光と影と「切なさ」の法則
・素人物書きの、個人的な見解です
・放送中の朝ドラ「あんぱん」のネタバレ(6月放送分あたりまで)を含みます
小説や映像作品をみてどんな時、切ないなぁと感じますか。
私は、「光」と「影」が対比されている物語にふれると、心を揺さぶられてしまいます。
物語の中で、強く心をひかれる「光」が描かれて、それに対比する「影」(闇)が描かれる。
例えば、放送中の朝ドラ「あんぱん」。
石材店を営むヒロインのぶ(今田美桜)の実家で住み込みで働く豪(細田佳央太)。
若く精悍で、仕事に一途で真面目。親方であるのぶの祖父の信頼も厚い。のぶの妹(河合優実)とは秘められた恋仲でもある。
主人公嵩(北村匠海)の弟、千尋(中沢元紀)。
やや線が細くて頼りない嵩とは違って頑丈な体を持ち、しかも成績優秀で心優しい。
「弁護士になり、世の中の困窮した人を救う」
という志を持ち京都の大学に進学する。
……こんな豪と千尋が、どちらも戦死してしまうんですね。
逞しい体を持ち、まっすぐな志を持った若者。圧倒的な「光」です。
それが、死という絶望的な「影(闇)」で覆われる。
観ている者は大きく心を揺さぶられる、というかまぁ泣けてきますよね😭
ドラマの序盤、いきいきとした豪や千尋のことがたっぷり描かれていたから、余計に。
「あんぱん」は単純なお涙頂戴ではなく、戦時中の今まであまりなかったような描写も多く、戦争についてすごく考えさせられるドラマだということはつけ加えておきます。。
「光」は「明るさ」でもいいんですが、それよりも「力」だと思います。
生命力、若さ、聡明さ、困難を乗り越える力強さ。それらが圧倒的な「光」になります。
それと対比する「影」。
「影」=死ぬ、というのは王道ですが(そう言うと何か軽薄ですね)
他にも例えば、輝かしい活躍をする主人公(光)には実は、その活躍を楽しみにしている病気の妹(影)がいるとか。
若い頃華々しい活躍をした人物(光)が、今は年を取って衰えてしまった(影)とか。
思うのは、「あんぱん」のように
「光」の描写が印象的であればあるほど、共感できる
のですよね。長くなくていいけど、とにかく印象的であること。
例えば「闘病もの」の名作「世界の中心で、愛をさけぶ」
(例が古くてすみません💦さすが映像音痴)
若くて眩いばかりに美しい長澤まさみ(or 綾瀬はるか)が印象的だからこそ、病魔におかされていく所が切なくて悲しいんですよね。美しさも強大な「力」だと思います。
……もちろん、こういう「光」(力)が描かれていない作品がダメだということでは決してないんです。
あくまで、より多くの人の共感を呼びやすい作品はこうだよね、という話で。
「光」があまり描かれず終始「影(闇)」、という作品でも名作は多いと思います。それらは「この闇を生み出す社会の病理はなんだ」等々考えさせられるようなジャンルのものかもしれません。
なぜこんなことを考えるようになったかというと。
私が若かりし頃公開された、「ダンサーインザダーク」という映画がありまして。
アイスランド出身の有名ミュージシャン・ビョークの主演で話題になったんですね。
周囲から
「とにかく切なくて悲しかった」
「上映中、もうずーっと泣いていた」
等々、「全米が泣いた」級の感想を聞いて観に行ったのですが……私はダメだった。。
観たのが四半世紀前なので、ストーリーは覚えていないのですが。私の記憶だと、「光」がほぼなくて、終始ずっと悲しかった。
で
「ずっと悲しい作品って、案外悲しくならないな」
と思ったんですね。
多分当時は若くて人生経験も共感力も足りず、理解できなかったのかもしれません。悲しい中にも親子愛は描かれていた気がするので、今ならそこに共感できるのかな。
また観てみればいいのですが、この映画、手持ちカメラで撮られているのか手ブレがすごかったんですよね。開始半分も経たないうちに私はすっかり酔ってしまい、後半は映像をみられず字幕だけチラ見して筋を追っていました。(乗り物酔いしやすいんです……)
というわけで体調を崩すの必至なので、再視聴はできないのですが💦
実は「社会の病理を考えさせられる」系の名作だったのかな。
「全米が泣いた」的あおりをされて観たもので、違うじゃん!と思ってしまったんです。そういうキャッチーでない方向性の名作だったのかも……しれません。
この映画が好きな方はごめんなさい。私にとってもこういうことを考えるきっかけになったという意味で、とても重要な作品ですね。
物語を作る時、多くの人の共感を得るキャッチーなものにしたいのなら、「光」と「影」を対比させるのが有効なんだ、と。
でも
自分で小説を書くとき、さぞかしそれを生かせるのだろうね!
……ときかれたら、決してそうではないんです😭
もともと書きたいテーマやストーリーがあるし、「そんなベタに振ってたまるか!」みたいないらない(?)プライドも出てきちゃう。
今後ストーリー作りに迷走した時の自分への戒めとして、自説をコソッとここに置いておきます……
