ずっと不安だった価格帯の話
先日、新ブランドを立ち上げてから初となる、新作の販売を行いました。
販売開始時点で、Instagramのフォロワー数は79人。まだほとんど知られていない、小さな小さなブランドです。
ですが私にとって、この販売における一番の不安要素は、集客の面や作品の魅力ではなく、商品の価格帯についてでした。
特に気にかかっていたのは、以前のブランドから引き続きHAKUを応援してくださっている方々が、新しく設定した価格をどのように受け止めてくれるのかということ。
アクセサリーの販売を始めた当初は、ものづくりの経験がまだ浅いという点もあり、自分の作品や世界観にこだわりを持ちながらも、なかなか高価な価格を設定することができませんでした。
かといって、決して気軽に購入できるほどお安いというわけでもなく…。
商品の手頃さを重視したいのか、質や独自性を大切にしたいのか、自分の中でも方向性が曖昧なまま、中途半端な状態になっていたのです。
せっかく商品をご購入いただいても、売上の半分以上が材料費となり、かける時間を考えればほとんど利益を残すことができない。
そのようなサイクルを自分自身で作ってしまっていたことも、今回ブランドを一新しようと考えた理由の一つでした。
悩みに悩んだ末、ブランドを一時的なものではなく、長く芯を持って続けていくために、しっかりと利益を確保することに決めました。
その分、使用する素材や制作プロセスにおいて、これまで以上の質とこだわりを。
きっと最初にアクセサリーの販売を始めた2年半前より、知識や技術面や向上しているはず…!と色々言葉を並べながらも、やはり自分にとって、思い切った改定であることには違いありません。
現在HAKUをフォローしてくださっている方の多くは、以前から活動を見守り、応援してくださっている方々です。
だからこそ、これまでとは異なるブランディングをどう受け止めてもらえるのかといった不安は、なかなか拭えませんでした。
そして迎えた販売日当日
ショップの公開は20:00
私は30分前からスマホの画面を握りしめ、更新待機をしていました。
ところがほんの少し、目を閉じて再び開けると、時刻はなんと20:02。
まさかのうたた寝をしてしまったことに気が付き、慌ててショップサイトの公開ボタンを押します。
焦りながら販売開始を知らせるストーリーズを準備していると、メールボックスに一件の購入通知が届きました。
はっとしたのも束の間、続けて二件目の通知が…。
ご購入いただいたのは、どちらも同じデザインの、水脈をモチーフにしたアートジュエリーでした。
そしてなんとInstagramのDMには、¥7200円で販売していたそのアートジュエリーを、¥8000で買わせてほしいというとんでもないご意見が…
理由をお尋ねすると、その方は
きっとその金額を払う価値があるから、
少しでもこのブランドに貢献したい。
そうおっしゃってくださいました。
そんなお言葉を頂いて、私は一つ、思い出したことがあるのです。
それはまだ、右も左もわからなかった新人作家だった頃から決めていた
「自分が欲しいと思えないくらい自信のないものは、販売しない」
ということ。
今までこれは、作品の出来に対してのみ思っていたことだったのですが、
今回の経験を経て、自分で作品につけた価値に対しても、同じだということに気が付きました。
もちろんショップをご覧になってくださった方の中には、「以前よりも高くなった」と少し残念に感じた方もきっといらっしゃったと思います。
それは紛れもない事実だし、いわゆる生活必需品ではない アクセサリー というものを購入する際、自分でもかなり慎重になります。
それでも、新しく踏み出した私の挑戦を受け入れ、HAKUの作品に価値を見い出し選んでくださる方がいる。
そんな風に応援してくださる方が一人でもいることに、この上ない幸福と感謝を感じました。
今回いただいた信頼を決して当たり前のものと思わず、これからもひとつひとつの作品と誠実に向き合いながら、少しずつブランドを育ててまいります。
HAKUを見つけてくださり、ご購入いただいた全ての方に
「この価格に見合う作品だった」と感じていただくだけでなく
「価格以上のものを受け取った」と思っていただけるように…。
