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【フリーレン考察】エーヴィヒの魔導書には何が書かれていたのか

はじめに

原作第2話「僧侶の嘘」で、ハイターがフリーレンに解読を依頼した「エーヴィヒの魔導書」というアイテムが登場します。

賢者エーヴィヒによって書かれ、そこには「不老不死の魔法」や「死者の蘇生の魔法」が記されている、といういかにも壮大な触れ込みで登場しました。しかし、それはハイターがフリーレンを引き止めるための口実に過ぎず、実際にそのような魔法は存在しなかったことが判明します。

ですが、ここで一つの疑問が浮かびます。
フリーレンが数年もの歳月を費やして解読した結果得られたものが、「目的の魔法は書かれていなかった」というハイターへの報告だけだったのでしょうか。ハイターもまたそれを淡々と受け入れ、以後この魔導書について語られることはありません。

不死の魔法が存在しないのだとしたら、代わりにそこに何が書かれていたのか?

その意味的空白を補うことが、本考察の動機となります。

エーヴィヒが辿り着いた「魔法」


エーヴィヒはドイツ語で「永遠(Ewig)」という意味らしいです。
この魔導書はエーヴィヒの墓所から出土したとされており、彼の最晩年の研究成果が記されていたことが推察されます。

彼はその名の通り、永遠の命を求めて「不老不死」や「死者蘇生」の研究に没頭したのでしょう。しかしやがて死から逃れられないことを悟り、死を受け入れるという結論に行き着いたと思われます。

そんな彼が最後に研究の成果として書き残したもの。
それは、外的現象を引き起こす魔法というよりも、後に残される者たちが死者とどう向き合うかという、死者を弔うための所作、すなわち祈るという行為そのものだった。そのように補完することはできないでしょうか。

受容と内面化のための歳月


普段は時間を贅沢に使うフリーレンですが、それでも彼女の解析能力を考えればたった一冊の魔導書の解読に数年も費やしたことはいささか不思議です。

しかし、この解読行為を技術的な理解ではなく、誰かの死を悼み、受け入れるための情緒的な過程であると捉えるなら、その時間は別の意味を持ち始めます。

当時のフリーレンは、ヒンメルの死を経てようやく「人間を知る」一歩を踏み出したばかりでした。彼女が解読に要した長い年月は、自身の心の中にある「喪失」を見つめ、祈ることの意味を知るために必要な時間だったという解釈です。


葬送の旅のプロローグ

もしかするとハイターは、解読という名目で賢者エーヴィヒが遺した無形の魔法を彼女に贈っていたのかもしれません。

そうであるなら、彼を穏やかに看取ったあの瞬間にこそ、「葬送のフリーレン」は始まったとさえ言えるのではないでしょうか。

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