあるんだろうか。なんとなく気になった。
あくまで架空の話で突拍子もない描写も出てくるのに、とことんリアル。
淡々と理知的なのに、寄り添うように優しい。
そんな持ち味が魅力的な作家さんだと思った。
