少年の友情
遠足から帰った長男が、『お母さん、ごめんなさい。』と言いながら、しょんぼりして私にお弁当箱を渡した。開けてみると砂まみれの中身が半分くらい残っていた。
私が『お腹すいてない?』と聞いたら、『友だちが落とした。でも真ちゃんと拾って、砂のないご飯を一緒に食べた。真ちゃんのお弁当もはんぶんこした。』そう話してくれた。
私にとって長男ははじめての子育てだったので、育てることで精一杯だった。だから本当は教えてあげたかったことも教えなくてはならないことも、少ししか伝えられなかった。
でも本来母親というものは、子育て中に子どもからも多くのことを学び、ベテランお母さんになっていくものなのだろう。「落とされた中身を大切に持ち帰る優しさ、ごめんなさいと言える勇気、友だちが悪いと言わなかった強さ。」そんなことを息子から教わりながら、私は強い母親になれたような気がする。
きっと大人の知らないうちに子ども達は、目に見えないたくさんの大切なものを、学校でひとつひとつ見つけたり学んだりして成長しているのだろう。子どもを育てているのは友だちであり学校であり、親の知らない誰かかも知れない。時には私たち大人も、子どもの目線までしゃがんで世の中を見ることも必要なことなのだろう。
