キャラクターとライセンス <20>ライセンス取得の難しさ2
前回の続きです。
ライセンス取得が厄介だった話しのふたつ目。
前職でライセンス取得担当だったときに、ある時期、キャラクター以外の人気があるコンテンツを取ろうとしていた。
韓国アーティストブームがあって(といってもBTSなんかよりずっと昔)、東方神起などが日本で大流行してた頃だよ。
韓国女性ポップ・グループのKARA。2007〜2008年頃かな?

前職でぬいぐるみの製造を委託していた会社のCOO(クーじゃないよ、シーオーオー)のKさんから、KARAの版権窓口を知っているという話があり、紹介してもらった。
Kさんの会社は本社が韓国にあって、工場が中国にあるんだけど、Kさんはなぜか韓国の政界・財界に顔が利いて、韓国のことなら何でも知っているすごい人なので、スムーズに紹介してもらった。
中国だけでなく日本でも製造メーカーってたくさんあって、価格競争みたいになってる。そこで、どの会社も自社の強みを持っていないと、負けてしまって注文が取れない。
何でも作れる、早い、安い、正確、日本の市場をよく知っている・・など。
Kさんの会社はぬいぐるみ専門で、似た会社も結構いろいろあるのだけど、キャラクターのぬいぐるみの形状の再現が本当にうまい。今回はぬいぐるみになるようなコンテンツじゃなかったけど、よい関係性のおかげ(私より開発担当のリーダーとの関係性)で、紹介していただけた。
そういう関係性も大きな強みのひとつで、お互いにメリットが出せるよね。
紹介していただいた会社は、KARAの事務所と繋がりのあるライセンシー(X社と呼ぼう)で、エンタメ系のグローバルの版権をもっていたんだ。
つまり、ライセンシーから又貸し的にこちらもライセンシーになるという、業界ではサブライセンシーと呼んでいるよ。
サブライセンシーという立場は微妙で、日本で企画した商品を日本で販売するけど、ライセンサーからみたら、X社がつくったものを日本で販売するというような形になってる。ライセンサーはサブライセンシーの存在は知っているけど、日本の商圏をX社に任せているということ。
で、X社と契約してロイヤリティはX社に払う。X社はロイヤリティをライセンサーに払う。ということ。
それで大変だったのは、X社との契約だった。
契約のひな形はX社がつくってきたけど、なんかライセンスに慣れていないようで、日本でいう契約書の形になっていない。会社の法務にしても、韓国との契約なんか初めてだし、契約書の住所を調査しても個人宅の住所になっているし、会社から契約するのはやめろと何回も言われた。
しかも契約書には、ミニマムギャランティーが設定されていて、その金額も建売住宅くらいの価格だった。
それでも当時KARAといったら日本では大ヒットのアイドルで、プライズで商品化デビューしたら、ゲームセンターのバイヤーもユーザーも驚くのは間違いないと思ってたので強引に社内は通したよ。
もう一つ苦労したのは租税条約を理解させることだった。
租税条約っていうのは、日本と商業的に同盟を結んでいる国どうしの取引には、お互いの国の税務署と手続きをすると、所得税の二重払いが回避できるというものです。
もしかしたらX社はもともと韓国で所得税を払うつもりがなかったのかなと思うくらい、租税条約の手続きを面倒臭がったですよ。
なんとか商品化までこぎつけて、プライズ商品を作ったけど、実績を自慢できるほどじゃなかったね。
やっぱり、ぬいぐるみにできるキャラクターのほうが、写真を使う商品より売れるプライズの世界を再認識しましたよ!
それでも、これもいい経験で、KARAのサインももらったし(私個人用じゃないよ、販促用)、アジアの国とも契約できる自信にはなったかな。
