メディアの暴走!参政党vs報道特集の全面戦争が教える『誰がメディアを監視するのか』
2025年11月、参政党がTBS「報道特集」から受け取った宮城県知事選挙に関する質問状とその回答を、放送前に全文公開するという異例の事態が発生しました。この対決は単なる一政党と一番組の対立ではありません。「政治家や権力を監視するメディア」という構図そのものが崩壊し、逆に「メディアの暴走を市民が監視する時代」が到来していることを象徴する歴史的転換点なのです。
今回の事件を起点に、オールドメディアが抱える構造的問題、SNS時代における権力の再分配、そして私たち市民がどう対処すべきかを、徹底的に深掘りしていきます。

【対決の全貌】TBS報道特集の質問状vs参政党の「先制公開」戦略
TBSからの質問状――4つの質問が示す「前提の押し付け」
2025年11月5日、TBS「報道特集」は参政党代表の神谷宗幣氏宛に質問状を送付しました。内容は、10月26日に執行された宮城県知事選挙に関するもので、以下の4つの質問で構成されていました
【質問①】SNS上での「悪行14選」画像の拡散について
X(旧Twitter)上で「参政党の党員」を名乗る複数のアカウントが、「売国的宮城県知事 村井嘉浩の悪行14選」という画像を投稿。TBS側は「少なくとも一部事実ではない内容があると考えられます」として、党関係者が投稿を行っていたとすれば、事実ではない情報を拡散したことについての見解を求めた。
【質問②】神谷代表の選挙演説での「デマ」発言について
2025年10月25日の神谷代表の選挙演説で「選挙はね、まあデマ流れますよ。中傷も起きますよ。デマもね、尾ひれがついてね、嘘やデマが飛び交うわけですよ」と発言したことについて、選挙における嘘やデマが飛び交うことを許容しているのかとの見解を求めた。
【質問③】神谷代表の国会内でのぶら下がり取材での発言について
2025年10月27日の国会内でのぶら下がり取材で、神谷代表が「我々は意図的にデマを流すことはしません。ただ、私達が言ったことにどんどん尾ひれがついてですね、これは確かに事実はちょっと違うよねというふうなことが拡散されていたことを私も目にしました」と答えたことについて、和田氏や参政党の支持者が何らかのデマを流したことを認めていると解釈できるか、との見解を求めた。
【質問④】村井知事への脅迫行為について
宮城県警が村井知事への脅迫行為について捜査していることに関連して、参政党の政策提起との関連性についての見解を求めた。
参政党の反撃――「前提が共有されていない」という論理的批判

参政党は11月7日、質問状の全文と回答を自党公式サイトで公開するという異例の「先制公開」戦略を取りました。この戦略の狙いは、「TBSが偏向的な編集を行う前に、市民に直接情報を届ける」という点にあります。
参政党の回答は、極めて論理的かつ法的な観点から、TBSの質問の「前提」そのものを問い直すものでした
質問①への回答:投稿者の属性確認の欠如
「『党員を名乗るアカウント』を根拠として本党関係者とみなす前提が置かれていますが、投稿者の属性について本党は確認できる立場にありません。また、貴番組におかれても、投稿者の属性確認に関する取材経過および根拠が示されておりません。さらに、当該画像の内容について『事実ではない』とされる箇所についても、具体的な指摘と根拠資料が提示されておりません。これら前提となる事実が確認されない限り、本件について回答を行うことはできません」
質問②③への回答:言葉の文脈の曲解
「代表発言は、選挙時に誤情報が流通し得るという一般的な状況を述べたものであり、虚偽情報を許容する趣旨ではありません。ここでいう『デマ』とは、事実確認が不十分なまま拡散される情報を指し、『尾ひれがつく』とは、第三者の解釈や推測が重なり元の文脈から変形される過程を指します。本党が意図的に虚偽情報を広めることはなく、『デマを許容する』との前提は当てはまりません」
質問④への回答:根拠なき結びつけの拒否
「脅迫行為につきましては、本党では事実を把握しておりません。当該行為が存在するのであれば、当然許容されるものではなく、厳正に対処されるべきものです。ただし、本件質問は、当該行為と本党の政策提起を関連づける前提が示されておらず、根拠のない結びつけに基づくものであり受け入れられません」
参政党が指摘した報道の「構造的欠陥」
参政党の回答の核心は、以下の指摘に集約されます
取材の前提となる事実確認の欠如:投稿者の属性、引用投稿や資料の元データ、判断根拠など、前提となる事実関係の確認が欠けている
報道機関の責務放棄:これらは本来、報道機関が取材の過程でまず確認すべき事項であり、当事者に質問を行う以前の段階で整理されているべきもの
編集方針への疑念:「根拠が不明確な誹謗中傷が問題となっている」という貴番組側の評価が前提とされているが、その根拠資料が提示されないまま断定されている
この回答が示すのは、「取材の基本プロセス」をメディア側が怠っているのではないかという根本的な疑念です。
7月参院選での対立――参政党とTBSの「終わらない戦争」
実はこの対立は、今回が初めてではありません。参政党は2025年7月の参議院選挙期間中にも、「報道特集」の報道内容に問題があるとして抗議を申し入れています。
2025年7月12日放送の特集「外国人政策も争点に急浮上〜参院選総力取材」に対して、参政党は「選挙報道として著しく公平性・中立性を欠く内容が放送された」と厳重に抗議しました。
参政党の主張は以下の通りでした
参政党の外国人政策を「排外的」と一方的に批判する構成になっていた
カウンターとして、参政党の外国人政策を支持する市民の声が一切紹介されなかった
放送法第4条の「政治的公平性」に違反する可能性がある
TBS側は回答書で「取材や編集にあたって高い倫理感を持って臨んでいます」と述べましたが、参政党側は「誠に遺憾」としてBPO(放送倫理・番組向上機構)への申し立てを表明しました。
この一連の流れから見えるのは、メディアと政党の「相互不信」が深刻化しているという現実です。
【宮城知事選の背景】SNS vs オールドメディアの代理戦争
村井知事と参政党の「因縁」――水道民営化をめぐる対立
宮城県知事選挙における参政党と村井嘉浩知事の対立は、実は夏の参院選までさかのぼります。
神谷代表は街頭演説でこう訴えました
「だって上下水道必要でしょ、国がやらないから宮城県みたいに民営化しちゃうわけですよ。おかしい宮城県は。水道だってめちゃくちゃになりますよ」
この発言は、村井知事が推進した水道事業の民営化を批判するものでした。参政党が支援した和田政宗氏(自民党の前参議院議員)は、この水道民営化問題を争点の一つとして掲げ、現職・村井知事に肉薄しました。
村井知事の反撃――「SNSに感化された若者」という分析
選挙後、村井知事はインタビューでこう分析しました
「私が思うに若い人はテレビを見ない、新聞を見ない、SNSだけを見るという方が多いので、そういった方たちが今回の参政党のいろんな、ネットに感化されたことが大きいのではないかなと自分では思っています」
この発言は、「SNSでの情報拡散」を否定的に捉える従来のオールドメディア的視点を示しています。しかし、参政党側から見れば、これは「オールドメディアが報じない真実を、SNSで市民に直接届けた結果」とも解釈できます。
神谷代表の勝利宣言――「相乗効果はあった」
FNNの単独インタビューに応じた神谷代表はこう語りました
「後半につれて盛り上がりは出てきたので、和田陣営と参政党と協力してやったことがあったので、相乗効果はありましたね」
選挙結果は村井氏の6選でしたが、和田氏は現職に肉薄し、参政党は「県知事選初参戦」で大きな存在感を示しました。
この構図は、「オールドメディアが支持する現職」vs「SNSを駆使する新興勢力」という、まさに現代の情報戦争を象徴するものでした。
【統計が証明】メディア不信の時代――日本は世界最低レベル

日本のメディア信頼度39%、10年で7ポイント下落
英オックスフォード大学ロイター・ジャーナリズム研究所の2025年版デジタルニュースレポートによると、日本におけるメディアの信頼度はわずか39%で、この10年で7ポイントも下落しています。
さらに衝撃的なのは、エデルマン社が実施した「信頼」に関する年次消費者意識調査の結果です。日本は「政府」と「メディア」への信頼度が調査対象国の中で最低という、不名誉な結果となりました。日本の回答者の65%が「中程度から高度の不満と憤り」を感じており、これは世界平均の61%を上回っています。
30代以下はSNSを最も信頼――「オールドメディア離れ」の決定的証拠
NHKの2025年参院選での世論調査では、30代以下が投票先を決める際に最も参考にするメディアは「SNS・動画共有サービス」で、NHKや新聞、民放を上回りました。
これは単なる「若者のテレビ離れ」ではありません。若い世代は、既存メディアを信頼していないのです。なぜなら、彼らは生まれたときからインターネットがあり、複数の情報源を比較検証する習慣が身についているからです。
【市民監視装置の登場】コミュニティノートがメディアを裁く時代

X(旧Twitter)のコミュニティノートが暴く「報道の嘘」
2023年に日本で本格導入されたX(旧Twitter)の「コミュニティノート」機能は、オールドメディアの誤情報や偏向報道を市民が直接指摘・訂正できる画期的な仕組みです。
特に注目すべきは、NHKや朝日新聞、TBSといった大手メディアの投稿に、次々とコミュニティノートが「着弾」しているという事実です。ある分析によれば、マスコミ報道に付けられたコミュニティノートを収集した結果、国会審議やニュースの文脈を意図的に切り取った報道、統計データの誤用などが多数指摘されていました。
西山太吉元記者(違法な手段で外務省の機密情報を入手した「西山事件」の当事者)を好意的に取り上げたNHKのポストに対しても、複数のコミュニティノートが「取材手法の違法性」を指摘し、大きな話題となりました。
これは何を意味するのか?「第四の権力」という腐敗利権を、国民の総意に基づき「権力」の座から引きずりおろす歴史的プロセスが、今まさに進行しているのです。
「支持率下げてやる」発言が暴いたメディアの本音
2025年10月7日、自民党本部での取材中に、報道陣の一部が「支持率下げてやる」「支持率が下がるような写真しか出さねえぞ」と口にした音声が生配信で流れ、大炎上しました。
この発言は、報道機関が「客観的な事実の伝達者」ではなく、「政治的な意図を持った権力闘争の当事者」になっていることを露呈しました。
【歴史の視点】TBS報道特集が繰り返してきた倫理問題

1989年:坂本弁護士ビデオ問題――日本報道史上最悪の事件
TBSの報道倫理問題を語る上で避けて通れないのが、1989年に発生した坂本堤弁護士ビデオ問題です。TBSはオウム真理教を批判していた坂本弁護士のインタビュー映像を、放送前にオウム幹部に見せてしまい、その9日後の11月4日に坂本弁護士一家殺害事件が発生しました。
日本弁護士連合会は「報道機関としての責務を放棄したもの」と厳しく糾弾し、筑紫哲也氏も「TBSは今日、死んだに等しい」と痛烈にコメントしました。
2009年:ブラックノート詐欺事件での違法取材
「報道特集」(当時は「報道特集NEXT」)が詐欺事件の取材で、容疑者の郵便物を無断で開封し、車に発信器を取り付けるなどの違法行為を実施しました。BPOは「報道倫理上認められない取材」と指摘しました。
2024年:news23での取材源秘匿失敗
2023年1月、TBSの報道番組「news23」がJA共済の内部告発者の身元が特定されかねない状態で放送。3人の職員が職場で苦しい立場に追い込まれ、BPOは「取材源の秘匿を貫くことができなかった」として放送倫理違反を認定しました。
これらの事例に共通するのは、「調査報道」という大義名分のもとで、基本的な倫理や手続きが軽視されてきたという構造的問題です。
【権力構造の転換】「第四の権力」が「第一の脅威」になった

「権力を監視する者」が「権力そのもの」になった矛盾
「第四の権力」という言葉は、立法・行政・司法に次ぐ権力として、マスメディア・特に報道機関が社会に大きな影響力を持つことを指します。その役割は本来、「権力を監視し、市民に代わって不正を暴く番犬(ウォッチドッグ)」でした。
しかし問題は、この「監視者」としての特権的地位が、いつしか「自分たちは絶対的に正しい」という傲慢を生み出したことです。
メディア研究者の松林薫氏は、この構造的問題を鋭く指摘しています
「一般に民主制の社会では権力を三権分立によって相互監視させる仕組みを取り入れている。しかしメディアは、そういった牽制の枠組みにも入っていないのだ」
つまり、メディアだけが「監視されない特権階級」として君臨してきたのです。しかしSNSの登場により、その構造が崩れ始めました。
「誰が監視者を監視するのか?」――ラテン語の古諺
「誰が監視者を監視するのか?」という問いは、古代ローマの詩人ユウェナリスの言葉"Quis custodiet ipsos custodes?"に由来します。この問いは、民主主義社会における永遠のジレンマです。
メディアは本来、権力の監視者として機能すべきですが、監視者自身が権力化したとき、誰がその監視者を監視するのか?
その答えが、「市民によるSNSを通じた監視」なのです。
【未来への提言】三層構造の相互監視が民主主義を救う

もはや「単一の監視者」という発想が時代遅れ
従来の発想は、「メディアが政治を監視する」という一方向的な構造でした。しかし、これが機能不全に陥っていることは明らかです。
新たに必要な構造は、「三層構造の相互監視」です
第一層:市民がSNSでメディアを監視する――コミュニティノート、YouTube動画、ブログなどで、オールドメディアの報道を検証・批判する
第二層:独立したメディア監視機関が存在する――政治的に中立な市民主導の組織が、メディアの報道内容を継続的に分析・評価する
第三層:メディアが政治・行政・企業を監視する――従来の「第四の権力」としての役割を、透明性と説明責任を持って果たす
この三層が互いに牽制し合うことで、「誰か一つが絶対的権力を持つ」という状況を防ぐことができます。
参政党の戦略から学ぶべきこと――「情報の先制公開」
今回の参政党の戦略で注目すべきは、「質問状を受け取ったら、放送前に全文公開する」という手法です。
これにより、以下の効果が生まれます
編集権の無効化:メディアが恣意的な編集を行う余地を減らす
市民への直接訴求:メディアを介さずに、自らの主張を市民に届ける
透明性の確保:やり取りの全過程を公開することで、どちらが正しいかを市民が判断できる
この戦略は、「メディアの独占的な情報発信権」を崩すという点で、極めて革新的です。
「賢い懐疑主義」と「建設的な対話」のバランス
しかし、ここで重要なのは、「すべてを疑う懐疑主義」と「何も信じない虚無主義」は違うということです。
私たちに求められているのは
情報源の多様化:オールドメディア、SNS、専門家、公式資料など、複数の情報源をクロスチェックする
文脈の理解:「誰が、なぜ、どのような意図で」発信しているのかを常に意識する
感情からの距離:「許せない」という感情で思考停止せず、構造的な問題に目を向ける
建設的な批判:単なる誹謗中傷ではなく、具体的な根拠に基づいて問題点を指摘する
結論――「メディアの暴走を監視する時代」は確実に到来している

TBS報道特集と参政党の対決は、単なる一時的な騒動ではありません。それは、「第四の権力」としてのオールドメディアの特権構造が崩壊し、市民がSNSを通じてメディアを監視する新時代が到来していることを象徴する歴史的転換点です。
統計データは、メディアへの信頼が崩壊していることを示し、SNSのコミュニティノートは市民がメディアを直接批判できる仕組みを提供し、学術研究は「第四の権力」の機能不全を指摘しています。
参政党の「質問状先制公開」戦略は、「メディアを介さずに市民に直接訴える」という新しい政治コミュニケーションの形を示しました。これは、オールドメディアの編集権を無効化し、情報の透明性を確保する画期的な手法です。
しかし、これは「オールドメディアを破壊すれば万事解決」という単純な話ではありません。オールドメディアには、長年培ってきた調査報道のノウハウ、専門的な取材能力、法的な保護を受けた情報源へのアクセス権など、SNSにはない強みがあります。
本当に必要なのは、「オールドメディア vs SNS」という対立構造ではなく、両者が相互に監視・補完し合う健全なエコシステムです。そしてその中心には、批判的思考力を持った市民が存在しなければなりません。
「政治家や権力を監視するメディア」という時代は終わりました。今は「メディアの暴走を市民が監視する時代」です。そして、その市民監視が健全に機能するかどうかが、これからの民主主義の命運を分けるのです。
オールドメディア
テレビ、新聞、ラジオなど、インターネット登場以前から存在する伝統的なマスメディアの総称。
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)
X(旧Twitter)、Facebook、InstagramなどのSNSプラットフォームで、個人が情報発信・共有できるサービス。
第四の権力
立法・行政・司法に次ぐ第四の権力として、マスメディア・報道機関が社会に大きな影響力を持つことを指す言葉。
BPO(放送倫理・番組向上機構)
NHKと民放連が設置した第三者機関で、放送内容の倫理性や品質向上を図る組織。法的強制力は持たない。
放送法第4条
放送事業者に「政治的公平性」「事実の報道」「多角的論点の提示」などを求める法律。解釈をめぐり論争が続いている。
記者クラブ制度
官公庁や政党などが設置し、大手報道機関に限定された情報アクセス権を与える日本独自の制度。閉鎖性が批判されている。
コミュニティノート
X(旧Twitter)で、ユーザーが投稿に対して補足情報や訂正を付け加えられる機能。市民による事実検証ツールとして機能している。
メディアリテラシー
メディアから発信される情報を批判的に読み解き、真偽を見極める能力。
アジェンダ・セッティング(議題設定)
メディアが「何が重要なニュースか」を決定することで、世論の関心事を形成する機能。
ウォッチドッグ(番犬)
権力を監視し、不正を暴く報道機関の役割を指す比喩表現。
フィルターバブル
SNSのアルゴリズムにより、自分の興味・関心に合った情報ばかりが表示され、異なる視点に触れにくくなる現象。
偏向報道
特定の政治的立場や思想に偏った報道を行うこと。客観性・公平性を欠いた報道姿勢を批判する言葉。
参考ニュース・出典
