自分あらば「好き」語り・その41──サブウェイ
サブウェイのサンドイッチが好きです。
「大好物ですか」と問われると、少し考えてしまいます。毎日でも食べたいという熱狂があるわけではありませんし、行列に並んででも食べたいという衝動があるわけでもありません。しかし、街で緑と黄色の看板を見かけると、ほっとします。「ああ、ここにはサブウェイがある」と思うだけで、ひとつの選択肢が確保されたような安心感があるのです。

私にとってサブウェイは、「ちょうどよい」ファストフードです。重すぎず、軽すぎず。健康を意識しつつも、きちんとお腹を満たしてくれる。そのバランスが、いまの自分の生活にしっくりきています。
出会いは2014年、体重と向き合った頃
サブウェイとの出会いは、2014年ごろだったと思います。
当時、妻は専業主婦でした。毎日の食事を丁寧に作ってくれ、私はそれを楽しみにしていました。手料理はおいしく、しかも量も十分でした。幸せな時間だったのですが、気づけば体重は右肩上がり。気がついたときには、かなりしっかりと太っていました。
ダイエットは必要だと思いました。しかし、不健康な痩せ方はしたくありませんでした。極端な糖質制限や、食事を抜くようなやり方ではなく、持続可能で、できれば生活の質も下げない方法がよい。そう考えていた頃、会社が移転しました。
移転先の近くに、サブウェイがありました。
それが、私とサブウェイの本格的な出会いです。

半年で10kg──歩くことと、サンドイッチ
会社の近くにサブウェイがある。これは私にとって、ちょうどよいきっかけになりました。
昼食をサブウェイにする。ついでに少し遠回りをして歩数を稼ぐ。そんな小さな習慣を積み重ねました。特別なことはしていません。毎日サブウェイというわけでもありません。ただ、「きょうはサブウェイにしよう」と思える日を増やしていっただけです。
結果として、半年ほどで10kg近く体重が落ちました。
もちろん、サブウェイだけの効果ではありません。歩くようになったことも大きいでしょう。しかし、昼食の選択肢としてサブウェイがあったことは、間違いなく支えになっていました。
ファストフードでありながら、どこか健康的な印象がある。野菜をしっかり摂っているという感覚がある。それが、心理的にも助けになりました。
「野菜上限で」の一言
サブウェイの魅力のひとつは、オーダーの楽しさです。
パンを選び、具材を選び、野菜の量を指定し、ソースを決める。その工程は、ちょっとした儀式のようです。実際のところ、私はそこまで凝ったカスタマイズをしているわけではありません。ベースはだいたい決まっています。BLTか、サラダチキン。気分によってはローストビーフなどに浮気することもありますが、基本はそのあたりです。
野菜は「上限で」とお願いするのが常です。最近はセルフレジの店舗も増え、画面で「野菜多め」を選択できるようになりました。あのボタンを見ると、つい押してしまいます。むしろ押さない理由が見つかりません。
レタス、トマト、オニオン、ピーマン、そしてたまに入れるアクセント野菜のオリーブ。シャキシャキとした食感が重なり合い、パンのやわらかさとコントラストをつくります。野菜をしっかり食べているという実感は、満足感につながります。
ときどき、有料トッピングを追加することもあります。アボカドを足したり、チーズを増量したり。小さな贅沢です。普段は堅実でも、たまには遊び心を持ちたくなる。その余地が用意されているのも、サブウェイのよさだと思います。
「サラダをゆっくり食べる余裕はない」日に
忙しい日の昼休み。お腹は減っている。しかし、時間は限られている。そんなときに、サラダをゆっくり食べる余裕はありません。けれども、たとえばハンバーガーとポテトだけで済ませると、どこか罪悪感が残ります。
そんな日に、サブウェイはちょうどよい存在です。パンに挟まれているとはいえ、しっかり野菜を摂ることができる。しかも、きちんと腹持ちがよい。サラダ単体では物足りないけれど、サンドイッチなら満たされる。そのバランスが絶妙です。
「お腹は減った。でも、野菜も摂りたい」。そのわがままを、無理なく叶えてくれるのがサブウェイです。
カロリー表示という安心感
私がサブウェイを好きな理由のひとつに、「カロリーが分かりやすい」という点があります。
メニューごとにカロリーが明示されている。パンやトッピングによって変わることも、ある程度見通せる。完璧に管理しているわけではありませんが、「だいたいこれくらい」という目安があることは大きなメリットです。
ダイエットをしていた頃、その数字は心強い味方でした。いまは当時ほど厳密に気にしているわけではありませんが、それでも数字があるというだけで安心します。
健康的「そう」ではなく、ある程度の根拠が示されている。そこに、サブウェイらしさを感じます。
妻へのおみやげ
サブウェイは、自分のためだけのものではありません。
仕事帰りに、妻の分も買って帰ることがあります。紙袋を手に持ち、少しだけ誇らしい気持ちになります。「今日はサブウェイだよ」と言うと、妻も素直に喜んでくれます。
家で並んでサンドイッチを食べる時間は、どこか穏やかです。外食でもなく、完全な手料理でもない。その中間のような立ち位置が、ちょうどよい距離感をつくってくれます。

閉店時間と、店舗の少なさ
不満がないわけではありません。
勤務先の近所には、サブウェイがあまり多くありません。しかも、閉店時間が比較的早い店舗が多い印象です。「今日はサブウェイにしよう」と思ったときに、すでにシャッターが下りていることもあります。
そのたびに、少しだけがっかりします。ファストフードの中では、数が多いとは言い難い存在です。だからこそ、見つけたときの安心感が大きいのかもしれません。
願わくば、職場のすぐ近くに一店舗、できてくれないものでしょうか。昼も夜も、気軽に立ち寄れる場所にあれば、私はきっと足繁く通うと思います。
ワタミ買収のニュースと、少しの不安
最近、サブウェイがワタミに買収されたというニュースを目にしました。
正直に言えば、少し不安になりました。サブウェイらしさが失われてしまうのではないか。過度にメニューが変わってしまうのではないか。そんな心配が頭をよぎりました。
しかし、最近いくつかの店舗に入ってみると、印象は悪くありません。内装がきれいになり、注文の導線も整えられている。それでも、サブウェイらしさは残っています。あの緑の世界観と、野菜が並ぶカウンターの風景は、きちんと継承されています。
変わることと、失うことは違う。そう思わせてくれる店舗体験でした。
熱狂ではなく、安心
私は、サブウェイを熱狂的に愛しているわけでは……、ありません。
しかし、生活の中にサブウェイがあることは、大きな意味を持っています。健康的なファストフードが選べるという安心感。カロリーを把握できるという安心感。野菜をきちんと食べたという満足感。
それらが積み重なって、私の「好き」を形づくっています。
2014年、体重と向き合ったあの頃から、サブウェイは私の味方であり続けています。劇的な存在ではありませんが、静かに支えてくれる存在です。
これからも、きっと私は「野菜多めで」と注文するでしょう。そして、ときどきアボカドを追加しながら、ほどよい健康と、ほどよい満足を楽しんでいくのだと思います。
サブウェイがある街は、個人的に、少しだけ安心できる街です。願わくば、その安心が、これからも続きますように。

