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短編小説 : 15分後の悪魔

午前9時30分、家族を送り出して洗い物だけ済ませた。次は掃除なのだけど、15分だけ休憩をとろうと思ってソファに仰向けになった。

「しなきゃ。掃除」

休憩しているのに「しなきゃ」が私から離れることはない。掃除のあとは夕飯の準備を兼ねた昼食の準備。昼食を食べたら買い物、それが終わったら少し時間がとれるかな。いや、銀行に行かないと。そのつぎは、そのつぎは。

「しなきゃ」は私を悪に染める。天井が滲んだ。涙が溢れているんだ。しなきゃいけない掃除をしないで、視線を天井に向けている私は悪人なんだ。そう思うと、涙が止まらなくなった。リビングに一人きりでいる私は、なぜ私を責めているのだろう。人は誰かを責めずにはいられないのだろうか? 一人になったら、自分でさえ責めてしまうのだろうか。もし、そうだとしたら、本当に本当に私は大悪人だ。

時計の針は15分進んだ。結局、私は休憩の間、私を責め続けた。そして、「しなきゃ」が私に追いついて囁いた。「掃除のあとは料理? それと洗濯物のこと忘れてない?」。私はわかった。理想の自分というのが悪魔なんだ。私は大悪人、この悪魔のしもべなんだ。


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