「年賀状文化」はいよいよ断末魔か
日々のニュースでは時折「えっ」と声が出てしまうものに出会うことがある。「遊説中の元首相が銃撃されて死亡」というレベルのものは少ないが。
「郵便料金が値上げされる見通し」のニュースを聞いた。その値上げ幅の大きさには職場でも「えっ、そんなに上がるの?」という声があがった。はがきが63円から85円に、封書は84円から110円。ともに3割値上げとなるという(最終決定はまだ)。
ネットの普及によって世界で劇的に低下したのが通信料金だ。大量のデータが瞬時に安価に届く時代に、いちいち人力で紙を運んで個別に配達するためのコストは膨大だ。もちろん手書きの手紙のあたたかさや紙で届けたい資料などがあることは理解するが。
私が数年前に年賀状をやめることにしたのも、もちろん「毎年制作するのがめんどくさい」というのが最大の理由だが、1枚に60円以上もかかるコストが納得できなかったこともある。
さて本当に来秋に値上げが実施されたなら2025年の年賀はがきも1枚85円になる。現在150枚出しているとすると9,450円だったコストは12,750円になるわけで、このボリューム感はすごいぞ。
私の周囲でも「これでもう年賀状はやめるかなあ」と、“卒業”のきっかけにしたいとのつぶやきが聞こえてくる。あ、本当にやめるならこの年末年始に出す分で「ことしで最後にします」と書きたくなるのが人情だ。年賀状制作のピークであろう12月の中旬に出てきたこのニュース、なんとも絶妙なタイミングなんだな。やがて年賀状という“文化”は「一部の愛好家が趣味の絵手紙として送付するレアなアイテム」になっていくのは間違いない。今回の値上げは大きなターニングポイントになるだろう。
今年の年賀はがきの発売枚数は前年に比べて12%減の14.4億枚だった。ピークは2003年の44.6億枚というから、ざっくり1/3だったことになる。来年の発行数は一気に10億枚を割り込むかもしれない。発売される11月のニュースに注目しよう。
(23/12/20)
