上司と部下の板挟みで限界だった僕が、軽バン生活を始めて気づいたこと
誰にも弱音を吐けなかった
上からは「もっと数字を出せ」と言われる。下からは「あの指示、おかしくないですか」と突き上げられる。
そのどちらにも、笑顔で対応しなければならない。
「このままでいいのか...」
そう思いながら、帰りの電車で窓の外を見ていた記憶があります。でも次の朝にはまた同じ顔をして会社に向かう。弱音を吐く相手もいなければ、吐く場所もない。辞める勇気もない。でも、このままでいい気もしない。
そういう宙ぶらりんな状態を、何年も続けていました。
中間管理職というのは、不思議なポジションです。責任だけが積み上がっていくのに、評価は曖昧で、給料はほとんど変わらない。上には逆らえないし、下には舐められたくない。気づけば、自分の感情を後回しにすることが習慣になっていきます。
「弱いところを見せてはいけない」という感覚が、じわじわと体に染み込んでいく。
家に帰っても、なんとなく気が休まらない。ソファに座って、スマホをぼんやり見ながら、「自分はいったい何のために働いているんだろう...」と思う。
そういう夜、何度も経験しました。
辞める以外の逃げ道を探した
僕は東京ガスに勤めていた時期、似たような感覚を持っていました。今でも完全に抜け出したわけではないけれど、ひとつ変えたことがあります。
場所です。
今、僕は軽バンに寝泊まりしながら、長野で仕事をしています。東京に家はあります。でも、あえて車の中で過ごす時間をつくっています。
最初は節約のためでした。でも続けているうちに、気づいたことがあります。
「どこにでも行ける」という感覚があるだけで、今いる場所が少し楽になる。
これは、仕事を辞めたわけでも、逃げ出したわけでもありません。ただ、物理的に「逃げ道がある」という状態をつくっただけです。それだけで、同じ仕事が少し違って見えました。
「逃げ道」は、そこまで大袈裟じゃなくていい
全部を変える必要はないと思っています。
辞める、移住する、起業する。そういう大きな決断じゃなくていい。「いざとなれば、ここじゃなくてもいい」という感覚を、どこかに持っておくだけでいい。
追い詰められた人間が最も苦しいのは、選択肢がゼロに見えることです。
板挟みの苦しさは、仕事の量や責任の重さだけから来ているわけじゃない。「ここから出られない」という感覚が、じわじわと人を削っていきます。
逆に言えば、出口がひとつでも見えれば、人は今の場所でもう少し踏ん張れる。
車中泊が全員に向いているとは思っていません。でも、「固定費を下げれば動ける」「物理的に場所を変えれば息ができる」という可能性が、誰かの選択肢になるなら、それでいいと思っています。
やれ、とは言いません。こういう道もある、ということだけ。
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