【📚指針ノート②】里山でのログハウスに子どもと暮らしたい理由 ──『アウトドア育脳のすすめ』を読んで
これまでの章では、なぜ僕がこの東京の西側の里山エリアの土地を選び、BESSの「カントリーログ」という住まいに惹かれたのかを、自分自身の記憶や価値観を辿りながらお話ししてきました。
今回はその流れから少し寄り道して、最近読んだ1冊の本についての記事を残しておこうと思います。
『アウトドア育脳のすすめ 脳科学者が教える!子どもを賢く育てるヒント』(山と溪谷社)
著者の瀧靖之さんは、16万人もの脳のMRI画像を見てきた脳科学者で、本書では子どもの「脳の力」を伸ばす方法として、野外遊び=アウトドア体験に焦点が当てられています。
運動・好奇心・コミュニケーションという3つの要素が子どもの脳の発達に欠かせず、自然のなかにはそのすべてを育む要素が詰まっていると説かれている本です。
この本を読んだのは、BESSに出会う少し前のことでした。
これからどんな暮らし方をしていきたいのか、まだ漠然と模索していた時期に出会った1冊です。
読み進めるうちに、自分が求めている暮らしの輪郭が、少しずつはっきりしていくのを感じました。
そして実際にBESSやこの土地に出会ったとき、「ああ、あのとき本で描かれていた暮らしが、ここにはあるかもしれない」と、答え合わせをするような感覚になったのを覚えています。
ここでは、本のなかで特に印象に残った5つの視点と、それをこの里山でどう暮らしに落とし込んでいきたいかを、自分自身の指針としてまとめておきたいと思います。
1. “図鑑”と”現実”がつながる場所

本書には、図鑑に載っている写真やイラスト、情報が現実世界と結びつくことで子どもは大いに感動し、それをきっかけに好奇心が大きく育っていく、という主旨のことが書かれていました。
出会った土地は、山も川もすぐそばにあります。
図鑑で見た虫や植物、生き物を、実際にその場所で見て、触れることができる。
バーチャルとリアルが地続きになっている環境が、生活のすぐそばに広がっています。
それは庭でも同じです。
家庭菜園で、普段食卓に並ぶ野菜がどうやって土から育っていくのか。
種をまき、水をやり、収穫するまでの過程を、図鑑の1ページとしてではなく、自分の手で触れる体験として届けたいと思っています。
2. 日々変わっていく環境を、肌で感じる感性

本書では、「究極の賢さ」とは色々なことに対して興味や関心があり、見たり考えたりできる、好奇心のレベルが高いことだと語られていました。
街の暮らしのなかでは、季節の移ろいはどうしても感じにくいものです。それは、僕自身が身をもって体験してきたことでもあります。
だからこそ社会人になってからも、週末になるとキャンプに出かけていたのだと思います。生まれ育った環境にあった、自然の変化を求めて。
木々の葉の色が変わっていくこと。
晴れた夜は星が綺麗なこと。
雨が降ったら草木が嬉しそうにしていること。
当たり前のようでいて、実は気づきにくいそうした変化に日々触れられる場所で、子どもにはその感性を育んでほしいと思っています。
3. 五感を、思いきり刺激できる暮らし

さまざまな五感刺激を与えられるほど、ドーパミンが放出されて脳が大いに刺激され、成長する。そして、それが子どもの意欲や幸福感を育ててくれる、とも本書には書かれていました。
庭で土を触ること。
山で木に登ること。
川を流れる水に触れること。
朝日を浴びながら食事をすること。
山や川のあいだを抜けていく風を、肌で感じること。
外と中の境界が曖昧なこの家だからこそ、日常のなかで自然に触れられる五感の刺激があると思っています。
広めにとる土間やデッキという空間は、まさにこの「五感を刺激する暮らし」のための舞台になってくれるはずと考えています。
4. 日常に転がる、小さな成功体験

街の「安全」と自然の中の「安全」は、そもそも種類が違うと感じています。
街の遊び場の多くは、子どもが怪我をしないよう、あらかじめ危険を取り除いてつくられています。
一方、自然のなかには守られた遊び場はなく、当然そこには危険も伴います。
けれどその分、「まずはやってみる」という経験が、日常のなかにたくさん転がっているとも思うのです。
庭の虫を捕まえること。
野菜を収穫すること。
花を摘むこと。
薪を割ること。
焚き火に薪をくべること。
そうした暮らしのなかの小さな一つひとつが、子どもにとっての成功体験の積み重ねになっていく。
安全に「守られた」経験ではなく、自分の力で「やってみた」経験を、たくさん届けていきたいと思っています。
5. 一緒に楽しむ姿を、見せること
最後にもうひとつ。
それは「一緒に楽しむこと」です。
自分が育った環境に近い場所だからこそ、僕自身、その遊び方を知っています。
家族のため、自分のためにやりたいことを、心から楽しんでやっている姿を見せられると思っています。
庭や畑の手入れ、家のメンテナンス。
手間はかかるけれど、自然のなかでは、暮らしていくために必要なことそのものを、家族で手を動かしながら楽しむことができる気がしています。
そして、その働いた分だけ、美味しいご飯が食べられたり、安心して暮らせるという実感になって返ってくる。
それが、日々の暮らしへの充実感に直結していくのだと思います。
子育てという視点からも、この選択を
こうして本の内容と自分の思いを重ねてみると、東京の西側にあるこの里山エリア
100坪という余白のある土地
そして自分たちの手で育てていくログハウスという住まい
は、子育てという視点から見ても、これ以上ないくらい理にかなった選択だったのだと感じています。
土地を選び、家のモデルを決める前に、この本が僕の心のなかに「こんな暮らしがしたい」という指針の種をまいてくれていたのだと思います。
そしてその種が、この土地とカントリーログという住まいに出会ったことで、少しずつ鮮やかな形になっていきました。
だからこそ、指針ノートとして、自分自身への指針をまとめる意味も込めて、ここに紹介しておきたいと思いました。
同じように自然の中での子育てを考えている方、すでに実践されている方がいたら、ぜひ経験談をコメントで聞かせてください。
BESSのログハウスでの里山暮らしに関心のある方も、フォローしてつながっていただけると嬉しいです。
