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ワールドカップ韓国に行ってきました

韓国で開催されるWCに行ってきました。日本では過去に開催されたものの、アジアでは25年ぶりの開催。クロスカントリーのワールドカップはアジア初開催だそうです。

自分も過去にワールドカップに何度か参戦してきましたが、ヨーロッパや北米で彼らのホームに行って戦うことがほとんどでした。今回は韓国という、誰もローカルがいない、マウンテンバイクカルチャーがまだまだ育っていない場所での開催で、非常に興味深かったです。

ヨーロッパとは違うパドックの感じ

ワールドカップの主要チームはみんな韓国に来ていましたが、やっぱりパドックの雰囲気はヨーロッパや北米とは全然違いました。トレーラーやチーム専用の車などはなく、UCIワールドカップが用意した白いテントに各チームの横断幕がある程度。本当に自分たちがヨーロッパに行った時のように、レンタカーと飛行機に乗せられる工具・スペアパーツだけで、どのチームも戦っているような感じでした。

新鮮だったと同時に、「やっぱりマウンテンバイクの規模感だとこのぐらいなのか」「他の国でやるとこういうセットアップになるんだな」と感じました。例えばF1が日本でやるとなったらチーム体制に何の変化もありませんが、マウンテンバイクだと開催地によって規模感がガラッと変わるんだなと。

仮設的なテントのパドック

会場へのアクセスと現地

会場はソウルから車で約3時間離れた場所。2018年平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック の会場の一つで、龍平(ヨンピョン)スキーリゾート
韓国はトラックやバンなどのレンタカーが任意保険の関係で借りられないらしく、最大でも9人乗りのエスティマみたいな車での移動になり、機材を運ぶのにかなり厳しかったです。それでも現地人の友達のヘルプもあって何とか会場入りできました。

会場は冬のスキーリゾートなので、街自体はとても小さくて飲食店が数件ある程度。ただリゾート自体はかなり大きくて、ホテルも併設(以前は選手村として使われたみたいですが、今は営業していないようで、自分たちも他の選手もみんな街中のホテルに泊まっていました)。フードコートやコーヒーショップもたくさんあり、夏の観光客向けの遊園地まであって、ワールドカップを行うには申し分ない大きさ。歩いてレースを見ながらご飯を食べたり、コーヒーを飲んだりもできて、施設は非常に充実していました。

選手村で使われたホテル

コース

今回の日本人選手は、エリート男子3名・ジュニア男子1名・エリート女子1名が参加しました。

コースは、山の中をハンドカットしてあまり手を入れずにやぶを掃除したような自然なレイアウトの箇所と、ゲレンデでぶっ飛ばすセクション、ゲレンデ中腹にジャンプもありました。自分は走ってないので詳しい感想は言えませんが、見た感じでは自分の好みのレイアウトで、楽しそうでした。

ただ、地面は拳大の石が無限にある感じで、めっちゃ乾燥していて、パサパサの路面に少し砂と土が混じったような状態。「韓国の路面ってどんな感じなのかな」と思っていましたが、日本の関東のローム層よりは、欧米に近い砂っぽい路面で、ここは正直びっくりしました。

浮石だらけ

シビアなスケジュール

ワールドカップのプログラムは、練習日・予選日・決勝日の3日間に分かれています。練習日は女子やジュニアごとに練習が分かれているので、エリート男子になると3時間程度しかなく、非常に短い時間で翌日の予選に向けて仕上げるという、とんでもなくシビアな環境です。

ここでパンクや怪我などをしたら、それだけで練習時間が削られて、まともにコースを覚えないまま「はい予選どうぞ」という状態になるので、いかにこの限られた時間でコースを攻略できるかがとてもカギになります。

普段ヨーロッパのコース、例えばレオガンなどに行くと、すでにバイクパークでライダーが走り込んでいて、僕らで言う富士見パノラマみたいなところでレースしているので、みんな慣れた状態でレースしています。でも今回は韓国の初開催コースで現地の情報もわからない、すべてがイコールコンディションの状態。最初のうちはコースに溝もできておらず、みんなかなり苦戦しているようでした。

浮石が多くて、「まともに走れない」という声も多く、ポジティブな話は全然出なかったですね。

ただ僕が見ていると、自分たちはいつもホームじゃないところで、何も勝手がわからない状態でレースすることが多いので、「これはこれでみんなイコールコンディションで、意外にトップライダーでも苦戦するんだな」「この人たちも人間なんだな」と思いました(笑)

練習中も観客はほぼおらず、本当に選手だけの計測練習会みたいな雰囲気でした。

試走中の羽口鉄馬選手

タイムセッションでの順位ギャップ

練習日はタイムセッションがあり、トップライダーの順位を見ても、いつものレオガンなら通常トップ10の中でタイム差が4秒以内に収まっているみたいな事もある中、今回はトップ10の中でもかなりタイムギャップが大きく、みんな慣れていないのが結構出ていた感じがします。

日本人もこの日はタイムセッション後、練習時間が怪我等の影響で短くなっていたので、みんなタイムセッションランというよりは、練習走行の延長時間みたいな感じで走っていきました。

予選日 30人だけが決勝へ

翌日は予選日。ワールドカップの予選フォーマットは、予選1回目(Q1)と予選2回目(Q2)があって、合計で30人が予選を通過します。Q1のトップ20名+Q2のトップ10名という構成です。

過去のワールドカップでは予選通過ラインがトップ80人とかトップ60人だったことを考えると、この30人通過は予選を通過するだけでも一生誇れるレベル。「偉業達成」と言っても過言じゃないラインです。なので有名な選手でも普通に予選落ちします。

ジュニア男子 予選しょうま

今回のMen Elite予選通過ラインは、 2分54秒 これが日本人選手たちが越えなければいけない絶対基準でした。

日本人選手の結果

ここでは日本人全員の詳しい順位は書きませんが、結果としては

  • エリート男子3名はQ2でも敗退

  • ジュニアの土屋翔真選手は47人中27位(ジュニアは予選1回のみで上位20名が決勝)

みんなかなり良く走った方だと思います。
具体的には

  • 幾田悠雅選手 : 3:07.144 ← 日本人トップ(予選通過ラインとのギャップ +13.1秒)

  • 九島勇気選手 : 3:14.102 (+20.1秒)

  • 土屋聖眞選手 ※ジュニア : 3:14.812 (+20.8秒)

  • 羽口鉄馬選手 : 4:06.426 (+72.4秒) ※後半セクションで転倒

  • 末政実緒選手 : 04:34.187 ※女子エリート

予選通過ライン 2:54.000 (30位ライン) +13.1秒
トップタイム 2:47.859 (Asa Vermette) +19.3秒

普通のワールドカップに照らせばかなり良い順位だと思いますが、参加選手数がヨーロッパよりは少ないことも考慮しないといけません。それでも通常のワールドカップ参戦者の中では、よい方の順位だと思います。

これからどうしよう

僕自身も過去にワールドカップに参戦していて、一番最近は2023年でした。もちろん会場に行ったら出たい気持ちもあったけど、今回はスポンサーの切り替え時期でバイクに慣れていない時期でもあったし、自分がワールドカップに出場するにはナショナルフェデレーションの推薦枠で出ることになるので、枠にも限りがある中で、他のライダーに譲ったほうがいいなと思いました。

自分は子供向けのスクール、HBCをやっていますが、その次のステップとして、このワールドカップの一段下にあたる Crankworx や IXS Cup、French Cup など、海外のガチ草レースなどにライダーと一緒に行って、自分にできることは少ないですけど、遠征を組んで参戦していく 「育成チーム」みたいなものができたら面白いなと思いました。

アジアでのワールドカップ、最高でした

そんなアジアでのワールドカップ開催。韓国旅行としても楽しかったし、日本では食べられない生レバーやユッケが食べられるし、キムチも美味しいし最高でした。

自転車・マウンテンバイク自体はレースが好きなので、自分ももっと速くなりたいし、みんなが速くなる手伝いができれば嬉しいなと思いました。

来年からも3年連続で開催されるそうなので、行ってない人はぜひ行ってみてください。最高に楽しいです。


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