日本代表vsブラジル戦の戦術分析|1-2の敗戦で見えたスコア以上の大きな差
ブラジル戦、日本が「戦えていた」のに感じた大きな差とは
こんにちは。
今日は日本vsブラジルについて書きます。
試合を見て、気になったことを記録としてまとめておきます。
データ
この試合のスタメンは以下の通り。

各メディアではブラジルの配置は4-3-3で表記されているが、試合ではこのような配置に見えることが多かった。
Googleによるスタッツは以下の通り。

結果、2-1でブラジルの勝利となった。
スタッツを見ただけでも、ブラジルがボールを持ち、日本が守備をする時間が長かったことがわかる。
ブラジルの攻撃
まずはブラジルの攻撃について振り返る。
ブラジルはゴールキックでは4-2-2-2の配置になることが多かった。

パケタとクーニャがライン間に入り、カゼミーロ、ギマランイスの2VOとともに4MFを形成する。
そしてビニシウスとハイアンが幅をとってサイドの起点になるか、CB背後へ走る。

👉 ブラジルは中央と幅を使い分けながら、日本の守備ラインを動かそうとしていた。
押し込んだ時は、ビニシウスが冨安選手の守備範囲をうろつき、左SBサントスが高い位置をとって堂安選手と対峙していた。
左WGのパケタは、高い位置を取るSBとCBの間に降りてVOのような働きをしていた。

ブラジルの前半は、左サイドで時間を作って右サイドに持っていき、右サイドからクロスを上げて決定機を作ろうとしていた。
それに対して日本は5-4-1の配置で守る。
ゴールキックに対しては上田選手がVOを管理して、前田選手と伊藤選手がCBにプレスをかけていた。

日本の得点は、このプレスがきっかけである。
ブラジルのビルドアップを一度日本が跳ね返し、それを奪い返したブラジルが急いで中央につけたパスを佐野選手が奪って単独突破をして決め切った。
ただし、基本的にはブロックでの守備である。
前半は上田選手が自陣のセンターサークル突端を基準にラインを設定することが多かった。
ブラジル大外の選手に対してはダブルチームで対応する。

ビニシウスが内側に入ることが多かったため、下げさせて外回しをさせることができていた。

しかし後半は修正してきた。
パケタとエンドリッキを変えて、ビニシウスを左WGにし、エンドリッキをFWにしたのだ。

これによってビニシウスが大外で起点を作ることができる。
カウンターなどスピードに乗れると1人で突破し、押し込んだ状態でもビニシウスがクロスやシュートを見せながら日本をより深くまで押し込むことができた。

👉 ビニシウスが大外で起点を作れるようになったことで、日本の守備ラインは下がるしかなくなった。
それによって後半の日本のラインがもっと下がり、上田選手が自陣の半分より手前くらいのライン設定で守備をせざるを得なくなったのだ。
つまり、日本のDFラインはPAを出ることで精一杯という状態である。
さらに、ビニシウスが決定機を作れなくても時間を作ることで、ブラジルはゴール前に人数をかけることができる。
2CBとVOのどちらかを残した残りの7枚が、日本のDFラインと勝負する配置となることが多かった。

そして1失点目は、ビニシウスからCBであるマガリャンイスにバックパスをし、1タッチでクロスが上がったことで生まれた。
点を決めたのはカゼミーロである。
ここまで人数をかけることができたのは理由がある。
それは、日本の3FWは2CBで対応できると前半に値踏みされたからだ。
カウンターを食らっても、遅れて対応できる。
それも危なかったらファールで止める。
このように、度胸と狡猾さを必要とする戦い方を選んできたのだ。
日本の攻撃
次に日本の攻撃を振り返る。
日本の配置は3-4-3。
それに対してブラジルは前半、ビニシウスとクーニャを2FWにし、パケタを左WGにした4-4-2の配置で守備をしていた。
ブラジルは日本のゴールキック時のプレスから守備が始まる。
ワールドカップのような短期集中の決戦では、体力の消耗を考えてミドルで構えるチームが多い。
ブラジルのようにプレッシングを採用するチームは希少であり、勝ち進んでいくにつれて体力面や戦術面でどのような変化が起きるのか楽しみである。
ブラジルの4-4-2と日本の3-4-3は噛み合わせが悪い。
ブラジルは、2FWと右WGで日本の3CBにプレスをかけていた。それに連動して右SBが日本の左WBにジャンプする形を採用。

日本の2VOをFWが背中で隠しながらCBに寄せるため、ブラジルのVOは基本的にライン間を管理することができていた。
ただ、1stラインが外されると無理に飛び込まず、自陣に引き込んでブロックで構えていた。
日本はブラジルの2VOに対して、2IHと2VOの4人を起点に1stラインを外し、ブロックを構えられるとWBを使って幅のある攻撃から突破口を見出そうとした。
後半はブラジルの右サイドジャンプに対して、中村選手がボールを受けた時に前田選手がSBとCBの間を通過するアクションにより背後をとることがあった。

最も効果的に前進できていたプレーは、鈴木選手から上田選手に1発で蹴るプレーである。
ただ蹴るのではなく、ショートパスを繋ぐ立ち位置をとってブラジルにプレッシングの準備をさせ、上田選手に1vs1の状況を作っていた。
ただ、どの攻撃の形でもブラジルのCBを攻略することはできなかった。
前田選手がスピードに乗っても、マルキーニョスやマガリャンイスが難なく対応する。
上田選手で起点を作って、日本のIHやVOが前向きで受けても、次のプレーをCBの2人で消されて日本は下げるしかない。
クロスを上げても、日本はスピードや高さでボールに触ることはできず、CBに全て弾かれていた。
私は見ていて点が決まる気がしなかった。
スコアは1-2であるが、とても大きな差だと思った。
