読書記録|辻村深月「傲慢と善良」
2024年に映画化された本作。
結婚間近の架の前から、婚約者の真実が突然姿を消す。ストーカーに悩まされていた真実を案じ、架はその行方を必死に探す。
架が真実の行方を追う第一部。彼女が向き合ってきた婚活の話を様々な人から聞き、架の知らなかった彼女の姿があらわになる。「いい子」と表裏一体の主体性のなさ世間知らずさ、そこに意識せず宿る傲慢さ。
真実のそんな姿を知る過程で、婚活を経て真実と出会った架もまた、自身の傲慢さを突きつけられる。
架が出会う人たちの語りが、鋭いを通り越してえぐるようにグサグサ突き刺さり、いたたまれなくなる。「もうやめてくれ」と思いながら、ページをめくる手が止まらない(常套句だけど、本当にそう 笑)
巻末の朝井リョウの解説に「何か・誰かを"選ぶ"とき、私たちの身に起きていることを極限まで解像度を高めて描写する」と書いてあり、あーまさにそれだ、と思った。
真実の足取りをたどる第二部は第一部から大きく空気が変わり、救いと解放感がある。でもこれも、第一部で極限までえぐられてこその解放感。
とかなんとか翻弄されつつ、一気に読んだ。
とても面白かった。
