小峰隆夫の財政破綻説が批判されないのは何故か



どこぞの経済学者か知らないが、元経済企画庁(後に内閣府)官僚上がりの自称経済学者らしい「小峰隆夫」という人物の言説について批判的検討を行う。

ずっと以前から、日本の財政破綻・財政再建=増税推進論者としてマスコミでよく目にする名であったので、ご存じの方々も多いであろう。

その特徴的な記事を元に検討してみたい。



一部引用

小峰氏は、国の借金である国債発行額が2020年すぎから、国債の消化原資となっている家計部門の金融資産規模を上回ると試算し、そこを起点に「日本の財政は破たんしてしまう」可能性があると説明。
さらに、「市場の信認を失うことと、計画的に財政再建をスター トするのと、どちらが先かの競争になっている」指摘。「財政再建への取り組みが遅れれば遅れるほど、市場の信頼を失うリスクが近づいてきてしまう」として、財政危機のタイミングが早まる懸念もあると 述べた。

日本の財政問題をめぐっては、これまで財務省などが財政危機を訴えながら、問題が顕在化しなかったために「おおかみ少年」と揶揄 (やゆ)されてきた。小峰氏はこうした状況について、「ギリシャに おおかみが現れたということなので、どうも日本にも出てくるのでは ないか」と述べ、現実味をもって議論されつつあるとの見方を示した。

国際通貨基金(IMF)は5月に公表したリポートで、日本の債務残高の対国内総生産(GDP)比率は15年に250%に達すると予測。 先進29カ国の予想平均は110%で、日本の比率は新興国も含めた56カ国で最悪となっている。IMFは、日本政府が消費税率の引き上げも含めた信頼に足る財政計画を、来年度から実施していく必要がある としている。

野放図な歳出拡大

政府は今月末までに11年度から3年間の複数年度予算を視野に 入れた「中期財政フレーム」と、10年程度を見渡した「財政運営戦略」をまとめる。仙谷由人国家戦略相は1日午前の会見で、政局が不安定化しても、月内の取りまとめは「予定通りだ」との考えを示した。ただ、焦点の消費税率引き上げや、分野別の歳出削減が明記されるか不透明だ。

小峰氏は「今のところ民主党政権は、やや野放図に歳出を拡大さ せる政権であるとの評価が定着しつつある」と指摘。「これを覆すた めに財政再建計画をきちんと立てる必要がある」としつつも、参院選 を控え「果たしてできるのか」と疑問を呈した。
その上で「今のまま、行けば必ず何かが起きることは間違いない」 とし、外的要因としてソブリンリスク(国家の信用リスク)が存在す ると述べる一方、国内的には「財政の信頼を取り戻せるか」が、最大 のリスクだと語った。
(以下、略)

bloomberg  『小峰内閣府委員:10年後にも財政破たん危機、「おおかみ」に現実味』  



まず上記記事から、太字部分で示した主張点について簡単にまとめると

①国債発行原資となっている家計金融資産
②2020年以降、国債発行額がこれを上回る
③これを起点に「日本は財政破綻する」(可能性)
④このまま行けば必ず何がが起こる
⑤IMF試算で2015年に債務GDP比が250%を超える(=財政危機)


IMFの主張は小峰の意見ではないが、消費税を上げろという催促であることは確定的と言えるだろう。ある意味、小峰のような増税論者の応援団として作用するということ。


当時の状況はギリシャ債務破綻が大袈裟に言われており、次は日本だ、みたいな脅し論調の空気感だったのだ。
そうした背景もあって、小峰による財政破綻危機の煽動があったものと思う。



まず、⑤のIMF の試算だが、少々外れましたね。2014年に消費税を引き上げて回避できた、という意見も無くはないが、日本の財政にとって特別な意味があったとは思えない。
現に、その後250%を超えたが、デフレがインフレ側に移ったということくらいしか起こっていない。

ギリシャの二の舞とか、財政破綻説は何処に行った?ww


https://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=GGXWDG_NGDP&c1=JP&s=&e=



話を戻すが、小峰曰く
①家計金融資産が日本国債消化の原資、と言ってるが、家計の国債保有高は現在でも全然少ないが?
そもそも論として、①の主張自体が誤りである。全くのデタラメであり、デマ同然ではないか。


次の、②2020年以降、家計金融資産を国債発行額が上回る説も全くの嘘だろ。国債発行額は百数十兆円を毎年継続してるが、家計金融資産残高はそれよりも(and 国債累積発行額よりも)多いが?

小峰はbloomberg記事によれば

『日本経済にとって国内最大のリスク要因は財政問題だとして、 政府が歳出拡大を続ければ、今後10-15年で破たんに直面すると警鐘を鳴らした』

と述べたらしいが、2010年から15年経つが?
その間、歳出拡大は継続しており、尚且つコロナ下での国債発行額が膨大に増加したのを経たのが今だぞ?


つまり、小峰言説は、真っ赤な嘘だと判明したわけだ。これが経済学の専門家面した教授だって?
ド素人以下なのと区別がつかない。


小峰のお説では、家計金融資産が国債発行額を下回ってないから破綻を回避できた、とでも思ってるのか?
④の「何かが起こる」ってww
そりゃどんな未来だって「何かは起こる」だろうに。別に経済学教授じゃなくても、凡人でも言える台詞だが?
何が起こるんだ?
小峰的には。

2014年以降、消費税増税を実行したから、国債発行額が破綻水準を突破しなかったのだ、というような妄言を吐く可能性があるか。

そこで、もしも消費税増税を回避していたら、という想定で少し考えてみよう。


消費税の税収推移

https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/010.pdf


国債発行額の実績

https://www.mof.go.jp/jgbs/reference/appendix/hakkou01.pdf



これらから(2025年度分は予算案の発行予定額を採用)、年度毎の数字を挙げてみる。2010年からなので、下2ケタ年で示す。もし消費税が5%のままだったとすると、それまでの傾向から概ね税額は11兆円程度なので、それを基準として、消費税額から11兆円を引いた差額を示す(単位は兆円)。


年 消費税額  差額  国債発行額  
10  10.0   -1   42.3
11  10.2   -0.8  42.8
12  10.4   -0.6  47.5
13  10.8   -0.2  40.9
14  16.0   +5.0  38.5
15  17.4   +6.4  34.9
16  17.2   +6.2  38.0
17  17.5   +6.5  33.6
18  17.7   +6.7  34.4
19  18.4   +7.4  36.6

20  21.0   +10.0  108.6
21  21.9   +10.9  57.7
22  23.1   +12.1  50.5
23  23.1   +12.1  35.0
24  24.3   +13.3  35.4
25  24.9   +13.9  28.6

まず、10~13年の4年間は消費税率が5%で、その間の平均国債発行額は43.4兆円。東日本大震災があっての、この数字だぞ?
14~19年の6年間では、国債発行額が平均36.0兆円、消費税の税収増加は年6.4兆円なので、もし11兆円程度の消費税収のままだと国債発行で補ったと仮定するなら平均発行額42.4兆円ということになる。

つまり、コロナ騒動前の国債発行額の巡航水準は概ね43兆円前後、と考えてよかろう。そうすると、もしもコロナ騒動がなかったなら、20~22年度の発行額が43兆円で済んだとするなら、
  (108.6+57.7+50.5)-43*3=87.8兆円
がコロナ下の追加発行分ということだな。

一方、消費税の引き上げで増加した分を考える必要があるので、19年度までが38.2兆円、20~22年度で33兆円。もし消費税が11兆円のままだったなら、追加支出分が87.8+33=120.8兆円分を国債発行で補う必要があった、と。

インフレに転換した23年以降で見ると、消費税の引き上げ分と国債発行額の和が順に47.1、48.7、42.5兆円で19年までの43兆円よりもインフレ分だけ若干増加してる(平均46.1)が、微々たるものである。


何が言いたいかというと、もしも小峰の破綻説が正しいとするなら、コロナ騒動の時点で消費税増税がないと追加発行分121兆円となった時点で、財政破綻しない方がおかしいでしょ、という話で。

たとえ消費税増税分があったとしても、19年までの僅か38.2兆円分の増加だけでは、22年度までの88兆円の追加が破綻せずできるもんなのか?という話である。


コロナ騒動がないとしても、小峰は2020年以降に財政破綻する、と言ったんだぜ?

消費税増税後でも、国債発行額との合計で見れば概ね43兆円の財政支出を継続していたわけで、特別に一般会計予算を削減できてたわけじゃないし、財政赤字がGDP比で大きく改善できてたわけでもない。


コロナ下で43兆円の国債発行で同じ程度だったとしても、追加支出分の約88兆円に比し、消費税の増税で増加した税収分は14~19年度分38.2兆円+20~22年度分33.0兆円=合計71.2兆円にしかならず、コロナ禍追加分を賄えていたわけじゃないってことだ。

2010年以降、増税せずに同様の財政支出を継続したら財政破綻する、と小峰は言ったんだぞ?

だが、現実は全く違う。
増税しても賄うことができなかった追加の財政支出を実行したにも関わらず、小峰の破綻説に反して財政破綻しないどころか「財政収支が改善」したんだが?


政府純債務残高GDP比率が低下し(20年162%→24年156%、IMF推計)、25年度の国債発行予定額が大台の30兆円以下を達成でき、久々の28兆円台まで減ってるんだが?

ああ、消費税増税の恩恵だって?
まあそれはあるが、インフレ率がプラスに転じ、25年度の消費税増収分13.9兆円と合わせても42.5兆円と、19年までの平均43兆円を下回ってるんだが?


結局、小峰隆夫が主張した財政危機・破綻説は全くのデタラメであり、2010年以降の財政支出が特別減少することがなかったが、2020年以降に破綻するという予言は全くの嘘だったとほぼ確定したようなものだ。


これが元官僚で経済学教授のレベルなんだぞ?

Bloombergの元記事を再読してみ?
財務省はいつも破綻するという嘘を言うので「おおかみ少年」と揶揄されてるそうでw
小峰は「おおかみが来る」と予言したが、それも真っ赤な嘘であったので「オオカミ少年」レベルと認定してよいか?


こういう連中が、毎年毎年財務省の嘘を拡散し、財政破綻危機を煽動することで利益を得てきたという傍証だな。


だが、この国の経済学者も財務省もその他官僚や知識人気取りも、大手マスコミも、揃いも揃って「誰もろくに反省しない」し検証すらできない、低次元の連中しか存在しないようなので、当方のようなド素人が指摘せざるを得ないのですわ。


間違ってきたのは、どっちなんだ?
嘘を言ってきたのは誰なのか?

学者や経済学の教授だの専門家だのの肩書で、彼らの嘘やデマを拡散してきたのはどこのどいつなのか?


他の物事でも、同様のことが繰り返されているのだよ。
人々を騙し、大衆を欺き、嘘で洗脳してるのは、どういう連中なのか?


その妄言の発信元は、どういう連中なのか?

これでもまだ分からないのかね?


わが国は、狂人に支配されているのだよ。








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