週刊Geminiと俳句生活🧃vol.3
金曜日が来た。
週刊Geminiと俳句生活の時間である。
その日の出来事をGeminiに投げる。
返ってきた俳句の中から、私が「これやな」と思う一句を選ぶ。
一週間分の中から、特に気に入った句だけをここに残していく。
先週は、まさかの「通じない」がテーマの週になった。
さて、今週は何が十七音になるのか。
生活の畑を掘り返しながら、vol.3いってみよう。

6/7(日)
夏帽(なつぼう)や プロと子の混じる 絵の具の香(か)
娘と、工作用具の展示会に行った。
展示会なので、来ているのは親子連れだけではない。
小学校、中学校、高校の美術の先生たちも来ていた。
つまり、子どもとプロが同じ空間にいる。
ブースには体験コーナーがたくさんあった。
オカリナに絵付け。
粘土でアイス作り。
グルーガンで木製玩具作り。
娘はキャッキャ言いながら、思い思いに色を塗っていた。
子どもの工作は自由でいい。
正解もない。
失敗もない。
本人が楽しければ、それで優勝である。
しかし、ふと隣を見る。
そこにはプロの大人がいる。
美術の先生らしき人が、当たり前の顔で、当たり前じゃないものを作っている。
いや、うま。
素人のこちらが普通に
「それ、売ってください」
と言いたくなるような完成度である。
私は学生の頃、美術の先生という存在を少し舐めていた気がする。
すみませんでした。
やっぱり、センスが一段違う。
線の迷いがない。
色の置き方が違う。
工作コーナーで商品を生み出してくる。
皿に金箔風の絵付けをするコーナーにも興味があった。
やってみたい。
ちょっと楽しそう。
そう思って近づいたら、そこにもプロがいた。
作品を見た瞬間、私は静かに引っ込んだ。
ここは私の出番ではない。
完全に場を間違えるところだった。
子どもは自由に描き、プロは静かに本気を出す。
その間で私は、娘の作品を見守りながら、絵の具の匂いを吸っていた。
今日も楽しい日曜日だった。
夏帽子の下で、子どもの自由とプロの技術を同時に浴びた日である。

何かにつけて「みくびるなかれ」とか言ってらっしゃる。
6/9(火)
夏嵐(なつあらし) みくびるなかれ 人の縁(えにし)
朝から、お客様からメールが来た。
そのお客様は、東京・港区にあるシルクスクリーン関係の大手会社に勤めている方である。
以前、私のZINEのサンプルを無料で刷ってくれたことがある。
無料である。
無料。
この時点でもう、だいぶ神である。
その方と、日曜日に行った展示会で再会した。
そこで私は、またZINEの相談をした。
「紙の厚さが気になるんですよね」
そんな話をしたら、その方は、
「お好みの用紙があれば、それを送ってくれたらまたサンプル作りますよ」
と言ってくれた。
いや、優しすぎる。
それだけでも十分ありがたい。
普通なら、そこで話は一旦終わる。
しかし今朝、メールが来た。
「厚い用紙が手に入ったので、サンプルをお送りします」
どういうこと?
そんなに親切な人、この世にいますか?
こちらが頼む前に、用紙を見つけてくれている。
しかもサンプルを送ってくれる。
ありがたすぎて、逆に少し怖い。
人の縁というものは、どこでどう繋がるか分からない。
お客様として出会った人が、ZINE作りの相談相手になり、サンプルまで作ってくれる。
油断していたら、縁が向こうから夏嵐みたいに吹いてくる。
みくびってはならぬ。
人の縁、まじでみくびってはならぬ。
私は今日、メールを見ながら静かに拝んだ。
やっぱ東京人、いい人。
港区にも、深い人はいた。

これって俳句の内容に合わせてのこと?
6/10(水)
夏木立(なつこだち) 実(じつ)の年齢(とし)より 若き日々
私は38歳である。
40歳に王手。
堂々たるアラフォーである。
しかし、なぜか実年齢より若く見られることがある。
ありがたい。
それは素直にありがたい。
ただ、少し思う。
これは褒め言葉なのか。
それとも、私の精神年齢が低すぎて、見た目にまで滲み出ているのか。
そこは定かではない。
中身の落ち着きが足りないのか。
それとも、まだ生命力が残っているのか。
できれば後者であってほしい。
まあ、どちらにしてもプラスに受け取っておこうと思う。
若く見られるなら、ありがたく受け取る。
遠慮している場合ではない。
しんどさは、できれば顔に出したくない。
苦労を刻んだ渋い顔もかっこいいのかもしれないが、私はできれば軽やかでいたい。
最近は、昔ほどしんどさもない。
だからなのかもしれない。
夏木立みたいに、青くて、少し影もあって、でもちゃんと光を通すような感じで歳を重ねられたらいい。
実年齢は38歳。
でも、気分だけはまだ少し若葉でいたい。
いや、若葉は言いすぎた。
せめて、よく育った観葉植物くらいでいたい。
先週は「通じない」がテーマだった。
今週は、それよりも少しライトで、爽やかな句を選べた気がする。
まあ、選抜されなかった句まで入れると、途端に濁るのだけれど。
選ぶって大事である。
俳句も、縁も、たぶん同じだ。
人と人との縁は、本当にみくびってはならない。
展示会に呼んでくれたのも、ZINEの相談に乗ってくれたのも、私のことを若いと言ってくれたのも、全部、どこかで縁があったからだ。
離れていく縁もある。
ふいに戻ってくる縁もある。
こちらが忘れた頃に、向こうから吹いてくる縁もある。
縁って、巡り巡る。
だから油断ならない。
そして、少し面白い。
ではまた、来週の俳句生活で。
