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読書感想「こうしてぼくらはデビューした」#文学フリマで買った本

文学フリマ東京41(2025.11.23開催)で購入した本のレビューを掲載します

こうしてぼくらはデビューした ―小説新人賞 七つの道―

著者 わんにゃん堂
(犬塚理人 井上ねこ 越尾圭 京橋史織 斉藤詠一 酒本歩 辻寛之)

新人賞を受賞しプロとして活躍する作家の方々が執筆した、デビューまでの道のり。

文学賞に挑戦するアマチュア作家に編集者の助けはなく、自分で作品を客観的に読み推敲しなくてはなりません。
当然ながら、どんな賞を受賞した人でもそこは同じ。
デビューした方々がいかに作品をブラッシュアップしたか、その方法がそれぞれに書かれていてとても参考になりました。

他なるほどと思ったのが「執筆のリズム」。
応募する賞を決めてスケジュールを組み、執筆のリズムを作ること、書き終わったら次に着手すること。
おのずと「応募した賞の結果を知る時は、次の作品を書いている」状態になる。
残念な結果に終わった時、次作を書いているとだいぶ精神的に楽なんですよね。。そういう意味でも取り入れたいです。

私はミステリー小説ではなく、エンタメと純文学の中間のようなものを書いています。
著者の先生方は皆さんミステリー作家で、ふと、純文学系の作家の方の取り組みはどうなのだろうと思いました。

でも純文学ジャンルの新人作家は、比較的若い人が多い印象です。
本書の執筆陣は、皆さん社会経験を積んだ大人世代の方々。
仕事や家庭など社会的役割をつとめながら執筆に向き合う「大人世代」には、この本が文学のジャンルにかかわらず参考になるのではないでしょうか。


こうしてぼくらはデビューした 2 実践編

著者 わんにゃん堂
(稲羽白菟 犬塚理人 井上ねこ 越尾圭 斉藤詠一 酒本歩 白木健嗣 辻寛之)

「2」は、作品をつくる上でより実践的な話が書かれています。
やはりミステリーを書かれる方々はすごい。アイデア出し、トリック作りなど、普段ボーッと過ごしがちな私にはなかなか気づかないことだらけでした。

舞台・設定などのリアリティの追求について書かれた、斉藤詠一さんの項の最後で
「読者がもっとも気にする部分は、登場人物の行動や感情のリアリティ」
と書かれていたことが印象に残りました。小説のジャンルを問わず、やはり大事なのはそこなのだなと。

辻寛之さんの「創作という病」というエッセイがとても面白かったです。
作品を書き上げ自分の作品を過大評価した末、落選に愕然としたり……私も身に覚えがあり苦笑してしまいました。
見事受賞して以降のお話は未知の世界、しかしそこもまた険しい世界なのだなと。
しかしその苦しさを「それが生きている証でもあり、生存の証明でもあります」と言い切る著者に、希望を見るような「自分はそこまでは」としり込みしてしまうような。
でも書くことにはやはり、それほどの取り憑かれるような魅力があるのですね。


プロの作家となったもともと能力の高い方々が皆、それに上乗せして本当に努力したのだなということがよくわかる。
それだけでなく、どのように努力したのかまでが惜しげもなく語られている。
とても貴重な二冊でした。


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