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【施術と身体の考え方】エビデンスについて

この業界にいると、ちらほら聞くのが『エビデンス』。

私、この言葉がすごく好きなんですけど、すごく嫌いなんですよね。
それについて少し書いていきます。


エビデンスとは

evidence:証拠、根拠、裏付け といった意味です。

とりわけ、医療系では

エビデンス(医療)
ある治療法や検査法が、ある病気・怪我・症状に対して、科学的に効果があることを示す根拠となる検証結果・臨床研究結果を指す。

Wikipedia

ということですね。

私のルーツ

今でこそ、柔道整復師(整体師)をしていますが、もともとは
大学時代:化学を専攻
→ 社会人:機械設計
→ 転職・現在:整体師

という流れです。

この中で、私は今でも整体師や機械設計者ではなく、『自分は科学者(サイエンティスト)である』という思いがあります。
科学におけるエビデンスは

科学的根拠。科学的理論や仮説を支持したり反論したりする働きをする根拠。科学的証拠の信頼性は概して統計学的分析または対照研究の結果の信頼性に基づく。

Wikipedia

となります。

この業界の『エビデンス』

結論から言うと、接骨院・整体院での『エビデンス』という言葉は
凄まじく雑な意味で使われている、と感じています。

そりゃもう、許せないくらい。

前勤めていた会社では、「うちの施術はエビデンスに基づいているから」と言っており、『科学者である私』としてはそれが良いと感じて仕事をしていました。

しかし、基づいているのは結局『解剖学』や『運動学』というところでした。
例えば、自分たちの施術のデータを取り、論文や発表、そこまでいかなくてもデータを蓄積・反映させている、というわけでもなさそうでした。

それって
「水素の元素記号は"H"だよ」
という基本中の基本だけの話で、化学的な話だけどエビデンスの話ではないですよね、という感じなのです。

個人的に納得がいかない部分

私がせめてお願いしたいのは

『ある気体とある気体を混ぜて燃やしたら、なんか液体ができた。』

ではなくて

『1モルの水素分子と1/2モルの酸素分子が286kJの吸熱反応で、1モルの水分子ができた。』

とか、そのレベルで良いので言語化してほしいのです。


ただ、「硬いところをほぐす」とか、「動きの悪いところに動きを付ける」っていうのは、エビデンスとかそういう話じゃないでしょう、という感じです。
例え再現性があったとしても。

経験則=エビデンス?

「今までこれだけたくさんの人数に提供して結果が出ているからエビデンスがある!」
とか言われたこともありますが。

私個人としては
経験則は何人やっても経験則にすぎません。

『1万人の施術実績!』
とかいう人もいますけど、経験則でやるんなら、最低限日本の人口の1%(=100万人位)に施術して、一様な結果が出てから言ってくれ、という感じです。


ちなみに、私は経験則を否定しているわけではありません。
経験上、効果が出る施術は沢山ありますし、素晴らしいと思っています。

ただ、それはあくまで経験則であって「エビデンスとは言うな」というだけの話です。

この業界では

エビデンス、という言葉を使うのは少し難しいと感じます。

医者であれば、それこそある病気に対する手術について、などで論文を書いたりというのはあるのかもしれませんが
この業界は『この施術をしたからこうなった!』みたいな論文は、同じケースを集めることは難しいですし、結果の予後を追いかけることも難しい。

『エビデンス』という言葉を使うことに適する業界ではないのかもしれません。


私自身は、大学で化学の研究をしていた時、教授に
エビデンスの話を聞かされた覚えがあります。

根底にこれが流れている以上、私も探せるエビデンスは探しつつ、でも『エビデンスに基づく』という言葉は選びながら、施術をしていきたいと思います。


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