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ライオンロックを眺めながら飲むビール

朝早く目が覚めた。

ニラヴェリ最後の日。
まだ人も少ない海辺へ出て、坐禅を組む。
実は一昨日から毎朝続けている。
波のリズムに呼吸を合わせる。
波の音に耳を傾ける。
何も考えない。
ただ海の前に座る。
それだけなのに、驚くほど気持ちが良い。
朝から贅沢な時間だった。


朝食は昨日訪れたローカル食堂へ再び向かった。
気に入った店にはもう一度行きたくなる。
今日はPittu Potetoes Curryに挑戦することにした。
注文を済ませて待つ。
待つ。
さらに待つ。
昨日は20分ほどだったが、今日は30分以上経っても出てこない。
そういえば、途中で店主がバイクに乗って出掛けていった。
もしかすると食材を買いに行ったのだろうか。
そんなことを考えながらのんびり待つ。
ようやく運ばれてきたPittuは期待以上だった。
これがPittuか。
さっぱりとした食感でカレーとの相性が良い。
待った甲斐があった。
明日も来たいと思ったが、それは叶わない。
もっと早くこの店を見つけていれば良かった。


食後は海へ。
何をするでもなく海に浮かぶ。
空を見る。
波に身を任せる。
何も考えない。
旅の中でこういう時間が一番贅沢なのかもしれない。


その後、帰り支度を整え、昨日予約した車でシギリヤへ向かった。
移動時間はおよそ2時間。
車窓から見える景色をぼんやり眺める。
田園風景。
道端の商店。
学校帰りの子どもたち。
道路には人、自転車、バイク、トゥクトゥク、車、そして牛までいる。
それでも誰も慌てない。
それらを当たり前のように追い越しながら車は進んでいく。
途中、アイスクリーム店の前に行列ができているのが何度も見えた。
運転手に聞くと、
「昨日はブッダのフェスティバルだったからね」
と教えてくれた。

後で調べると、ちょうどウェーサックの時期だった。
仏陀の誕生、悟り、入滅を祝う、スリランカ仏教で最も重要な行事のひとつだという。
そういえば今回の旅では、仏教寺院や仏像との出会いが多かった。
それも偶然ではなかったのかもしれない。

トゥクトゥクに乗っている時は、対向車とぶつからないかと毎回ひやひやしていた。
ところが今回の運転手はとても穏やかだった。
安全運転で車を走らせる。
気が付けば眠ってしまっていた。
しばらくして目を覚ます。
そろそろシギリヤかなと思って窓の外を見ると、道路を横切る大きな影があった。
野生の象だった。
思わず目を疑った。
まさかこんな形で出会えるとは思わなかった。
今回の旅で最も大きな動物との遭遇だった。


宿に到着すると、チェックインと同時にライオンロックや翌日のコロンボへの移動について相談した。
すべて手配してもらえるという。
費用は多少かかる。
それでも今は、節約よりも安全と安心を優先したい。
疲れを残さず帰国することも旅の大事な要素だと思う。

そして何より驚いたのは宿からの景色だった。
フロントがある3階へ上がった瞬間、目の前にライオンロックが現れた。
まるで大地から突然突き出したような巨大な岩山。
どっしりとそこに構えている。
実は、この景色を見たくて岩見荘を選んだ。
期待は裏切られなかった。
ビールを片手にライオンロックを眺める。
海を眺めながら飲むビールも良かった。
でも、目の前にライオンロックがあるこの景色もまた格別だった。
ニラヴェリでは海とともに過ごした。
そして今はライオンロックを見上げている。
今日もまた、贅沢な時間だった。


明日は早朝からライオンロックへ登る。
その後はコロンボへ戻り、旅も終盤に入る。

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