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自民党圧勝の衝撃波:2026年衆院選が示す日本政治の新たな局面

2026年衆院選で自民党が316議席を獲得し単独3分の2を達成。消費税減税、積極財政、憲法改正の議論が加速する一方、野党は壊滅的敗北。NHK日曜討論から読み解く日本政治の転換点と未来への影響を多角的に分析。

【概要】

2026年2月8日、日本の政治地図を塗り替える衝撃的な選挙結果が出ました。自民党が316議席という戦後最多の議席を獲得し、単独で衆議院の3分の2を超える歴史的圧勝を成し遂げたのです。一方で、立憲民主党と公明党が合流して誕生した「中道改革連合」は、公示前の167議席から49議席へと7割も減らす壊滅的な敗北を喫しました。​

図表:2026年衆院選 議席数の変化

この選挙結果は、単なる与野党の議席数の変化にとどまりません。日本の政治システム、経済政策、そして社会のあり方そのものに大きな影響を与える転換点となりそうなんです。NHK「日曜討論」で繰り広げられた与野党の激論から見えてきた、この歴史的選挙結果の深い意味を、様々な角度から読み解いていきます。


政治の力学が根本から変わる「3分の2」の重み

参議院を事実上無力化できる圧倒的多数

自民党が衆議院で単独3分の2を超える議席を獲得したことの意味は、想像以上に大きいんです。​

図解:衆議院「3分の2」の再可決権限

日本の国会では、法案が衆議院を通過しても参議院で否決されることがあります。しかし、衆議院で3分の2以上の賛成があれば、参議院の反対を押し切って法案を成立させることができる「再可決」という仕組みがあります。つまり、自民党は参議院での野党の反対を気にすることなく、ほぼすべての法案を思い通りに成立させられる権限を手に入れたわけです。​

国民民主党の榛葉幹事長が日曜討論で「相当謙虚にやらないと参議院が意味なくなる」と警告したのは、まさにこの点でした。彼は「政権幹部が選挙後に『もう参議院は意味ない、衆院で何でもできる』と発言したと報道されている」とも指摘しています。実際、自民党・維新の会の連立政権は衆議院で合計352議席を確保し、絶対安定多数の261議席を大きく超えました。​

憲法改正の議論が現実味を帯びる

さらに重要なのは、憲法改正の発議も可能になったことです。憲法を改正するには、衆参両院でそれぞれ3分の2以上の賛成が必要ですが、衆議院では自民党単独でこのハードルをクリアしました。​

日曜討論で自民党の井上幹事長代理は「今までなかなか決着つけることができなかった政策をしっかり進めていきたい」と述べ、憲法改正への意欲を隠しませんでした。国民民主党も「緊急事態条項の審議を加速すべき」と前向きな姿勢を示し、維新の会も「戦後80年の大きな宿題」として憲法改正の議論を進める構えです。

ただし、中道改革連合の小川代表は「憲法改正賛成か反対かという観念的な議論ではなく、どの条項を何のためにどう改正したいのかというブレイクダウンした議論にすべき」と釘を刺しました。また、共産党の小池書記局長は「衆議院で改憲賛成派が当選者の9割を超えたが、これは民意とかけ離れている」と反発しています。

野党の「チェック機能」はどうなる?

このような圧倒的な与党優位の状況で、国会の本来の機能である「権力の監視」や「多様な意見の反映」は果たせるのでしょうか?

参政党の安藤幹事長は日曜討論で「本来会議というのは色んな意見を取りまとめるもので、めんどくさいし時間がかかる。決められる政治や安定した政権運営よりも、みんなの意見を聞いてなかなか決められないけれどもこちらでいこう、という時間をしっかりとっていただきたい」と訴えました。

共産党の小池書記局長は「謙虚にと言いながら、自民党が進めたい政策は強力に進めると鎧が見えている」と警戒感をあらわにし、「比例得票は有権者の36.7%なのに3分の2を超える議席を得たのは小選挙区制の虚構の多数だ」と批判しています。​

実際、今回の選挙では自民党の比例代表での得票は決して圧倒的ではありませんでした。にもかかわらず、小選挙区制の「勝者総取り」的な性質によって、議席数では圧倒的多数となったのです。​

消費税減税論争が浮き彫りにした財政政策の対立軸

「食料品2年間ゼロ」は実現するのか?

選挙後の政治の最大の焦点の一つが、高市総理が公約に掲げた「食料品の消費税2年間ゼロ」政策です。日曜討論でも、この問題をめぐって激しい議論が交わされました。​

マトリクス:財政・税制の対立軸

高市総理はこの政策を「給付付き税額控除」導入までの「つなぎ」と位置づけており、夏前に超党派の「国民会議」で中間取りまとめを行う方針を示しています。財源は約5兆円規模になる見込みで、片山財務大臣は「補助金や租税特別措置の見直し、税外収入によって財源を確保する」としています。​

維新の会は「食料品の消費税ゼロは去年の参議院選挙から訴えてきた」として賛成の立場です。中塚幹事長は「無駄をなくす歳出改革と両輪でやる」と強調し、「政府効率化の担当部署で補助金や基金を見直して財源を捻出する」と述べました。

「食料品ゼロ」に潜む落とし穴

しかし、この政策には大きな問題点も指摘されています。

参政党の安藤幹事長は日曜討論で強く反対の意思を表明しました。その理由は3つです。第一に「米の値段があれだけ上がっているのに8%程度値下げしても焼き石に水」、第二に「生鮮食料品は需要と供給のバランスで値段が変わるので、消費税ゼロにしても価格がそれほど下がらない」、そして第三に「飲食店には増税のダメージが残る」というものです。​

特に外食産業への影響は深刻です。スーパーなどで販売される食料品の消費税がゼロになると、仕入税額控除が適用されなくなるため、食材を仕入れて提供する飲食店は実質的に増税となってしまうのです。チームみらいの安野党首も「外食産業に対して大きなダメージがある」として手当が必要だと指摘しました。​

また、共産党の小池書記局長は「食料品だけではダメで、消費税を全て一律5%にまず減税し、複数税率をなくしてインボイス制度を撤廃し、廃止を目指すべき」と主張。れいわ新選組の山本政策委員も「食料品のみの消費税ゼロは全く不十分」として、自民党税調幹部が「2年後に基礎税率を12%に引き上げる」と発言したことを問題視しています。

「給付付き税額控除」という新しい仕組み

もう一つの論点が「給付付き税額控除」です。これは、所得税の控除だけでなく、控除しきれない低所得者には現金を給付する仕組みで、すでに海外では導入されています。​

自民党は、この給付付き税額控除を本命と位置づけており、井上幹事長代理は「同時並行して国民会議で議論し、なるべく早く決めて実施したい」と述べました。維新の会も「低所得者層にとって非常に有利」として賛成しています。

しかし、この制度を本格的に導入するには、マイナンバーの普及や資産・所得の正確な把握が必要で、「相当時間がかかる」(国民民主党・榛葉幹事長)との指摘もあります。​

「国民会議」は本当に機能するのか?

高市総理は消費税政策について、超党派の「国民会議」で議論を進める方針ですが、これに対しても様々な意見が出ています。

中道改革連合の小川代表は「自民党が衆議院で圧倒的多数を得た今、何のための国民会議なのか。単にアリバイ作りの共犯にさせられるならあまり興味ない」と警戒感を示しました。国民民主党の榛葉幹事長も「与党で3分の2あるんですから、まず与党でしっかり案をまとめるべき。自民党内の反対勢力をやらせないのを野党の反対のせいにする手法はやめていただきたい」と釘を刺しています。

共産党の小池書記局長に至っては「高市さんは消費税減税が悲願だと言って2026年に実施したいと言っているのに、なぜ特別国会に減税法案を出さないのか。国民会議ではなく国会で議論すべき」と、国民会議そのものの必要性に疑問を呈しました。

「責任ある積極財政」の光と影

緊縮志向からの大転換

高市総理は選挙後、「行き過ぎた緊縮志向、未来への投資不足から完全に脱却しなければならない」と述べ、「責任ある積極財政」を推進する姿勢を改めて強調しました。​

これは、従来の財政健全化重視の方針から、積極的な財政出動によって経済成長を目指す方向への大きな転換です。自民党の井上幹事長代理は「足元の物価高対策と中長期的に日本経済を強くしていくための成長投資や危機管理投資をやっていく」と説明しました。​

国民民主党は「もっと手取りを増やす」をスローガンに掲げ、「5年間で税率も税制も変わっていないのに30兆円のインフレ増税。この取り過ぎた税金をきちんと国民に返していく」として、積極財政に賛成の立場を示しています。

「責任ある」の意味をめぐる対立

しかし、この「責任ある積極財政」という言葉には、各党で解釈の違いがあります。

維新の会の中塚幹事長は「財政規律の歯止めをやっていく必要がある。マーケットの信頼を得ることも大事」として、「無駄やばらまきにはブレーキ役を果たす」と強調しました。チームみらいの安野党首も「マーケットとの対話が必要。円安や長期金利の上昇もある」と警鐘を鳴らしています。

中道改革連合の小川代表は「責任ある積極財政とは、対GDP比で政府債務を管理していくという概念だが、政府債務は完全にコントロールできる一方、GDPは完全にはコントロールできない。それは本当に責任ある態度なのか」と根本的な疑問を呈しました。

「積極」の向かう先は?

「積極財政」と言っても、何にお金を使うかで意味は大きく変わります。

共産党の小池書記局長は「来年度予算で一番積極的なのは9兆円超えの防衛予算。一方で高額療養費の引き上げや年金の目減りなど、国民の暮らしには消極財政で大軍拡には積極財政だ」と批判しました。

れいわ新選組の山本政策委員も「高市さんの積極財政のお金の投入先ははっきりしてきた。アメリカと防衛費の増強だ。18兆円の補正予算の中にも8500億円の防衛費増強や辺野古の新基地建設費まで入っている」と指摘しています。

一方、参政党の安藤幹事長は「消費税の廃止は物価対策ではなく中小企業支援策だ。官製ワーキングプアや医療介護現場の崩壊にも目を向けるべき」として、別の方向での積極財政を訴えました。チームみらいの安野党首も「子育て・教育とテクノロジー・科学技術への投資をもっと積極的にやるべき」と主張しています。

中道改革連合の惨敗が示す「野党再編」の失敗

なぜ「大連立」は裏目に出たのか

今回の選挙で最も衝撃的だったのは、野党第一党の立憲民主党と、長年自民党と連立を組んできた公明党が合流して誕生した「中道改革連合」の壊滅的敗北でした。​

日曜討論で小川代表は「選挙直前の新党ということで、有権者の受け止めは非常に複雑だった」「党としてのアイデンティティが揺らいだ」と振り返りました。実際、新党の発足は「晴天の霹靂であり驚天動地だった」と述べ、党内でも十分な準備ができていなかったことを認めています。

惨敗の理由は複数あります。第一に、「中道改革連合」という党名が短期間では有権者に浸透しませんでした。第二に、立憲民主党と公明党という政策も支持層も異なる「水と油」のような政党の合流に、支持者が心理的抵抗を感じました。第三に、高市政権の高支持率に対する明確な対抗軸を打ち出せませんでした。​

図解:中道が陥った「曖昧さの罠」

国民民主党との「共倒れ」が致命傷

さらに致命的だったのが、同じ「連合」を支持母体に持つ国民民主党との選挙区調整が整わなかったことです。全289小選挙区のうち46選挙区で両党の候補が競合し、いずれも共倒れとなって自民党に漁夫の利を与えました。​

日曜討論でも、榛葉幹事長が参議院での会派について「参議院では中道に入ると必ず入ると共同代表は言っていたのに、結局参議院では中道でなく従来の立憲と公明党がまだ残っている。3党が一緒になって賛否が分かれる可能性がある」と混乱を指摘しています。

小川代表はこれに対し「当時考えていたことと、この厳しい選挙結果を受けてどう展開していくか、あまり固定概念を持って考えるわけにはいかない。少し時間の幅を持ってやや柔軟に考えていきたい」と述べ、合流そのものの見直しも示唆しました。

ベテラン議員の大量落選

中道改革連合の惨敗は、党組織だけでなく個人のレベルでも大きな打撃となりました。小沢一郎元民主党代表、岡田克也元外相、枝野幸男元立憲代表といった重鎮が軒並み議席を失ったのです。​

一方で、自民党は「裏金問題を抱え前回の衆院選では落選した丸川珠代氏や下村博文氏らも当選を果たし」(テレビ朝日)、「政治とカネ」の問題に厳しい審判が下された2024年の衆院選とは一転しました。​

小川代表は「裏金をもらった人も複数復活している。政治の浄化もやっていかなければいけない」と述べましたが、有権者は政治とカネの問題よりも、政権の安定や政策の実現を優先したと見られます。

新興政党の躍進が示す「多党化」の進行

参政党とチームみらいが議席を大幅増

今回の選挙では、新興勢力の台頭も注目されました。参政党は公示前の2議席から15議席へと大幅に増やし、チームみらいはゼロから11議席を獲得しました。​

参政党の安藤幹事長は「去年の参議院選挙に比べたら得票数は減っているし、目標の30議席、最低でも20議席には届かなかったので残念」としながらも、「182の選挙区で候補者を立てて戦うことができ、15議席をいただいたのは本当にありがたい」と述べました。

チームみらいの安野党首は「5議席以上を目標としていたが、11議席という結果で目標を達成できてよかった。一人政党だったところから本当のチームとして動く土台ができた」と手応えを語りました。

「消費税減税反対」で議席を獲得

興味深いのは、チームみらいが与野党の多くが掲げた消費税減税に反対する立場を取りながら議席を獲得したことです。​

安野党首は日曜討論で「今の時期の消費税の減税には反対で、財源があるのであれば社会保険料の負担軽減をやるべきという主張をしていた」「知名度があまり高くないところから11議席取れたのは、我々だけが消費税の減税は今ではないと主張していたことと関連がある」と分析しました。

これは、有権者の一部が「ポピュリズム的な減税政策」に疑問を持ち、より実質的な政策を求めていることを示唆しています。

れいわ新選組と共産党は議席減

一方で、れいわ新選組と共産党は議席を減らしました。れいわ新選組の山本政策委員は「代表の山本太郎が病気療養で選挙戦を戦えず、大きなエンジンを失った」と振り返りました。

共産党の小池書記局長は「悔しい結果。党の在り方など多くの皆さんの声を聞いて耳を傾けたい」としながらも、「異常な選挙だった。予算審議もしないで解散し、解散から選挙まで戦後最短の16日間で、有権者に十分政策を考える時間を与えなかった」と選挙のあり方を批判しました。

【コラム】野党各党の「批判スタイル」の違い

日曜討論を見ていて気づくのは、野党の中でも「批判の強さ・スタイル」に明確な違いがあることです。

批判のトーンが強かった政党

日本共産党(小池晃書記局長)
冒頭から「異常な選挙」「大義なき解散」と選挙そのものを批判。さらに「フリーハンドを与えられたと思うな」「多数の驕り」など、政権運営そのものへの牽制が目立ちました。もちろん消費税一律5%への減税など具体的な提案も出していますが、全体のトーンは"監視・批判"が中心でした。

れいわ新選組(山本ジョージ政策委員)
「数の力で押し切る政治が続けば民主主義は完全に形骸化する」「増税や改憲の暴走なら体を張ってでも止める」など、より強い言葉での牽制が特徴的でした。消費税廃止を軸に"生活側への投資"を主張し、防衛費増強への批判も明確でした。

批判と提案をバランスさせた政党

一方、国民民主党・中道改革連合・参政党は、批判もしつつ「与党案をまず出せ」「どう制度設計するか」といった"条件提示・手順論"の比率が高く、批判一色には見えない構図でした。

例えば国民民主党の榛葉幹事長は「驕りが出る」と警告しつつも、「協力できるところはしっかり協力する」と建設的姿勢を示しました。維新の会も「アクセル役」を自認しながら「無駄やばらまきにはブレーキをかける」と、与党内での調整役を強調しています。

特に注目すべきは、中道改革連合の姿勢の変化です。壊滅的な敗北を喫した小川代表は、日曜討論で「党としてのアイデンティティが揺らいだ」と率直に認め、「少し時間の幅を持ってやや柔軟に考えていきたい」と路線修正を示唆しました。厳しい選挙結果を受けて、少なくとも表向きには反省と軌道修正の姿勢を見せているのです。

選挙結果が示す「批判一辺倒」の限界

ここで興味深いのが、今回の選挙結果との相関です。共産党は議席を減らし、れいわ新選組も代表不在という事情があったとはいえ議席を失いました。一方、「是々非々」「建設的野党」を標榜した国民民主党は議席を維持し、「実は今回の野党第一党」(榛葉幹事長)という立場を確保しています。

もちろん、共産党・れいわには一貫した理念を支持する固定層がいます。しかし、日曜討論での両党の姿勢を見ると、選挙で議席を減らしたことへの反省や戦略の見直しはほとんど感じられませんでした。相変わらず「政権批判」「体制批判」のトーンが前面に出ており、有権者が求める「具体的な対案」や「現実的な協力姿勢」は後景に退いている印象です。

この違いは、各党の政治的立ち位置と支持層を反映しているとも言えます。共産党・れいわは「反自民」の旗を明確にする支持層を持つ一方、国民民主党や維新は「是々非々」「現実路線」を求める支持者が多いという背景があります。

ただ、「批判するだけでは国民の支持は得られない」という教訓を、選挙結果は明確に示しているのではないでしょうか。巨大与党が誕生した今こそ、野党には「反対のための反対」ではなく、「より良い政策」を競い合う建設的な姿勢が求められているのかもしれません。

国際的な視点:日本の政治安定と東アジア情勢

政権の安定は国際社会から歓迎されるのか?

今回の自民党圧勝によって、高市政権は安定した政権基盤を手に入れました。一般的に、政権の安定は対外的な信頼を高め、長期的な外交戦略を展開しやすくなるとされています。​

特に、東アジア情勢が緊迫する中で、日本の政権が安定することは、アメリカなど同盟国にとっても歓迎すべきことと受け止められる可能性があります。防衛費の増額や安全保障政策の強化も、この文脈では進めやすくなるでしょう。

しかし「強権政治」への懸念も

一方で、あまりに強い政権は「強権政治」に陥るリスクもあります。共産党の小池書記局長は「多くの皆さんが心配不安を抱えている。あらゆる分野で強権政治を許さない戦いを進めたい」と警戒しています。

中道改革連合の小川代表も「野党の足並みが揃っていれば、わずか1年前(参議院選挙)の時に政権交代だった。日本は政権交代というシステムがあって、政治の浄化と政策の軌道修正が定期的に行われた方が長期的に繁栄する」と指摘しました。

実際、歴史を振り返ると、長期安定政権は当初は成果を上げても、やがて腐敗や硬直化に陥ることが少なくありません。「権力は腐敗する、絶対的な権力は絶対的に腐敗する」という言葉を思い起こさせます。

アジア太平洋地域での日本の役割

今後、高市政権がどのような外交・安全保障政策を展開するかは、アジア太平洋地域全体に大きな影響を与えます。

日曜討論では、維新の会の中塚幹事長が「国の根幹に関わる政策として公室の安定、憲法改正、安全保障とインテリジェンスの強化」を挙げました。また、参政党の安藤幹事長は「移民問題も選挙の争点にならなかったが、国民は非常に不安に感じている」と述べ、外国人政策についても議論が必要だと指摘しています。

これらの政策は、周辺国との関係にも影響を与えるため、慎重かつ戦略的なアプローチが求められるでしょう。

未来への問いかけ:この「圧勝」は何をもたらすのか

シナリオ1:政策実現と経済成長

楽観的なシナリオとしては、安定した政権基盤のもとで、大胆な経済政策が実現し、日本経済が活性化する可能性があります。​

「失われた30年」と呼ばれる長期停滞から脱却するためには、思い切った財政出動や構造改革が必要だという見方は根強くあります。3分の2という圧倒的多数があれば、抵抗勢力を押し切って改革を断行できるかもしれません。

消費税減税や給付付き税額控除が実現すれば、家計の可処分所得が増え、消費が刺激されるでしょう。社会保険料の負担軽減や賃上げ支援も進めば、中間層の生活は改善するはずです。

シナリオ2:財政悪化とマーケットの反乱

しかし、悲観的なシナリオも無視できません。「責任ある積極財政」と言いながら、実際には財源の裏付けが不十分なまま支出が膨らめば、財政はさらに悪化します。

日本の政府債務残高は既にGDP比で世界最悪水準にあります。ここにさらに大規模な財政出動を重ねれば、金融市場は日本の財政の持続可能性に疑問を抱き、国債金利の上昇や円安の加速を招く可能性があります。​

チームみらいの安野党首が「マーケットとの対話をしっかりやらなければならない」と警告したのは、まさにこの点です。中道改革連合の小川代表も「積極財政には賛成だが、これが放漫財政だと金利の急騰や円安という副作用が大きい」と注意を促しています。

シナリオ3:民主主義の形骸化

最も懸念されるのは、圧倒的多数を背景に、民主主義の基本的なプロセスが軽視されることです。

れいわ新選組の山本政策委員は「3分の2という数の力で押し切る政治が続けば、完全に国の民主主義は形骸化してしまう」と警鐘を鳴らしました。共産党の小池書記局長も「野党の質問時間はそんなにいらないとか、首相がやると言ったものは全部フルスピードでやると政権幹部が言っている」と批判しています。

自民党の井上幹事長代理は「謙虚に丁寧に野党と向き合う」と繰り返し述べましたが、これが実際に守られるかどうかは、今後の国会運営を見守る必要があります。

私たち有権者に求められること

では、私たち一人ひとりには何ができるのでしょうか?

まず大切なのは、「選挙で決まったことだから仕方ない」と思考停止しないことです。選挙は民主主義のゴールではなく、スタートです。選挙後の政治を常に監視し、声を上げ続けることが重要なんです。

小川代表が言った「議論というのは数の勝負ではなく、議論そのものはクオリティの勝負。人数が増えたから議論がいらないとか、人数が減ったから議論ができないということにはならない」という言葉は、私たち有権者にも向けられています。

また、国民民主党の榛葉幹事長が「揚げ足取りに終始せず、真意を前に出していく。協力できるところはしっかり協力していきたい」と述べたように、建設的な政治を求める姿勢も大切です。

まとめ:歴史的転換点に立つ日本政治

2026年2月の衆議院選挙は、間違いなく日本政治の大きな転換点となりました。自民党の歴史的圧勝、中道改革連合の壊滅的敗北、新興政党の躍進――これらすべてが、日本の政治地図を塗り替えています。​

政治・政策の視点では、衆議院での3分の2という圧倒的多数が、法案成立のプロセスや憲法改正の議論に大きな影響を与えることがわかりました。一方で、この強大な権力をどう制御するかという課題も浮き彫りになっています。

経済の視点では、消費税減税や給付付き税額控除、責任ある積極財政といった政策が、家計や企業、そして財政にどのような影響を与えるかが問われています。「積極財政」の名のもとに何が行われるかによって、日本の未来は大きく変わるでしょう。

社会・文化の視点では、野党再編の失敗と新興政党の台頭が、日本の政治文化の変容を示しています。従来の「二大政党制」的な図式は完全に崩れ、多党化が進行しています。これは有権者の価値観の多様化を反映しているとも言えます。

国際的な視点では、政権の安定がもたらす外交・安全保障政策への影響と、それがアジア太平洋地域に与えるインパクトが注目されます。日本がどのような国際的役割を果たすのか、世界が注視しています。

そして未来への視点では、この圧倒的多数が日本に何をもたらすのか――経済成長と政策実現の好機となるのか、財政悪化と民主主義の形骸化を招くのか――が問われています。

歴史を振り返れば、大きな権力は大きな責任を伴います。高市政権と自民党が、この歴史的な議席数を日本の未来のために本当に「責任ある」形で使えるかどうか。それは、これからの国会での具体的な行動によって判断されるべきでしょう。

そして何より大切なのは、私たち有権者が関心を持ち続けることです。日曜討論で展開された激論は、単なる政治家同士の言い争いではありません。それは、私たちの生活、私たちの社会、私たちの未来をどう作っていくかという、極めて実践的な議論なのです。

選挙は終わりましたが、政治はこれからが本番。この歴史的な局面を、一緒に見守っていきましょう!

参考にしたニュースソース

  • NHK「日曜討論」(2026年2月15日放送)​

1. 再可決
衆議院で可決した法案が参議院で否決された場合、衆議院で出席議員の3分の2以上の賛成があれば、参議院の意思を覆して法案を成立させることができる制度
2. 絶対安定多数
衆議院の465議席のうち261議席。すべての常任委員会で委員長を出し、かつ過半数を確保できる議席数
3. 給付付き税額控除
所得税から一定額を控除する仕組みで、控除しきれない低所得者には現金を給付する制度。所得再分配機能を持つ
4. インボイス制度
消費税の仕入税額控除を受けるために、適格請求書(インボイス)の保存を義務付ける制度。2023年10月開始
5. 仕入税額控除
事業者が商品を仕入れる際に支払った消費税を、販売時に受け取った消費税から差し引くことができる制度
6. 小選挙区制
1つの選挙区から1人だけを選出する制度。得票数1位の候補者のみが当選する「勝者総取り」方式
7. 比例代表
政党の得票率に応じて議席を配分する選挙制度。死票が少なく、少数政党にも議席獲得の機会がある
8. 連合(日本労働組合総連合会)
日本最大の労働組合の中央組織。約700万人の組合員を擁し、立憲民主党・国民民主党の主要支持基盤
9. 積極財政
景気刺激や成長促進のために、政府が財政支出を拡大する経済政策。公共投資や減税などが含まれる
10. 緊縮財政
財政健全化を優先し、歳出削減や増税により政府債務を抑制する経済政策。積極財政の対義語
11. 財政規律
政府の財政運営において、放漫な支出を抑制し、健全性を保つための規範や基準

用語説明

#衆院選 #自民党 #政治 #消費税 #積極財政 #野党 #日曜討論  #憲法
#高市政権

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