別れがこんなに悲しいのは、命に終わりがあるから。
夏は毎年やって来るけど、今年の夏にはもう会えない。ポチにとって3度目の夏。今年の春は迎えられないと思っていたけど傷もすっかり治り、しばらくやってなかったコロコロを走る。
好物のひまわりの種とブロッコリーも少しだけ食べて、掃除を始めると脱走しようとする。ギクシャクした空気を、いつも家族の笑顔に変えてくれたポチ。
数日前の夜急に足を引きずりはじめ、朝までぐったりとしていた。一昨日はずっと豆皿で休み、夜の掃除の時に少しだけお水を飲んだ。朝までそばに置いて、『ポチが苦しまないように、どうか天国に行けますように。』と何度も撫でた。目をすこし開けて呼吸していた。
夜明けごろ死後硬直が始まり、冷たくなった。目も口も笑っているように開けて、眠っているようだった。怪我が治って良かった、たくさん遊んでたくさんお世話できた。老衰は仕方ないよね。
2時間ほど経って体は硬くなったのに、小豆ほどの心臓だけがわずかに動いているのが余計に悲しい。まだ生きているんだね、悲しいけどもうすぐお別れだね。どうしてこんなに泣けるんだろう。ちゃんとお別れしようとするけど、もう会えないって思うとなおさらかわいくてしょうがない。
