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【創作昔話】三太と河童の相撲(すもう)

むかしむかし。
川沿いの村に河童が現われ馬や牛、子ども達を川に引きずり込んで尻子玉(しりこだま)を抜き取ると言う悪さをしました。
尻子玉を抜かれると抜け殻のようになってしまうので村人達は困り果てていました。

村人達は河童を恐(おそ)れながらも観察をし頭の皿が乾くと弱くなる、相撲(すもう)が好きで得意だと言うことがわかりました。

そこで村人達は村で一番 腕っぷしが強く、体の大きい三太に河童退治を依頼しました。

村人達に頼み込まれ三太は引き受けたものの、どうしたものかと考え込んでしまいました。
…相手は力の強い妖怪で相撲(すもう)が好き、泳ぎは得意で水中戦では敵わない…。…頭の皿が乾くと弱る……。

「おっ!コレならどうだろ?!」
三太は ひらめきました。

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「おーい!河童どん、俺と勝負しよう!」と三太は川辺で大声で河童を呼びました。
すると川の水が泡立ち河童が姿を現しました。

「人間がワシに勝負だと?!面白い。お前が負けたら村の娘を一人よこせっ。ワシの嫁にする」とニタニタと笑いながら河童が言いました。

「いいだろう!ただし俺が勝ったら二度と村の子供や家畜に手を出さないこと。約束してくれ!」と三太は言い返しました。

「さあ、何で勝負する?なんでもいいぞ。どうせワシが勝つのだからな」と余裕をみせる河童に三太は
「相撲(すもう)は どうだ!」と提案しました。

「はははっ!相撲か!よしっ、すぐやろう!かかって来い」と河童が言い終わらないうちに
「いや 、ここではやらん。石がいっぱいでゴツゴツして危ないだろ。とっておきの土俵(どひょう)を用意した」と、
すかさず三太が言いました。

連れ立って二人は 村外れの陽当たりのいい丘の上の特製の土俵(どひょう) に向かいました。

「はっけよい、のこった」
二人は組合いました。河童の力は凄まじくズルズルと土俵の外へ押し出されそうになるのをギリギリのところで持ちこたえるがやっとです。
「はははっ(笑) なかなかやるなぁ。だが、いつまで持つかな?!」と河童が言った瞬間、ぐらっと体勢を崩し倒れ河童の頭の皿の水が こぼれてしまいました。

「よしっ今だ!皆の衆 河童の皿に光りを集めろ!乾かすんだ」と三太は
木陰に身を潜めていた村人達に合図しました。
村人達は、いっせいに手鏡で太陽の光りを河童の頭の皿めがけて集めました。

「ぐああああ…熱い…苦しい…」と呻(うめ)く河童を三太は、ひょいっと持ち上げ投げ飛ばしてしまいました。

「お前さんの負けだ!河童どん!」と手を差し出しながら三太が言うと、その手を払い除けて
「お前 土俵に細工しただろ?!」と河童が怒鳴りつけました。

「なあに、俺は特別な土俵を作る為に工夫しただけさっ。ちょいと片足が入るぐらいの小さな穴を掘っただけだ。それに勝負は どうせ自分が勝つからと余裕かまして なんでもいいと言ったのは お前さんだろ?!」と三太が言うと
「卑怯者めっ!」河童は三太を睨みながら言いました。

「何を言う!お前さんが得意な相撲で勝負を挑(いど)んだんだ。卑怯者と言われる筋合いはない!」と三太は言い返しました。
これには河童も何も言い返せません。
「……わかった。お前の勝ちでいい」と、しぶしぶ負けを認めた河童。

しょんぼり している河童に三太は
「俺も意地悪だったな。こうでもしないと河童どん は倒せなかったんだ。村の皆んなを守りたかったんだ」と言うと

「ワシは…尻子玉(しりこだま)をとらないと生きていけない訳じゃない…。ワシは何にもしてないのに顔を見りゃ怖がって逃げたり騒がれたり、変な噂をたてられたり…。だったら、お望み通りのことをやってやるって思った…。
……でもワシがやったことは酷いことだったな…。本当に申し訳ないことをした。子ども達と家畜達には尻子玉を返す」と河童は呟(つぶや)くように言いました。

「そうかそうか…。それはすまなかったな…。見かけで左右されるのは面白くないよな…。どうだろう、今から村人達に謝って わかってもらおうじゃないか。俺も一緒に謝るし説明するから」と三太に促(うなが)され河童は村人達に謝りました。
村人達も河童の話を聞いて、河童の気持ちを初めて知り理解しました。

それからと言うもの河童と三太、村人達は仲良く手を取り合い助け合って幸せに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし。

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